表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
春秋戦国物語  作者: 梅を愛でる人
趙の両虎
13/52

趙奢

 廉頗と藺相如が、刎頸の交わりを結んでのち、秦は盟を守って侵攻してくることはなかった。


 憂いのなくなった趙は、毎年のように軍を展開する。

 その年に、廉頗に軍を与えて斉を討つと、斉の一軍を全滅させた。

 そして二年後、廉頗は再び軍を東に向けると、斉領の幾を攻めおとした。

 三年のちには、廉頗が率いた趙軍が、魏の防陵と安陽を陥落させるのである。

 その翌年には、藺相如が軍を率いて斉の平邑まで侵攻した。


 我欲の強い秦が盟を守ったことにより、趙の中原攻略は当たるべからざる勢いであった。




 しかし、ついに盟は破られ、秦軍と争うことになったのである。


 韓を討とうとした秦軍が、趙の領土内である、閼与(あつよ)に布陣したのだ。

 さらに韓は秦に屈すると、連合して閼与を囲んだのだった。

 報せをうけた恵文王は、廉頗を呼んで訊ねた。


「閼与を救いたいのであるが、どうじゃ」


「道は遠く、狭くて険阻であります。援軍を出すのは難しいでしょう」


 どうしても閼与を救いたい恵文王は、次に楽乗(がくじょう)を呼んで、再び訊ねた。

 楽乗は、名将である楽毅(がっき)の一族である。


「閼与までの道のりは、山越えの狭き難路であり、救うことは出来ないでしょう」


 だが、恵文王の期待は裏切られ、廉頗と同じ答えであった。

 恵文王は、軍事を担当する廉頗と楽乗に否定されても、民を救うことを諦められなかった。


 自らも悩み、様々な群臣に訊ねたが、廉頗より軍略に長けた者など趙にはおらず、恵文王の顔が晴れることはなかった。


 そして恵文王は、閼与を救いたい余りに、趙奢(ちょうしゃ)にも声をかけたのである。

 問われた趙奢は、驚いたことに閼与を救うことが出来るという。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ