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回転寿司


「おー……」


 師匠に連れてこられた場所は、日本でも有名な回転寿司のお店、らしい。師匠がまだ日本で暮らしていた時から、たまに来ていたお店なんだとか。

 今は開店時間ちょうど。だからまだ他のお客さんはほとんどいない。


「いらっしゃいま……」


 あ、店員さんが固まった。


「どうも。二人でお願いします」

「あ、はい! どうぞ、奥のテーブル席へ!」


 案内されたのは、お店の一番奥のテーブル席。四角形のテーブルで、奥では何かが流れてる。レーンって言えばいいのかな? テーブルの奥から手前へ流れていって、さらに隣のテーブル席に流れていってるみたい。

 なにかなこれ、と思って見ていたら、お寿司の載ったお皿が運ばれてきた。そのまま目の前を通り過ぎて、次のテーブル席に運ばれていく。


「師匠。師匠。お寿司が流れていった」

「ああ。食べたい寿司があったら好きに取って食べていいぞ。お皿は戻さないように。最後にお皿の数で会計するからな」

「おー……!」


 いっぱい取ってもいいのかな。いいんだよね。いっぱい食べられそう。

 師匠から注意点も聞く。予約の文字とテーブル番号が書かれたものは取ったらだめらしい。他の席のためのお寿司なんだって。もちろんここでも同じように注文できるのだとか。


『いや、違うぞ』

『今のそのチェーン店は注文品は専用レーンで運んでくれる』

『試してみるといい』


「あ、そうなのか。進歩してるんだなあ」


 早速とばかりに師匠が何かのモニターでお寿司を注文してる。私はとりあえず……流れてきたお寿司を。これは、まぐろ、かな?


「んー……。お寿司。でもちょっと、いつもより微妙かも。お魚がちっちゃい気がする」

「そりゃ、お前が首相からもらってる寿司は、根本的に違うからな……」


 そういうものらしい。いつも食べてるのは、とっても高いお寿司。ここのお寿司はりーずなぶる? そういうお寿司らしい。


「よし、これで」


 師匠が注文を終えたみたい。すこし待っていたら、お寿司が流れるレーンの少し上、何かがすっと流れてきた。これは……。


「師匠。電車。電車が流れてきた。お寿司いっぱい」

「お、おお……。俺は技術の進歩よりもリタの反応にびっくりだよ……」


『変なところで子供っぽいからね、リタちゃん』

『電車にはしゃぐ子供かな? 子供だったわ』

『電車にはいろんな種類があるぞ!』


 へえ、そうなんだ。他のも見たい。たくさん注文しよう。

 お寿司をたくさん食べていく。注文も何度か。いろんな電車がお寿司を運んでくれた。新幹線の種類らしい。これが目玉なんだとか。

 あと、ちょっと驚いたのが……。お寿司以外も流れてきた。


「師匠。ケーキが流れてる」

「ああ、流れてるな」

「師匠。さっきの電車、ラーメンを運んでた」

「ああ、運んでたな」

「…………。お寿司屋?」

「寿司屋だぞ」


 お寿司のお店じゃなかったの? ケーキは……うん。デザートだから、まだ分かるかもしれない。でもラーメンは違うと思う。

 メニュー表を見てみたら、ラーメンの他にもおうどんとか、ちょっとした丼もあるみたいだった。お寿司屋ってなんだっけ。


『そこはな、突っ込んじゃいけない部分なんだ』

『回転寿司ってわりと競争激しくてな』

『生き残りに必死なんだよ、みんな』


「ふうん……」


 大変なんだね。どれも美味しいから、きっと人気のお店なんだと思ってたけど……。

 試しにラーメンを注文してみる。海鮮ラーメン、だって。電車で運ばれてきたラーメンは少し小さめだったけど、お魚や貝がたっぷり入ったラーメンだった。

 ラーメン専門店に比べるとちょっと、だけど、でも美味しい。お寿司と一緒に食べられると思ったら悪くないかも。

 デザートの種類もいっぱいだ。プリンとかケーキとか、いっぱい。お持ち帰りもできるみたい。


「とりあえず……。全種類」

「ええ……」


『こんなもんで驚いたらだめだぞ、コウタ』

『リタちゃんのアイテムボックスにはバウムクーヘン一本が入ってたりするからな!』

『コーヒー牛乳も大量に入ってるはず』


「別にいいけど、満喫してるなあ」


 日本はとっても美味しい。アイテムボックスに入れておけば、いつでも食べられる。たくさん入れて、アルティと一緒に食べるのもいいと思うから。

 いくつかお持ち帰りで頼んで、プリンとショートケーキはここでも食べてみる。


「んー……。甘くて美味しい」

「はは。それは良かった」


 ん。手軽にみんなと食べられると思ったらいいお店だと思う。

 しっかり味わって、そろそろ帰ろう、ということになった。師匠は精霊の森に帰るみたい。私は、日本のどこかに行こうかな?


『ところで』

『お皿がめちゃくちゃ高く積まれてる……w』

『合計二百皿はあって草なんだ』

『食べ過ぎぃ!』


 美味しかったのが悪いと思います。

 お会計に呼んだ店員さんも驚いていたけど、とりあえず無事にお会計は終了。師匠とのご飯、楽しかった。


壁|w・)電車にわくわくするリタでした。

一人で百皿食べてる……ように見せかけて、実はリタの方が多く食べてたりします。


次回更新は3日です。


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― 新着の感想 ―
[一言] 小さいお子さんとか、寿司ネタや海苔の感じがあまり得意ではないというお客さん向けにもとても良いらしいですね
[一言]  回転ずしのラーメンはまだ食べたことないなー、ラーメン=量多いと思ってしまうからすしが食べれなくなりそうで頼めない、まあフライドポテトやデザートは頼むけどね!
[一言] >ケーキは……うん。デザートだから、まだ分かるかもしれない。でもラーメンは違うと思う。 リタちゃん、日本ではパンケーキは女の子の二郎系ラーメンと言われていてな、ということはつまりラーメンは…
感想一覧
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