ファースト・エムペラー(FE)
実在する個人、団体等とは一切関係ありません。
対楚国戦。秦国の中国統一をかけた大一番。
最前線の老将軍から秦王へ毎日送られてくる細々とした催促。これがログインボーナスの起源である。
そして遂に統一に至る。秦王、後の始皇帝は激しいプレッシャーから解放される。
老将を起因とした強烈な成功体験! これが人間、始皇帝を狂わせた。
一日一枚、くじチケットを配ることで民衆を支配しようと目論んだのだ。
始皇帝は様々な取り決めを行う。文字、単位、自らの呼称、そしてレアの出現率。
当たりの確率を定めたのだ。
星5は”三分!”(3%)
確率による公平さに加え、適度な施しで民衆の不満を解消するのが目的であった。
天の役割を奪う愚行と儒者は反対するも、始皇帝は強引に詔を布告する。
天の裁きか必然か、これが始皇帝を追いつめることとなる。
後年、始皇帝は兵馬俑の建立を命じる。
皇帝様の注文だ。半端な出来は許されない。
職人はフィギュアを星5基準で揃え始める。100体作って採用されるのは3体。
始皇帝の目に触れるのは完璧なる3体のみ。不採用は無断で土に帰す。
こつこつと生産と厳選を繰り返し1万近く集める。
始皇帝がこの無駄に気付けば、さすがに止めたかもしれないが、触らぬ神に祟り無しとばかりに誰も報告しない。
(某ゲームが最高レア獲得時のみレビューを促すのはこの名残りだ)
このやり方では当初の予算の約33倍かかった。
(当時、出現率上昇は不採用。HEROが刺客となった為だ)
これが財政を圧迫し、民衆の恨みを買った。
その財政難のさなか、始皇帝は広大な支配地を四度巡行した。
リセマラである。
兵馬俑は一からやり直し。
仏の顔も三度まで。ここにきて民の怒りは爆発した!
◇◇◇
誰かが言う、ガチャは何も残らないと。それを受け誰かが反論する、思い出、記憶が残るのだと。
私は断言する、「そのどちらでもない、ガチャこそが私達の兵馬俑なのだ」
(完)