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幸せを求める
つまらない。
今日も学校の感想は、そんなものだった。
教師の授業を淡々と聞いて、指されれば答えを述べ、休み時間は読書をする。
いつもと変わらない学校。
私は、今日母に転校がしたいと伝えた。
余命なんて知らされても、世界が美しく見えるなんてことはなかったけれど。
やり直そうと思った。
それだけ。
母が余命を早い内に告げたのは、残りの人生を充実させたかったということだろう。
母は元から私に一人暮らしをさせる予定だったようで、1日2日で引っ越せるという。母に感謝しかない。
…私は幸せを知りたかった。
別に今も不幸せな訳では無い。けれど
「私は今幸せです」と自信を持って言える自分になってみたかった。
そして一瞬の学校と残り僅かな引越しの準備を終え。
私は一人暮らしを、始める。