表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

ファースト・エムペラー(FE)

作者: かずっち

実在する個人、団体等とは一切関係ありません。

 対楚国戦。秦国の中国統一をかけた大一番。

 最前線の老将軍から秦王へ毎日送られてくる細々(こまごま)とした催促。これがログインボーナスの起源である。


 そして遂に統一に至る。秦王、後の始皇帝は激しいプレッシャーから解放される。

 老将を起因とした強烈な成功体験! これが人間、始皇帝を狂わせた。

 一日一枚、くじチケットを配ることで民衆を支配しようと目論んだのだ。


 始皇帝は様々な取り決めを行う。文字、単位、自らの呼称、そしてレアの出現率。

 当たりの確率を定めたのだ。


 星5は”三分!”(3%)


 確率による公平さに加え、適度な施しで民衆の不満を解消するのが目的であった。

 天の役割を奪う愚行と儒者は反対するも、始皇帝は強引に詔を布告する。


 天の裁きか必然か、これが始皇帝を追いつめることとなる。


 後年、始皇帝は兵馬俑の建立を命じる。

 皇帝様の注文だ。半端な出来は許されない。

 職人はフィギュアを星5基準で揃え始める。100体作って採用されるのは3体。

 始皇帝の目に触れるのは完璧なる3体のみ。不採用は無断で土に帰す。

 こつこつと生産と厳選を繰り返し1万近く集める。

 始皇帝がこの無駄に気付けば、さすがに止めたかもしれないが、触らぬ神に祟り無しとばかりに誰も報告しない。

(某ゲームが最高レア獲得時のみレビュー(ほうこく)を促すのはこの名残りだ)


 このやり方では当初の予算の約33倍かかった。

(当時、出現率上昇は不採用。HEROが刺客となった為だ)

 これが財政を圧迫し、民衆の恨みを買った。


 その財政難のさなか、始皇帝は広大な支配地を四度巡行した。

 リセマラである。

 兵馬俑は一からやり直し。

 仏の顔も三度まで。ここにきて民の怒りは爆発した!


  ◇◇◇


 誰かが言う、ガチャは何も残らないと。それを受け誰かが反論する、思い出、記憶が残るのだと。


 私は断言する、「そのどちらでもない、ガチャこそが私達の兵馬俑なのだ」


  (完)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ