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傭兵in異世界  作者: キリサキ隊長
傭兵の戦
47/86

傭兵の敗北

言うことがあんまりない。強いて言うなら誰かレポート書いてください。

それではどうかお付き合いくださいませ


「バカ!手ぇ出すな!」

「........消え去れ........!」


最悪のタイミングだ........。何で来たんだ、お嬢ちゃん。止めさせたはずなのに。


ガガガガガ!!!


ヘビーブレイカーの左腕のガトリング砲が火を噴く。展開している数は4、計4門のガトリングがえらく高密度な弾幕を形成する。おい、こっちまで当たりそうなんだが。


「........ヌゥン!」

「........嘘ぉ!?」


化け物弾幕に繰り出されたのもまた化け物じみた所業だった。ハルバート一振り、その時の風圧で壁を作って防いでみせたのだ。そればかりか、そのモーションで作った衝撃波でヘビーブレイカーの脚を切断する。


「........見定めたぞ........!」


1機が沈黙し、弾幕に穴が開く。その隙をウィンゴは見逃さなかった。薄くなった弾幕の隙間を掻い潜り一気にヘビーブレイカーの懐に潜りこむ。


「ヤバい!」


ああなったらヘビーブレイカーでは対抗できない。とはいえ手負いの今の状況ではまともに追うこともできない。それでも痛む身体を奮い立たせ立ち上がる。

その間にもう1機が手足を1本ずつもがれて大破、パイロットに手を出してないのが不幸中の幸いであるが、楽観はできない。


「フゥー........ぐっ!」


近づくのに時間がかかっては意味がないので、ライフルに持ちかえて狙いを合わせる。しかし痛みのせいで手がぶれるのと、排除されたヘビーブレイカーのせいでチャンスが見いだせない。


「........見つけたぞ........」


ヤツが取りついた3機目の機体、ありゃお嬢ちゃんの機体じゃねぇか!........だが、動きも止まった。ピンチはチャンスとはよくいったものだ。ヘビーブレイカーがウィンゴを振り落とそうとしているが、その鈍重さのせいでたいした抵抗になってない。


「くたばりやがれ!」


ライフルを隙をみて発射する。ウィンゴが完全に背を向けたこの位置関係ならいかに速く動けようと反応できないはずだ。........なんて思惑は打ち砕かれることになった。


「........」


こっちを見ずに手だけを向け、障壁を展開する。弾丸は呆気なく弾き返される。........嘘だろ?どうやって気づいたんだよ。見てなかったじゃねぇか。


「........冗談だろ?」

「........残念だが、ここまでだ........」


コックピットを強引に抉じ開け中から何かしらを引きずり出す。........それが何か、いや誰かはわかっているのだが、できることなら認めたくない。


「........今一度問おう。投降するか、否か........」

「かっ........はぁ........おにい…さん........」


言うまでもなくお嬢ちゃんである。細首を捕まれ、吊し上げられる形になっている。........くそったれめ、俺のせいだ。


「........俺が投降するのと、そのお嬢ちゃんになんの関係がある?」

「........この者はそれがしの戦いに横やりをいれた。邪魔立てする者に容赦はせぬ........」

「あ........ぎ、かは........!」


白々しいことしやがって。人質を取ってるのは誰の目にも明らかじゃねぇかよ。


「........条件がある、そのお嬢ちゃんの命を寄越せ」

「........なぜか........?」

「あ?」

「........なぜこの者を救わんとする........」

「そりゃあお前、仲間を見殺しにしてまで惜しいと思う我が身じゃねぇからな」

「........もしそれがしがこの場でこの者を絞め殺せばどうなると........?」

「その時は戦士の矜持をかなぐり捨てて、俺たち12594の兵士が貴様をなぶり殺しにしてやる」


全力でウィンゴを睨み付ける。人の事言えた身でもないがこいつにはいずれきっちり礼をしなければならない。

こっちの要求を飲んだのか、ひとしきり考えるそぶりを見せていたウィンゴが唐突にお嬢ちゃんの首根っこを掴んでいた手を離す。


「........時間をやろう、今夜我らの陣の前まで来い........」

「バックレるとは考えないのか?」

「........それならばこの戦は果てしなく続くだろう。貴様がどう思おうとな........」

「........」

「........貴様に無用な戦を起こし続ける業を、その無限の肉体と共に背負い続けられるか........?」


それだけ言い残してウィンゴは一瞬で姿を消した。あとに残ったのは、俺たちの、俺の敗北の証だけだった。


気がついたら書く手が止まる。止まると言えば冬場は何にもしたくなくなりますよね?

それではこの辺で失礼します

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