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傭兵in異世界  作者: キリサキ隊長
傭兵、異世界へ
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傭兵、仲間を得る

読んでくださってる人がいると思うと書くのが楽しいですね

「いや~すまねぇすまねぇ。まさか今日はじめて森に入ってきた人だったとは思わなかったわ」

「いいさ。こうやって誤解も解けて晩飯まで馳走になってんだ。それだけで充分さ」


いや~、肉は食えなくともキノコや山菜なんかでこんなにたらふく食えるとは思わなかったぜ。

こいつの名前はキルオンっていうらしい。頭突きをかましてからの話し合いの末、なんとかこちらの事情を話して誤解を解いてお互いを知る事になった。

本人いわく、この我が家同然の森で物心ついた頃から暮らしていたが、最近変なマントのやつら(多分ウィーズの連中)が森に入ってきては意味もなく動物を殺したり木を傷つけたりするもんだから気が立ってたらしい。まあそんな最中に肉にありつこうと動物を襲ってる俺を見たら敵だと思うわな。


「そっか~。ジントはこの先の街に行くんだな。あそこにはオデの友達もいるから心配だなぁ」

「ほう、友達とな?」

「うん、アリスちゃんっていう女の子だ。周りに人はいっぱいいるけどなんかいっつも寂しそうにしてんだ」


........?今こいつアリスって言ったか?これはもしかして........。


「なぁキルオン。そのアリスってお嬢ちゃんはもしかしてこんなやつじゃねぇか?」


俺は持ってきたホログラム装置にアリス中佐の映像を出してキルオンに見せた。当たってるといいんだがなぁ........。


「そーそーこの女の子だ。なんか小さいのに偉い人みてぇでな、たまに会いに行くのにもおっかねぇ軍人さんにばれねぇように行かねぇとといけねぇのよ」


キターーー!!


「アリスちゃんがどうかしたんか?」

「ん?お前知らないのか?今お嬢ちゃんのいる街はウィーズに占領されてんだぞ?俺はそこからお嬢ちゃんを助け出すためにここにいるんだ」

「そいつマジか!?オデがおととい会いに行ったときは何ともなさそうだったのに........」

「........何?」


ちょっと待て。こいつはばれないようにあの施設に潜り込んでるのか?あの警備体制の中を。


「1つ聞きたいんだがよ。お前お嬢ちゃんに会うのにどうやって行くんだ?」

「んあ?」

「だから、どうやって誰にもバレずに会ってんだよ?」

「あぁ、抜け道があるんだよ。1つだけ」

「マジでか!?」


あったのかよ使える道が!てっきり全部ダメになってるもんだと思ってたよ。


「頼む、俺にその抜け道を教えてくれ」

「え~........やだ。アリスちゃんと約束したんだ。これは秘密だって。友達との約束を破るわけにはいかねぇよ」

「その友達がくたばるかもしれないんだぞ!?頼む、教えてくれ!」

「う~ん........。1つだけ条件があるんだけどもいいか?」

「俺にできることか?」

「んだ。オデも連れてってほしい」

「........」

「友達がヤバいって聞かされて黙ってらんねぇ!オデにも手伝わせてくれ、この通りだ!」


確かにこいつなら不測の事態にもある程度対応できるだろうし、戦力として申し分ないんだがなぁ........。こんな無茶苦茶な作戦に一般人を巻き込むわけにはいかないんだよな。どうしたもんか........。しかし、友達のために命すら投げ出せるってこの姿勢は見事なもんだな。


「お前がなんかやらかしても俺は無視するぞ?死ぬかもしれねぇんだぞ?」

「それがなんだ!友達見捨ててまで生きてる甲斐なんてねぇだ!」

「........フ。いいだろう、よろしく頼むぞ?キルオン」

「!........んだ!」

「そんじゃさっそく案内してくれ。その抜け道ってやつに」

「おう、任せとけ!」


とりあえずは前進だな。このままトントン拍子で進んでくれるといいんだがなぁ........。


~おまけ~


「........はぁ」


傭兵からの定時連絡がこない。いつも夜の9時にくるはずなのに、もう2時間も過ぎてる。おかげでもう晩御飯も食べたしお風呂にも入ったし、あとは寝るだけだよ。........この部署暇なんだよね。

そういえば測ってみたけどまた胸が大きくなってたなぁ。また新しい下着用意しないといかないのか。


「何かあったのかなぁ........」


傭兵は........ジントはとても不思議な男だ。出会ってまだ2週間もたってないけどたくさん話をしたからわかる。

普段は冗談ばっかり言うお調子者だけどよく周りの事に気づくんだよね。それでいて軽口を叩きつつも心配してくれる。

それにボクの、戦争を止めたいって夢を認めてくれた。周りの皆は揃ってそんなの無理だって笑ったりするけど、ジントだけは認めてくれた。とても嬉しかったんだよ?


「早く帰ってこないかなぁ」


思えば不思議だ。出会ったほんのわずかな時間でジントはボクにこんなことを考えさせてる。こんなのは初めてだ。この気持ちは何なんだろう........。


「それは恋って言うんじゃないですか?」

「うひゃあ!?」


唐突な反応にボクは驚く。振り返ればそこにはボクと同じ軍服を来た女性が立っていた。黒くて長い髪に眼鏡がよく似合うこの人は、ボクを陰ながらサポートしてくれる信頼すべき副官だ。ボクより年上で、いろんなことを知っている。........決してボクがバカって訳じゃないはず。多分。


「えっと........。何してるの?」

「はい。大佐にお夜食とコーヒーをお持ちしたんですが........もしかしていらなかったでしょうか?」

「いや、そんなことはないけど........。もしかして、声に出てた?」

「えぇ。バッチリと」


うわぁ~!!へたこいた~~!!


「........君にはこの気持ちがわかるかい?ボクには初めてでわからないんだ」

「そうですねぇ........。確かにジントさんはとてもいい人ですよね」

「うん、そうだね」

「大佐はそんなジントさんの事は好きですか?」

「え!?い、いきなり何聞くんだよ!?」

「え?嫌いなんですか?」

「いや、そのぉ........。す、好きだけどさぁ........」


うう、本人の前でなくてもなんか恥ずかしいな........


「なら、それでいいんじゃないですか?」

「え?」

「大佐はジントさんの事が好き、それだけわかっていればいいと思いますよ?」

「そっか。そうかなぁ........」

「でも気を付けてくださいね?私の見立てだと、あの人は人に好かれるタイプですよ?油断してると取られちゃうかもしれませんね」

「うそ!?」

「なんて、冗談ですよ♪」

「........いじわるだね、相変わらず」

「そうでしょうか?」

「少しは自覚しようよ........」


年上だからかなぁ。この人には敵わないや。


「それでは、私はこれで失礼します。大佐も早くお休みになってくださいね」

「うん、おやすみなさい」

「はいおやすみなさい。ちゃんと暖かくして寝てくださいね?」

「あはは。気を付けるよ」


そういって部屋から出ていく副官を見ながらふと、お母さんみたいだなぁと思ったのは仕方ないことだと思う。

結局、そのあと傭兵から連絡があったのは日付が変わる頃だった。作戦の突破口が見つかったらしい。作戦が終われば傭兵に会える。想像しただけで嬉しくなったけど、声色でバレそうだったから健闘を祈るとだけいってボクは通信を切った。


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