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1.プロローグ

気づいたら修正します。

ある日 農民である男は何時もの街で歩いて最中。貴族たる令嬢に強制に呼び出された。

その男の名はレイトス。ホホヤシ村という農村で畑仕事やっている、愛の芽生えない独身男だった。彼はこの街程の華やか国で数少ない野菜を売りに回っていた。売り上げは0。


「こっちきなさい」


どう見ても優しいとも接してくれる訳でもなさそうは怒り奮った顔付きだった。この女の名はプチメイ。この国シャーレルトに住む名の知れた(悪い意味で)ミィト家の娘。昨日の婚約者は今日はいなかった。

連れて来られた場所が人気ない建物の影を覆った裏の広場だった。


「昨日。私に屈辱を味わえさせるとはいい度胸ぶりね」


レイトスは細見で彼女を睨んだ。


「いや。そっちが先に出て行けと口出ししたし。痛い目に遭ったのは護衛と旦那じゃん。そうどつかれる必要あんの?」


「うっ…煩い!今日はそんな卑劣はしないわ。私は礼儀正しき令嬢。今日は正々堂々たる聖戦としもう申し上げるわ。あんたの魔物が私の婚約者を打った位なら、こちらも魔物使って存分後悔させてあげるから」


(それは俺が指示した訳じゃなくてそいつの独断だろ。偶然旦那に殴っただけだし)


と愚痴零したいがさておきにするしかなかった。


「出でよ。私の傘下達よ!」


そう唱えると空中から現れ、3体の魔物が降り落ちた。いつの間にか魔物を控えていたかと怪しげな点を背負っている。

この時にどう?とホッホッと自慢げに嘲笑するプチメイだった。


「見なさい。私の忠誠たる部下よ。誰も目に触れようのない、レアな魔物達よ」


紅いトカゲのサラマンダーに天使のように羽ばたくハーピーホワイト。最後に美しく鎧を着したヘルマード。


どこまでと怪しい見所が増えるばかりだ。全てやつれている。戦闘拒否してしまいそうなやつれ顔付きがいかに目立つ。

やれやれ…こっちが戦闘拒否したい。


「あの…舐められたようなんでお開きしたいっすけど」


「何?私よりも立場が優位だと仰りたい訳?」


そうだよ。この馬鹿女。ちゃんと世話をする毛頭が無いようだ。俺を屈辱を晒す為だけに落札して手に入れた品にしか見ていないのだろう。魔物達は気の毒だ。


「それなら目で確かめるべきよ。早く魔物を呼び出しなさい」

 

彼女の言う口にレイトスはハイハイと平凡に返事した。魔物の名を叫んだ。


「チェリー。お呼びだ」


囲いの中心から人影が出現した。レイトスの指示に動いたこの人影は主人の前でストンと微かな音を立てて着地した。

人型の少女である姿。形だけは人間に酷似して色は顔が白。プルプル感のあるゼリー状の紫色の髪型。

踊り子のような服を着している。従来の魔物とは風格の筋がずれていた。体格も3体の魔物よりも小さい。雰囲気とやら何もかも。


「ホッホッホッ!可愛らしいくて正に濛々しくない姿ですわ!まさかと貧乏人の品とは不幸な事!」


「品?」


これを聞いたのがレイトス側の魔物だった。


「あんた。上品娘かと思いきややはり野暮だよね。あんた昨日の旦那どうしたの?」


昨日の旦那とは人間ではなく、亜種族の獣人族の婚約者だったが今日はそれらしき本人はいなかった。嘲笑していたプチメイが気を引いた。


「そんなの関係ないわ。魔物の風情が口叩く必要があるの?」


「ん?気に入らないから放棄したってんの?それに彼は私の彼氏よ」


「このっ!そのヘラ口を閉じてやるわ!」


放棄したのが正しかったのだろうと示す、彼女の苛立ちの鋭い顔付きに一変する。


「行きなさい!忠実な僕ども」


彼女の威勢を強調する怒鳴りで3体の魔物達は躊躇いなく一斉に動きだした。

3体の壁がライデスの魔物に飛びかかる。だがライデスの魔物はじっと見ていただけだった。たった1体。相手の魔物よりも小さい。威勢も乏しかった。


「オッーホッホッホ!怖じ気づいてしまったかしら。可愛いそうな…」


 

ライデスの魔物。拳を前に突き出した。たった1回拳を振った。それだけで魔物3体丸ごとを打ち飛ばした。

フチメイの頭上を過ぎた魔物達。

フギャ、イギィ、ゴエッと悲鳴を漏らし、後方に壁に埋もれるのであった。

ライデスの金貨10枚で落札した魔物の実力によって。商品名にはこう書いていた。


“踊り子養魔怪人 ジェリー・ウマーノ”






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