6.二戦目
「これはまた、デカイ扉ですね」
「ほんとですね」
2人がそう呟いたそれは、ドラゴンのような文様が刻まれた石板のような大きな扉だった。この世のものではない禍々しさを放っている。村人の僕でもわかる、この先はやばいと。
「ア、アーデさん、い行きますか」
「え、ええ行きましょう」
「せーのっ」の掛け声で2人で扉を押し開けた。1つ目の部屋と同様に中は真っ暗、どうせまた灯りがつくのだろうと思っていたが、全くつく気配がない。
『汝、此処へ何の用だ』
「「!!??」」
頭の中に直接声が…
「私たちはこの遺跡を攻略しに来ました!」
アーデが一歩前に踏み出した
『何の為だ』
「ち、力を得る為です!」
シオも一歩前に出てそう言う
『何故、力を欲す』
2人は顔を見合わせ
「勇者になってチヤホヤされたいから!!」
「来たる大厄災のため!!」
え??2人は顔を見合わせた
「あなたはそんな事の為に私について来たのですか!? はぁ、呆れた」
彼女は軽蔑しか感じさせない目を僕に向けて言った。
『ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ』
???
「「笑ってる」」
『いやぁ、お前たちいいコンビだ。いいだろう、通してやろう』
「え?いいの? 」
『ああ、いいだろう! 』
え、こんなに楽に抜けちゃっていいの?
「じゃ、じゃあ、せめて姿だけでも見せてください! 」
この娘なに言ってんの?別にそんなのどうでもよくない??
『い、いや、姿を見せるのはちょっと、、、』
おっと〜、僕もみたくなってきましたゾ
「いいじゃないですかぁ〜。ねぇ、アーデさん」
「ええ、何がダメなんですか、こんな迷宮にいる最強の魔物の姿を一目も見ないで、次の階層に行くなんてできません! 」
『う、うむ、ではし、仕方がないな』
そう言って部屋の松明が順に点いていく。
『とくと見るがいい、我が姿を! 』
そこに居たのは、可愛らしくちょこんと座った小さなドラゴンがいた。
僕は鍬で攻撃を
「…えい」
『やめ、やめてく、やめろ! わわ、わたしは偉大なる階層の守護者ぞ』
「えい、えい、えい」
『頼みます!やめてください〜、ちょっと相方の娘! こいつに辞めさせなさいよ! 』
追い回されるか弱いドラゴンを見て
「なにやってんですか、はぁ…シオさん! 弱いものイジメは、辞めてあげてくださーい! 」
『おい! 娘! 今、貴様は我を弱いものと言ったのか、そう言ったな、言いましたよねえ! 』
かれこれ小一時間ほどは追っかけ合いをしていた。
『はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ〜、我はここの、この迷宮のぉ、第二守護者、碧眼の炎龍である! 』
「「その格好で今更言われましてもねえ…」」
まさかの息ぴったりで、守護者への侮辱の言葉を並べる。
『うわぁ、言っちゃった! もう言っちゃたからね!? 知らないんだからね! もう、ちゃんと守護しちゃうんだからね! ね! ね? 』
僕は鍬を持ち上げる。一歩横に移動するドラゴン。
「やっぱり、弱いじゃん」
奥の扉を抜ける時、泣いているような気がしたのは気のせいだっただろうか。
どうも最近ゲームハマりしてる石です。
いやあ、戦闘シーンが無いってのもつまらないですよねぇ、お前が言うなって感じですけど(笑)。これからなんとか書いていかせていただきます。
これくらいにして、今回もありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。