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4.突破


「いや、僕は大バカ者ですよ。」


何今の!ちょっと決めゼリフぽくてかっこよくね!?自分のことバカって罵ってるだけなんですけどねぇ!?




まあ、そんなこんなで穴を掘り始めてはや2日、やっとの思いでタートルキャンサーがすっぽりとハマるくらいの穴が完成した。


「はぁ~、本当にバカですね」


なんと品のないため息だ!せっかくの可愛さがもったいない!


「いやぁ~、さすがに疲れたなあ」


そういえば、穴を掘りてづけてる間に何か出てた気が…おっ!




Lv:1

ATK:5

DF:3

HP:20

MP:0


スキル

・耕作Ⅰ




もっとましなスキルをくれ!!!!


「これが村人の宿命なの…か」


辛うじてATKが上がったことが救いだが…

3しか上がってねぇよ!


「ん?どうかしましたか?四つん這いになって。休憩なしで掘り続けたのは流石にまいりましたか?」


彼女の言った通り流石に疲れが来たらしく、脳はシャットダウン寸前、返答も考えられず適当に相槌を打つと、彼女はそれが不満だったらしく


「なんですかそれは!人がせっかく心配してあげているのに!これだから……」


何か言っているようだけれど全く聞こえない。僕はそのまま意識を暗転させた。





朝か…

窓から差し込む光が眩しい


「お兄ちゃーん、早く起きないと遅刻しちゃうよー!」


妹が一階から呼んでいるのだろう、朝からうるさいやつだ。そう思い僕は時計を見た。


「やっべ!」


ん?ん??デジャブ!


しかし、そんなことは気にしてられない!

僕は階段を駆け下りる。


「お兄ちゃん、帰ってきた途端死んだように寝入ったけどだいじょぶ?ちょっ、ちょっとお兄ちゃーん!」


すまない、僕の可愛い妹よ。僕は急がなければいけないのだ。


扉を開けて飛び出す僕を妹は呼び続ける。


どこのラノベのヒロインだよ!


定時どうり?のタクシーもとい真佑を捕まえ、学校に行く。


「今日も安定だな、りょうちゃん」


真佑の皮肉とも取れる発言を受け流しつつ学校の門をくぐった。どうせ学校に来ても寝るだけなのにな…


昨日と同じくチャイムと同時に先生が入って来て授業が始まった。1限目の現代文(睡眠学習)が。


「…ん、ふぁ~」


ん?何だこの柔らかい感触は!ぷにぷにとしたものが僕の頬に、これは俗に言うひ、膝枕!!!


その太ももの主を見るとどうやら眠っているようだ。


やっぱり可愛いなぁ。


「ひゃっ…そ、それはだめぇ…」


何だこのけしからん寝言は!僕以外の人の前では睡眠を取らせないようにしないと…

べ、別に独り占めしようとしてるんじゃないんだからね!


お願いです神様、この情緒不安定な僕を1度殺してください。


「……っん~ん」


あ、起きた。


寝起きの目で、膝の上で真っ直ぐに彼女のことを見つめる僕を見た彼女は


「きゃーっ!」


パンッ!刹那の平手打ち。


なんでだよ!


「す、すいません!あまりに気持ち悪、いえ、寝顔を見られていたと思うとつい…。」


今、確かに気持ち悪いって言ったよね、言ったよね!


「い、いや、い、い、い、いいよ。僕のこと膝枕してくれてたんですか?」


「へ??きゃーっ!」


パンッ!平手打ちである。


どうやら、彼女いわく膝枕などしていないらしい。ということは僕が寝ぼけて…


「す、すいません…。」


流石にこれは僕に非がありますね。うん。


ピロン♪

ん?



スキル

・衝撃吸収Ⅰ



貰えて嬉しいに越したことはないが、

なんか、悲しいなぁ…


「そ、そうだ!シオさん穴も掘り終えましたしそろそろタートルキャンサーを突破してみませんか?」


僕の醸し出す空気を嫌った彼女は話題を試練の方に転換した。


「それもそうですね。僕が一回目の時みたいに殴りに行くから穴の前で待っててください。」


僕は、彼女が頷いたのを確認して1回目と同様いや、針のない所を狙って…


「はぁーっ!」


ドスン!


「やっぱり、いってぇー」


苦笑いを浮かべつつ持ち前の足の速さで穴の場所まで一目散に駆けた。打撃を受けたタートルキャンサーは、標的を発見したマシンの如く、目を赤く光らせ僕に向かってきた。その様子はまさにターミ〇ーターである。


結果から言うと僕の作戦は成功したのだが…


「こ、こんなことで突破してしまうなんて…」


彼女はご不満のようだ。


「いいじゃないですか。これで次の階層に進めるのなら、認められた方法だってことですよ。」


むぅっと頬をふくらませ「屁理屈な」っと呟く様は最高に可愛い。僕はこの顔を守らないとと、少しズレた志を持つのだった。


僕はタートルキャンサーを一目見て、また後でちゃんと倒しにくるからと一言、次の階層へと歩を向けた。


次の階層へは螺旋階段で下る構造のようだ。


そういえば、名前聞いてなかったなあ


「あの~、お名前を伺ってもよろしいですか?」


終始不満そうな彼女に僕は恐る恐る尋ねてみた。

彼女は立ちどまり、僕に向き直ってこう言った。


「私の名前はテレンティア=アーデです。」

今回も読んでくださってありがとうございます。

タメがなくなって来たので書きたいのですが、授業と課題で一向に進みません(笑)。並行してできるようやりくりしていきますので、気になったらまた読みに来てください!

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