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傭兵in異世界  作者: キリサキ隊長
傭兵の決断
57/86

傭兵と低俗な殺しあい

戦闘回です。少しでも思い浮かべやすくなっていればいいのですが........。

それではどうかお付き合いくださいませ

「フンッ!」

「ゼァッ!」


月明かりしかない真夜中の草原に金属を合わせた火花が散る。俺の太刀とウィンゴの斧がそれぞれ重量感のある斬撃がぶつかり合う。


「食らえ!」

「甘いわ!」


飛び退きながらアサルトライフルをコンテナから抜いて撃つ。手加減しない実弾を発射するが、ウィンゴは斧を回転させる動きで衝撃波を放ちながら跳ね返してくる。衝撃波を太刀でいなしながら距離をとるが、現状は膠着状態といっていいだろう。さっきからずっとこの調子だ。


「ええいお前たち!援護を頼む!」

『『『『『了解!』』』』』

今回は矜持だなんだと言うつもりは最初ハナからない。故に俺はアサルトアーミーを5人、援軍として呼ぶことにした。とりあえずは中庸なこいつらを出してウィンゴを分析し、そこから次の作戦をたてるって寸法だ。


『くったばりゃぁぁぁあ!!』


アサルトアーミーの1人の声を合図に、俺たちは一斉に攻撃を開始する。3人はアサルトライフルを乱射して弾幕を張り、俺を含む残りの3人は近接攻撃を仕掛けるべく突進する。

動きが素早いウィンゴに狙って弾丸を当てるのは狙撃ならまだしも普通に会敵した状態では至難の技だ。ならば銃は牽制としてのみ使い、移動が制限された相手に接近戦を挑んだ方が勝機がある。

この戦術は高度な連携がなせる技だが、俺たちは精神を介して常に意思疏通が可能であるし、仲間たちは長いこと俺の中にいたお陰で俺の戦い方を知り尽くしているという。だから味方の弾幕の中を突っ切るなんて無謀な真似も可能なのだ。

........が、正直このとき俺はウィンゴを過小評価していたと言わざるを得なかった。


『なっ........!』

『どこにいった!?』


俺たちの武器がウィンゴに突き刺さろうというまさにその瞬間、突如吹いた一陣の風と一緒に俺たちの前からウィンゴは消えた。と同時に俺たちの後方に気配がひとつ増える。


「な、何だと!?」

「........遅い、遅いぞ貴様ら........!」


振り返ると、俺たちの後方、即ち援護射撃をかけていたアサルトアーミー3人の背後にウィンゴがいた。すでに斧を振りかぶり、首をはねる体勢をとっている。野郎、いつの間にあんな遠くに........。


「くそっ!戻れお前たち!」


とりあえずはウィンゴがどうやってあそこまでいったかの詮索は後回しで、慌て3人を俺の中に戻す。ギリギリ間に合ったのでどうにか首が3つ宙を舞うグロテスクな展開は回避された。引っ込めた3人に早速声をかける。


(お前たち、何があった!)

『フゥ、フゥ........死ぬかと思ったぜ』

『隊長、風だ!あいつは風を操れる!』

(何?風だと?)

『遠くから見ているとわかりましたが、相手は隊長たちが攻撃しようとしたときに跳躍し、そのときに吹いた風にのって一気に我々のところまで距離を詰めてきたのです』


........なるほどな、疾風の断頭主なんて呼ばれる由縁はただ速いからじゃなくて風を使って戦うからか。........予想以上の強敵だな、おまけに相手はまだ変身を残してるってんだから恐ろしい話だぜ。


「........それがしの力に気づいたか........便利な力だな........」

「俺は1人で戦ってんじゃねぇ、仲間と共に戦ってるんだ。俺たちを甘く見てると痛い目じゃすまねぇぞ?」


分かりやすいようにわざと指パッチンをして、今度は30人ほどでウィンゴを包囲する。相手がいくら風を使えようとも滞空したり出来るとは思えない。ならば包囲殲滅で一気に叩いてしまうのが楽でいい。........これだって俺の能力だし許されるだろ、多分。


「........仲間と共に、か........。........ならば1人残らず蹴散らすまでだ........!」


そう言うとウィンゴは頭の上で斧を回転させ、呼吸を整え出した。ウィンゴなりの戦闘時の瞑想だろうか。ウィンゴから青いオーラが迸る。........だが相手の足が止まっている今はチャンスだ。


「野郎共!ぶっ放せ!」


30人の仲間と俺の、計31の銃口から鉛玉が蛇口を一気にひねったような勢いで発射される。あの体勢からこれを回避する術はほぼないといっていいだろう、俺は勝利を確信した。........が、これでも読みが甘かった。


「........ぬぅん!」


........思えば斧を回転させたところで警戒するべきだった。なんとウィンゴが気合いをいれると、周囲に竜巻が発生した。サイズはウィンゴをちょうど囲うほどの小さなものだったが、そのパワーは凄まじく俺たちの弾丸を巻き込み、あらぬ方向へと飛ばしてしまうほどだった。空気中の塵や埃、足下の草や土を巻き込んでウィンゴの姿が見えなくなる。


「な、何だとぉーー!?」


........正直ここまで人間離れしたことをやられるとは思わなかった。これを想定して動けるのはきっとマンガで主人公補正がガンガンついてるやつぐらいのもんだろう。

なんて考えていると、竜巻の中からひときわ強い殺気を感じた。........相手を殺そうと引き金を引くまさにその瞬間のものによく似ている。もし俺の考えが正しければ........。


「........!全員攻撃に警戒しろ、来るぞ!」

「........遅いわ愚か者共め........!」


次の瞬間、竜巻が弾けて突風が吹く。それに紛れて何かが飛んできた。ちらっと見えたのは大きな針のような細長い飛翔体だったが、詳しいことはわからない。とにかくとっさにタワーシールドで突風と針から身を守るのが精一杯だった。

やがて突風が収まり、タワーシールドをどけて辺りを確認する。避けて無傷なのが6割、当たったもののまだ動けるのが2割、負傷したのが2割、ってところか。........しかし相手にあんな攻撃があるとわかったら、仲間をヘタに展開するわけにはいかない。ここは全員引っ込めるしかねぇか。

一方のウィンゴと言えば、まあ予想はついていたがお馴染みの紫のモヤが渦を巻いてウィンゴを隠している。モヤの中から声が聞こえる。


「........フハハ、どうした?苦戦しているぞ........?」

「ハッ!その台詞は言うには少し早いぜ?」

「........最早貴様の底は知れた........。せめてもの情けだ、一思いに楽にしてくれよう........!」


モヤが吹き飛び、同時にもう一度辺りに突風が吹き荒ぶ。目を閉じずに前を見据えると、そこには1人の男がいた。

黒いタンクトップに迷彩柄のズボン、2mに届くかと言う体躯はそのままに、1つだけ違うところはスポーツ刈りだった黒髪が足まで届くほど長くなっていることだ。........歌舞伎かなんかにあんなのあったな、あれより長いけど。


「........最早語るまい........さあ、行くぞ........!」


仕切り直し........いや、俺の方が分が悪いか?風も、少し強くなってきた。





ウィンゴ戦は2回に分けます。お待ちくだされ。

それではこの辺で失礼します

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