光
ありがとうございます。
「君たちの世界は魔王によって破壊されたのです。」
「魔王ですか?」
魔王、その言葉は聞いたことがある。だけどそれはゲームの話だ。彼女の話し方では、まるで現実にいるかのようじゃないか。
「はい、魔王です。魔王は極悪非道で、世界を何個も壊されたんです。倒そうと思いましたが、すごく強くいんです。ですので、すごく困っています。」
つまり、その魔王を倒すのを俺に頼みたい、ということか。その証拠に、シュポンがチラチラこっちを見ている。
「僕にはどうしようもないですよ。」
「そんなこと言わずに。どう?」
そんな軽い気持ちで受けてはダメな気がする。
「神様でも勝てない相手に勝てる気がしません。」
中学生に、そんな力も勇気も無い。魔王がどんな強さかわからない。でも弱くは無いだろう。
「そこは安心して、私が祝福をあげるので。だから、どう?」
確かに、異世界がどんなところかわからない。だから安心安全を得るためには、必要かもしれない。だけど魔王を倒すのは辛すぎる。そして、ここでオッケーを出すと、同時に異世界に行くことが決まるだろう。
そこまで考えたが、結局俺の答えは最初から決まっていたのかもしれない。
「ま、まあ、やります。わかりました。」
「ありがとう。じゃあ、祝福をあげます。一つ目の祝福は・全ステータスが上昇しやすくなる・です。とりあえずステータス、と唱えてみてください。」
なに、ステータスがあるのか。
「ステータス。」
ーーステータスーー
名前
レベル
属性
HP
MP
攻撃力
防御力
素早さ
魔力
[スキル]
ーーーーーーーーー
ステータスと呟くと目の前が光り、眩しくて目を閉じた。そして、目を開けると、文字の羅列が現れていた。その文字に目を通す。名前やスキルの横に何も書かれていないのが気になるが、ゲームなどでよく見たことのあるものだった。
「何も書かれていないでしょう?それは、君がレベル0だということです。まあ、レベル0だと何もできませんので、祝福とは関係なく、レベル1にしますね。ということで君をレベル1にする儀式を始めます。準備はいい? よくみてて。」
レベル1から始まる物だと思っていたが、0もあるのか。
「はい。」
そういうと、シュポンは腕を俺の頭の上に置き、何かを言い始める。
「* 全てを産む光よ、私は貴方を愛した、皆は貴方を愛した、全ては貴方を愛した、そして貴方は貴方を愛した、貴方が世界になる為に *」
[原初の光]
「違う違う、よく見るのは私じゃなくてステータス!まあ、私を見ちゃう気持ちはわかるけどね。」
その言葉で、俺はシュポンに見入っていたことに気づいた。
何かを唱えている時のシュポンは、今までの彼女の雰囲気とは違い、彼女の「神」という話が、信用できるほどの神々しさがあった。
それから、まだ余韻に浸っていたことに気がつき、彼女を怒らせないように早急にステータスを確認した。
「ステータス。」
やっぱりまぶしい。
ーーステータスーー
名前
レベル1
属性
HP10
MP10
攻撃力10
防御力10
素早さ10
魔力10
[スキル]
付与 神の加護
ーーーーーーーーー
「おぉ、レベル1になりました。でも、名前の欄とかが書かれていないのはなぜですか? 」
「えっと、名前は異世界に行った後に名付けてもらうものです。それから、属性とスキルは祝福であげます。というわけで、二つ目、三つ目の祝福をあげます。二つ目の祝福は・属性・、三つ目の祝福は・スキル・です。」
「ステータス。」
ーーステータスーー
名前
レベル1
属性[光]
HP10
MP10
攻撃力10
防御力10
素早さ10
[スキル] 光魔法レベル1 勇者レベル1異世界言語レベル10 説明レベル10
付与 神の加護
ーーーーーーーーー
「というわけで、貴方は光属性を得るとともに、光魔法と、勇者を手に入れた。貴方は異世界言語を手に入れた。貴方は説明を手に入れた。…っという感じに説明のスキルで話しかけに行くのでよろしくね! 」
という事は説明のスキルを使うとシュポンが話しにに来るということか。
「あー! 今嫌そうな顔したでしょ! こんな可愛い神様と話せるのよ。光栄に思いなさい! 」
「は、はあ。」
「まあ、いいわ。… というわけで時間です。」
「時間?なんのことですか。」
「ここに長くいられると困ります。後に用事があるので。」
呼んだのはそっちだと思うが…。というのは心の中に留めた。
「わかりました。では、どうすればいいですか? 」
聞きたいことはたくさんあった。しかし予定があるなら仕方ないし、説明のスキルでいつでもできると思うのだ。だから、とりあえず従っていよう。
「そこに立っているだけでいいです。では転生させます。いきますよ? 」
[リインカーネーション]
英語は苦手なんです。ご勘弁を。