キャンプといえば?
お昼ご飯をたっぷり食べて、山梨に出発だ。その前に、まずはどこに行くか、だね。
「山梨って果物以外に何かある?」
「そうだね……。昔の千円札に富士山が描いてあるんだけど、そのモデルになった場所があるよ」
『本栖湖な。あそこのキャンプ場から見える富士山は必見だ』
『そういえばリタちゃん、キャンプとか興味ない?』
『野生児にキャンプっている?』
野生児言うな。否定はしきれないけど。
んー……。キャンプ。なんだっけ、真美と一緒に見たアニメに、そんなものがあった気がする。もう結構昔のアニメらしいけど、キャンプはすごく楽しそうだった。やってみたい。
「キャンプしたい。何がいるかな」
「人それぞれだけど……。テントと寝袋、それに折りたたみの椅子にテーブルとかがあると便利かも?」
『あとは夕食も忘れないようにな!』
『キャンプと言えばカレーだよカレー!』
「カレー!」
『カレーに反応すんなw』
キャンプと言えばカレーらしい。それは是非とも食べないといけない。どこで食べるのかな。
「いや、リタちゃん。キャンプのごはんは、基本的には自分で作るものだよ」
「自分で……作る……?」
「どうしてそこで、信じられないものを見るような目で見るのかな……?」
『正気を疑う目とも言う』
『真美ちゃん正気か! その子、クッキーを作る時に砂糖をどばあってする子だぞ!』
『師匠さんがカレーを作ると茶色い水になるんだぞ!』
「う……。不安になってきた……」
いや、みんなしてちょっとひどいと思う。私だって、料理ぐらいできるよ。調合とかもできるからね? ちゃんとやれば、できる。大丈夫。
「大丈夫」
「いい? リタちゃん。料理に関して、リタちゃんに信用はないから」
「え」
『残当』
『砂糖どばあ』
『多分ずっと尾を引くからなあれw』
いや、うん……。自分でもあれはどうかと思うけど。でも、今回は大丈夫。ちゃんと分量を量る。大丈夫。
「真美。レシピ本、だっけ? かして」
「あ、うん……。本当にやるの? 大丈夫?」
「大丈夫。信じてほしい」
「無理」
「ひどい」
『草』
『笑顔でばっさりw』
真美は小さくため息をつくと、レシピ本を渡してくれた。信じてくれるみたい。これは、頑張らないといけない。せっかくのカレーだし、がんばる。
「リタちゃん」
「ん?」
「私の真似は絶対に、絶対に、絶対にしないで。ちゃんと市販のルウを使って。絶対だよ?」
「すごく強調された……」
『大事なことなので三回言ってまだ不安なので四回言いました』
『でもリタちゃん、マジで真美ちゃんの真似はやめた方がいい』
『スパイスで調整して、とか普通はしないから。真美ちゃんがおかしいから』
「そこまで言われることかな……」
私もさすがにスパイスに手を出そうとは思わない。たくさんあるスパイスから選んで、とか私には無理だ。だから、私好みに作ってくれる真美は本当にすごいと思ってる。
「まずは、テントと寝袋、だね。買いに行く」
「うん。気をつけてね?」
「ん」
というわけで、まずは買い物。一度精霊の森に戻って、師匠を連れてくる。迎えに行ったら苦笑いしていた師匠が待っていた。配信見ていたらしい。
「キャンプの道具、どこで買えばいいかな?」
「正直、どこでも買えると思うけどな……。とりあえずスマホで調べてみようか。せっかくあるんだし」
「ん」
キャンプ道具……。お店は、いろいろ。日本中にいっぱいある。んー……。
「リタ。アニメでキャンプ見たんだったな」
「うん」
「それじゃあ、ここにしようか。アニメに出てきた店のモデルになった場所だ」
「おー……」
『よく知ってるなあ』
『さすが自称オタク』
『お前絶対自分が行きたいだけだろ』
師匠を見る。目を逸らされた。いや、別にいいんだけど。
師匠と一緒に転移して、お店の側へ。アウトドアグッズ、というのがたくさん売ってるお店らしい。中に入ってみると、たくさんの商品がいっぱい並んでいた。すごい。
「いらっしゃいま……」
店員さんが固まった。いつも通り。
「さて、リタ」
「ん」
「俺はここで必要なものを見繕っておくよ。山梨、見て回るんだろう? ブドウも桃も食べてないだろ」
「いいの?」
「ああ。選んだものに文句は言うなよ」
「大丈夫」
じゃあ、アウトドアグッズ、というのは師匠に任せよう。私は山梨観光だ。ブドウと桃、食べに行かないと。それが一番の楽しみ。
「ブドウと桃、俺の分も頼むよ。あと精霊様のもな」
「わかった。いっぱい買う」
「…………。ほどほどで。他の客の迷惑にならない程度に」
「ん……」
『さすが師匠、ちゃんと釘を刺してくれてありがたいw』
『リタちゃんなら買い占めそうだからなw』
さすがにそこまでは買わないよ。多分。
それじゃあ、とりあえず外に出て、行き先を決めようかな。
壁|w・)りたきゃん!
何のアニメを見たんでしょうね……謎だなあ……。
というわけで。ほどほどに観光してキャンプ回、です。





