傭兵、互いを認識する
富も名誉もいらんから文才がほしいです
「あ゛~、背中が痛でぇ~よぉ~」
「女性にアバズレなんて言葉を投げ掛けるのが全面的に悪いと思うよ?」
そりゃあそうだろうが........。だからって途中からやたらゴツいブーツに履き替えて踏んできたのは許せん。
どうしてくれようか、この...........
「ところでスッゴい今更なんだけど、あんた誰?」
「ああそう言えば名乗ってなかったね。ボクはイツキ。階級は大佐だよ」
...マジかよ、こいつ何気に高級将校だったのかよ。せいぜい大尉位だと思ってたわ
「さて、女性に先に名乗らせたんだ。当然君も名乗るよね?」
「ん?ああそうか。俺は傭兵の刃人、斬崎刃人だ。呼び方はテキトーに決めてくれ」
「そうか、では傭兵と呼ぶことにするよ」
名乗らせたのに名前を使わないってすげぇ失礼じゃね?
「じゃあ俺も大佐って呼ばせてもらおうか。細かい自己紹介は後回しにさせてもらうぞ?」
「構わないよ。ところで傭兵、君にひとつ聞きたいことがある」
「なんだ?」
「ボクと取引をする気はないかい?」
「...ほぉ?」
これまた意外な話になってきたぞ?あったばかりの素性もよく知らない傭兵にいきなり取引を提案するとは流石に考えなかったわ。
「話にもよるな。大佐は俺に何をさせる気でいるんだ?」
「そうだね。一言で言うならば........」
「この世界に偽りのない安寧をもたらす仕事だよ」
まだまだお付き合いください(切実)