高校生さいど
高校生の通う私立高校は
近辺の私立高校のなかでも
設備は充実している
そのためクーラーは
全教室に設置しており
加えて廊下にもある
高校生は学校の屋上に
通気、排気ダクトがあることを
知っていた
簡単なことだが
通気ダクトから毒ガスを流し
排気ダクトを塞ぐ
これが大まかな作戦
問題の毒ガスだが
高校生レベルで作れるもので
強いものは塩素ガスだろう
希塩酸に次亜塩素酸水を
組み合わせる
よくある「まぜるな危険」
というやつだ
塩素ガスの特性として
空気より重いので、下に溜まる
これを知った時、
塩素ガスを諦めかけたが
学校という場所で閃いた
学校にいて地べたに
いる時などあるだろうか
と考えると、思い出す
防災訓練の際に地震から
身を守るために机の下に隠れたことを
「これを利用すればなんとかいけるか?」
答 (わからない)
業後、
希塩酸は理科室に沢山あるのを
見かけたので、また盗むとして
次亜塩素酸水は薬局で買うことにした
「除菌!」
と書いてあるパッケージの次亜塩素酸水を
3つほど手に取り
希塩酸を盗めなかった場合の
ためにサンポールも一応
買っておいた
まぜるな危険だけを
買うのも怪しいので
何か買おうかと、店内を歩く
すると
驚いたように
僕を見る男がいる
「どうしました?」
「いや、、、、」
明らかに動揺している男は
右目を怪我しているのか眼帯を
していた。
そして尋ねられる
「ちょっといいかい?」
「はい、なんでしょう」
「この眼帯と同じものを
探して欲しいんだけど」
眼帯を探していただけなのに
あの動揺はおかしい
何かありそうだが
とりあえず探して見ることにする、
といっても疑問の答えはすぐにでる
「彼の眼帯はどこのもの?」
答 (わからない)
は?
「彼の眼帯はどこ?」
答 (わからない)
どういうことだ?!
意味がわからない
なぜこんなことすらわからないのか
まてよ
「この男の名前は?」
答 (わからない)
「この男の職業は?」
答 (わからない)
「この男の性別は?」
答 (わからない)
頭が高速で思考する
この男に関して僕は
何もわからない
知ることができない
そしてある一つの仮説が浮かぶ
「その目、どうされたんですか?」
「これは職業柄仕方なくね、
危ない仕事だから」
「どんなお仕事されてるんですか?」
「警察官だよ」
仮説は立証された
つまり
僕が起こす犯罪は
結末がわからないのではなく
この男が関わることによって
わからなくなってしまうということ
犯罪を犯すことにより
警察であるこいつが来る
すると結末はわからなくなるのか?
動揺しながらも
なんとか眼帯を見つけることができた
「いやー、どうも
ありがとうございました」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
「お名前を伺ってもよろしいですか?」
名を名乗る
「ありがとうございました」
手を振り去ろうとする男
「あの、あなたのお名前は?」
「関といいます
またご縁があれば」
一礼して去っていく
何故あの男のことを
知ることができないのか
興味しかないが
とりあえずは
目の前のことに集中しなければ
果たして面白いのか
わからぬ