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傭兵in異世界  作者: キリサキ隊長
傭兵たちの最終決戦
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傭兵の咆哮

駆け足を2乗したような出来の悪さですが、どうかお付き合いくださいませ

「........」


言葉もなにもでなかった、ただ呆然としているだけだった。

戦場ですぐとなりで戦ってるヤツが前触れもなく吹き飛ぶことだってあるし、俺はそれをくしゃみの中の風邪菌の数ほど見てきた。

知らない仲ではないとはいえ、今日初めて肩を並べて戦場に立った仲間が目の前で倒れていると言うだけでこのザマである。


「........ぅ...」

「!?」


その時、大佐は確かに動き、呻いた。ギリギリで生きている、それだけで俺の心は幾分落ち着きを取り戻した。

ヒューは相変わらずニヤニヤとこちらを上から眺めている。その眼は観察日記をつける子供のようだ。った。

「手出ししないから何をするのか見せてみろ」

と、言外に示すヒューの態度に俺はあえて乗った。


「大佐!?しっかりしろ!」

「よう、へい........?........ボクは........」

「生きてんなら死ぬな!死んでくれるな!」

「ようへいが........心配して、る........」

「あたり前だ!あんたは大将なんだぞ!?」

「........うるさい、なぁ........わかったよ........」

「それでいい、もう喋るな」

「だけ、ど........」

「何だ!喋るんじゃない!」

「まだ、やること........あるよね........?」

「........ああ」

「........わるいけど........あと........よろ、しく........」


それだけ言って大佐は眼を閉じた。気絶したようだ。


「衛生兵!」


オールメディックを召還し、大佐を診させる。だがどうやら予想以上に深刻なようで、ここでは満足に治療は出来ないと言われた。


「なら退路を開ける。あそこまで行けばいいだけだ」


退路とおぼしき通路を指差しながら撤退を促す。無論そこにもクリーチャーがうじゃうじゃといて、細心の注意を払って重症患者を移動させながら突破するのは無理だ。


「無理ですよ!どうやってあれだけの敵を........」

「あー、本気出す」

「本気って........」

「本気は本気さ。俺の持てるもの、全てだ」


そう、持てるもの全てで俺は今から目の前の敵を討つ。


「で、高みの見物は楽しかったか?」

「そうですね........予想通りの三文芝居でしたね」

「安心しろ。これから起こることはすべからくお前の理解を越えた事だ」


それまでとは一転、ヒューの顔から全てが消えた。そろそろ遊ぶのはやめ、ってところだろうがそりゃこっちの台詞だ。


「それでは........見せてもらいましょうか!」


ヒューが叫ぶのと同時に周りの有象無象が動く。その圧倒的な数は俺の回りから光を全て奪うほどの分厚い壁を作るほどだった。

かくいう俺は、その場からピクリとも動かずに有象無象の波に飲まれた。........少なくともヒューにはそう見えたはずだ。だがそれとは全く違う結果をヤツは見ることとなる。


ドォォォォォオオオン!!!

グギャァァアァア!!

「!?」


突如として鳴り響く炸裂音と断末魔。クリーチャーたちは形をとどめずに四散しながら吹き飛ばされていく。その一瞬で辺りを埋め尽くしていたクリーチャーは半分近くに減った。


「........なんと言う」


そして爆発の中心とおぼしきところには、俺と、俺を囲むように展開された無数の大型シールドが防壁を作っていた。コンバットファイターに配備しているミサイルランチャー内蔵のものである。

それらが一斉に火を吹き、クリーチャーを肉塊に変えたのだ。


「ウウウウウオオオオオオオ!!!!」


俺は力の限りの咆哮を上げた。全ての合理性を廃し、ただ自分の中に渦巻く感情をのせてありったけで叫ぶ。


「ひっ........!?」


その様にヒューは思わずたじろいだ。獣は本能で相手の意志を感じとり、時に撤退する。いわゆる虫の知らせだ。


グ、グガァァア........


「........!!お前たち、何をしているのです!」


目の前の俺に恐怖するのも束の間、ヒューの目の前には更に理解しがたい光景が広がる。


グガァ!

ガギャァ!


クリーチャーたちが一斉に自殺をし始めたのだ。たった1人の人間の咆哮で、理性も持たない獣が己自信の手で己を死に導いている。

その異常な様を見て、半分獣であるヒューは何が起こっているかを理解し、そして戦慄した。

目の前の男の叫び1つで、クリーチャーたちは戦力差を悟ったのだ。どう足掻いても目の前の敵には勝てない、なぶり殺しにされるだけだと言うことを理解した。逃げなければ死ぬ、さりとて逃げることは出来ない。ヒューと刃人の板挟みとなったクリーチャーたちは己の手で死ぬことで誰かに殺される危険を回避したのだ。


「さて、後顧の憂いはなくなったわけだ」


俺の言葉を聞いて、ヒューははっとした。大佐を完全にとり逃した事実を知ったのだ。目の前に目をそらせば直ちに殺しにかかってくるようなやつがいるのに目を離す訳にもいかないだろうが。


「ぬぅあぁぁぁぁああ!!」


ヒューの目の前に飛び上がり、鼻と鼻が触れるかという距離まで接近する。ヒューはまたしても理解できないといった困惑の表情を浮かべていた。

困惑してるとこ申し訳ないけども、俺としては理解などさせない。あの世で死んだことに気づくほど可及的速やかに死んでもらうことにした。

そのまま俺は硬直しているヒューに渾身の斬撃をお見舞いした。


ーーーーーー


文字通り一撃必殺、たった1振りで勝負がついた。胴体を袈裟斬りにされたヒューは呆気なく墜落し、身体をピクピクと痙攣させている。恐ろしいことに『獣おろし』の生命力は致命傷ましましの傷でもまだヒューを生かしていた。


「お前はよくやったよ。天才」

「っ........!........っ!」


言葉も出ないヒューはそれでも何かを伝えようとするが、喉に血がたまるだけでゴポゴポとしかきこえない。


「だが、俺の勝ちだ。お前のちゃちな作戦は、俺ごときの本気で叩き潰されちまったって訳だ」


ヒューの顔がより険しくなる。プライドが高えこの男は、自分の死よりも自分の策を潰されたことなた怒っているようだ。


「怒れ怒れ、そして俺を恨みながら死にやがれ」


それだけ吐き捨てて俺は踵を返し先へ進んだ。とどめを刺す気はない。あの男には己の矮小さを死ぬそのときまで反芻してもらうことにする。

新しい話を作ろうと思います。良ければそっちもよろしくお願いします。

では、この辺で失礼します。

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