5.勇者
「え!勇者の末裔!?」
「はい、そうです。私は勇者テレンティア一族の末裔なのです。」
彼女、アーデの話によると、現代は4種の勇者がいる。その全てがこの遺跡の勇者との関係があるということだ。しかし、長い年月が経ち力がとても薄まってしまったらしい。
「私は大厄災に対抗するために勇者の力を取り戻しにここに来たのです。」
「そ、そうだったんですか、テレンティアさん。」
「テレンティアと呼ぶのはやめて下さい。その名前はあまり好きではありませんので。」
「じゃ、じゃあ、アーデさん。どうして勇者の一族は力が薄まっていったのですか?」
「それは…先代の勇者が石に力を注いだ後、代を重ねるごとに薄まっていったのです」
どうやら石の恩恵を受けることで先代と同等の力を得ることができるらしい。
「でも、なんで僕をここに呼んだのですか?」
「それは…あなたが昔の私を見ているようだったから…です」
「私も最初は、勇者として産まれてとても嬉しかったんです。けれど、自分の力が並の冒険者と同等いや、それ以下だったことに失望したのです」
「……」
「だから、いや…あ!次の部屋の扉が見えてきましたよ!行きましょう」
それ以上、彼女は何も語らなかったが、僕は彼女がなんと言おうとしたのか分かったような気がした。
ずっと家の中にいたら頭おかしくなってしまいますよね。皆さんも適度に陽の光の元に出てくださいね。
今回も読んでくださってありがとうございます。次回もよろしくお願いします。