高校生side
20000文字も話せる人はいないだろ
高校の教室
一番後ろの席で
退屈している高校生がいた
その退屈は授業からのものではなく
人生そのものに退屈していた
高校生は心の中でつぶやく
「僕は退屈しているのかな」
答 (はい)
頭の中に響く無機質な声
「なぜ退屈しているのだろう」
答(苦難がないから)
僕の頭の中での疑問には
確実な答えが返ってくる
全てを知ることができる
疑問に思ったことは途端に疑問ではなくなる
「どうやったら楽しくなるのだろう」
答(苦難を乗り越える)
「苦難か、、」
僕は今までの人生でこの声に委ね
自分にとって最善の道を進み続けて来た
どうすればいいと悩んだ瞬間に
解決策は聞こえてくる
そうすれば誰だって従うに決まってる
苦難なんて一瞬で消えてしまう
たいくつだなぁ、、
この退屈に耐えることが苦難なのだろうか
ある日の授業
現代社会の授業で人口減少の問題を話される
どのくらい減ってしまうのか疑問に思う、
「1日に何人くらい生まれるんだろう」
答(昨日は2956人)
「1日に何人くらいしぬんだろう」
答(昨日は3264人)
なるほど、単純に考えても減るのはわかる
にしても、
一日に3000人近くも死んでしまうのか
死神も働き者だな、
「僕だったら何人くらい殺せるのだろう」
答 (わからない)
?
わからない?わからないとは?
「僕が今から街で通り魔でもしたら
何人くらい殺せる?」
答 (わからない)
わからないだと?
今まで生きてきてわからないなんて
一回もなかった、、初めて答えが返って
こない、なぜ?なぜだ?
どこに不確定要素があると言うんだ?
まてよ、
と言うことは僕の殺人行為の結末は
どうなるかわからない、、、
わからない、、、
知ることはできない、、、
こんな気持ち初めてだ
わからないという気持ちのもどかしさ
知りたいという好奇心
しかし、殺人は重罪
人生を棒に振ってしまう、、、
そうか、これが苦難なのか
じゃあ僕が人生を楽しむには
苦難を乗り越えなくてはならないのか
なるほど
「僕は殺人をすべきだろうか」
答 (はい)
今までで一番欲しい答えだった