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異世界で魔王を倒します  作者: ガンバールート
第一章 知らない世界
3/3

黒くて暗い

目を開けた時、最初に入ってきたのは黒だった。起き上がりながら、状況を確認する。

黒色で覆われていた。それ以外に見えるものはなく、その黒に世界が支配されているようだった。なにも分からず、俺は立ち上がりながら、次の情報を望んだ。


そうして気づいたものは、臭いだった。異臭がしたのだ。その臭いを嗅いだことがあるかと聞かれれば、無いと断言できる。だけど、なんの臭いか察することができた。

ーー血だ。獣臭さがあって、鼻の奥に溜まるような臭い。だけど、怪我をした時に嗅いだ臭いと何かが違う。不思議な臭いだ。


「うっ……気持ち悪い……なんでこんな所に」


全てが分からない。次々と疑問が湧いてくる。そしてその答えが欲しいと思う。

でもそれ以上に、ここに長い時間いるのは無理だと思った。だけど周囲に何があるか分からないから、迂闊には動けない。


「どうしたらいいんだ? あっ、そういえば……」


その時、目が覚める前、というより自分が眠る前のことを思い出した。


「ステータス」



ーーステータスーー

名前

レベル99

属性


HP1000

MP1000

攻撃力1000

防御力1000

素早さ1000


[スキル]


付与


ーーーーーーーーー












「え……?」


無かった。『光魔法』も、『説明』も。俺が欲しかったものがなかった。あるのは数字の羅列だけだった。


『光魔法』も、『説明』も、希望だったのだ。たとえ僅かなものだったとしても、思い出した時、確かに希望が生まれていた。


なのに、無かった。


「なんで……?」


希望が絶望に変わっていく。


「嫌だ、嫌だ、いやだ……怖い」


そして、耐えていたものが溢れ出す。

不安だった。目覚めたら、知らない場所にいて、シュポンという謎の人に会って、今のこれだ。限界だった。


心も暗くて、黒に閉ざされていく。












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