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傭兵in異世界  作者: キリサキ隊長
傭兵の日常
35/86

傭兵とお医者先生

滑り込みセーフ!

紅白見ながら書きましたぜ!

そんなこんなで今年最後、どうかお付き合いくださいませ


「はい次の方どうぞ~」

「…........はっ、俺か。は~い」


やれやれ、風邪を引いたのなんていつ以来だろうか。これは…........あれだな、仙里がいけない。

仙里が来てから、毎日ヤツが布団に潜り込んできてた。それだけならなんの事はなく、微笑ましいねで終わるのだ。が、そうはいかなかった。何があると言えば、熱いのだ。そのおかげでとにかく暑い。半袖で寝ないと寝付きが悪くなるくらいだ。思えばそれがいけなかった。これからは冬場は何があっても長袖で寝るようにしよう。


「先生、よろしくお願いします」

「はいよろしく。あなたが斬崎刃人?」

「そうですが何か?」

「いえ何も?それで、どこが悪いのかしら?」

「あ゛~、喉と頭が痛くて、少しばかし熱っぽいですな」

「それじゃあお腹出してちょうだい」

「了解」


こうして診察が始まる。それにしてもこの服をたくしあげて腹を見せるってのは恥ずかしいな。


「やっぱりいい身体してるわね。イツキ大佐の言う通りだわ」

「あり?大佐をご存じで?」

「知ってるわよ。私は軍医でもあるから」

「なるほど~」


今度は背中を向ける。…........俺医者じゃないんだけど、どうしたらこの動作で異常がわかるんだろう?わからん。


「…........そういえばあなたは来訪者なんですって?」

「あー、その来訪者って何ですかね?」

「知らないの?って無理もないか…........ガーンズではあなたが初めてだから」

「どういう事だ?」

「聞きたいなら、診察時間が終わってからもう一度ここに来なさいな。はいお口開けて~」

「了解~、んあ~」


大事な話のような雑談をしながら診察は続く。…........なんだろう。この先生、とにかく独特のビジュアルである。赤髪の短髪に八重歯、裸足に便所サンダルで白衣の下のTシャツには筆字でボンバー!と書いてあった。出るところは出ているが高さだけがない。…........155㎝ってとこか?


「どこ見てるの?」

「いやどこも?」

「そう。診察は終わりよ、ただの風邪」

「そうですか」

「身体は大事にしなさい、あなたは次の作戦に出るでしょう?」

「あぁ…........全く情けない話ですが」

「一応薬を出しておくから、後でちゃんと薬局寄りなさいね」

「了解、世話になりましたな」

「ええお大事に、また後で…........でいいかしら?」

「そうですな、また後で」


診察は終わり、俺は受付で処方箋を受け取り病院を後にした。さて、どんな話を聞かせてくれるのか…........


ーーーーーーー


「さて、来たわけだが…........」


時刻は午後6時、夕方どころか寒い季節の今は夜と言っていいだろう。診察時間外の病院に用がある者など俺くらいのものだし、案の定先生の病院には患者は誰もいなかった。俺は受付の人に声をかけ、俺が何者なのかを伝える。


「ちょいといいかね?」

「はい?診察時間は過ぎていますので、緊急でなければまた明日に…........」

「いやそれは昼間にやったよ。悪いが先生に斬崎刃人が来たって取り次いでもらえるか?」

「えっと、わかりました」


パタパタとスリッパをならしながら奥に下がっていく受付の人。おや、すぐに帰ってきた、早いね。


「はい、先生がお呼びです。こちらからどうぞ」

「ありがとさん」


促された入り口から入る?診察室の1つに灯りがともっていたので、そこに入る。


「先生、約束通り来たぜ」

「おう!待ってたぜ」

「…........ん?」


…........なんか違う。顔や服装は確かにさっきまでの先生だ。しかしその口調も違えば今はにっこりとしている。診察中はあまり感情を表に出さない印象だったが、まるで違う。


「もしかして俺、人間違えてる?」

「合ってるよ。その気持ちはわかるけどな」


にししと笑う先生。この顔にはこういう顔の方が似合うな。…........何て考えてる場合じゃねえや。


「早速だが話を聞かせてくれや」

「慌てるなよ。まずは自己紹介からだ」


そうして胸を1叩きしてこほんと咳払いをする。


「あたしはヤチヨ。あんたも知っての通り医者だよあ、あんたは名乗んなくていいよ。あんたの事はなんでも知ってるから」


え、何でも知ってんの?なにそれ怖い。俺この人今日まで知らなかったんだけど。


「聞きたいことは山のようにあるんだがとりあえず1ついいかね?」

「あんたのために時間割いてんだからさ、好きなだけ聞けばいいと思うよ?」

「なるほどな。…........あんた昼間とずいぶん違うな、別人?」

「あーこれね、お師匠に言われてるんだよ。医者は、特に女の子なら冷静にってね。だけどあたしはそれは性に合わないからさ。結構辛いんだよ?あれ」

「ふーん、ならやめちまえよ。無理して自分を抑えるなよ」

「まぁあたしもそうしたいのは山々なんだけどね。お師匠の言うことは間違ってはないからね」


…........どことなくヤチヨ先生の言うお師匠ってのは深い意味がある、そんな気がした。


「で........何だっけ、来訪者についてだったっけ?」

「その通りだ。俺の事を指してたまに使われるんだがなんだかよくわからないんだよな」

「ムリもないぜ。あんたはこの国で初めての来訪者なんだから」

「........?」


どういう事だ?来訪者ってのは割りといるって聞いてたんだけど。


「確かにあんたみたいなのはたまにいるよ。国境辺りにポッと出て来るのが。そいつらは皆記憶を失った状態で、今までは皆ウィーズの方に行ったんだよ」

「だから俺が初めての来訪者って訳なのか。しかし俺にはきちんと記憶があるんだがねぇ」

「そうだけど、それがなんか意味があるのかすらわからないからね。あたしたちこの世界の住民からしたらあんたみたいな異世界の人間ってのがいるってくらいしかわかんないのよ」

「ふーん........ん?」


ちょっと待て。とりあえず来訪者ってのがいるのは周知の事実だってのはわかった。だけど今までは記憶喪失の人間しか来なかったのにどうやってそれが異世界の人間だってわかるんだ?


「どうしてそれが周知の事実になるんだ?」

「そうだな、来訪者が現れ出したのはホントにここ数年の話なんだけど、そいつらが持っていた物がこの世界と違う物だったんだよ。雑誌とか機械とかな」


なるほど、物的証拠があったのか。


「で、それを世間に公表したヤツがいたんだよ。確かウィーズのマクリルって言ったっけな?」

「なるぼどねぇ........」


出来ることならそのマクリルって人に会えるのが一番楽なんだが、あいにく俺今はガーンズ所属だからなぁ。ウィーズに行こうもんなら骨も残らねぇだろうな。


「........いい話を聞けたよ。あんがとさん」

「いいっていいって。むしろこんくらいしか話せなくてごめんな?」

「んじゃ、俺はここらで帰らせてもらいましょう」「帰る前に1つ、あたしの願いも聞いてくれないか?」


あー、確かにギブアンドテイクは取引の大原則だ。ただでもらえるものは基本的にないだろう。........だが、顔を会わせてまだ幾ばくも経ってないのに何だって言うんだ?


「何ぞ?」

「えーと、........う~ん。ちょっと待って、深呼吸するから」


そう言って深呼吸しだすヤチヨ先生。


「お、落ち着けあたし~........。決意を固めて何時間しかたってないけど、思ったら速い方がいいはずたぞ~」

「大丈夫か?」

「!?お、おお脅かすな!このバカ!」


バカって........。人の事心配してバカ呼ばわりって!


「........こほん。よーし言うぞぉ、その耳かっぽじってよく聞いとけよ!?」

「お、おう」


一体何が始まるんです?


「........あんたが好きです。付き合ってください」

「........おん?」


何だって?つきあう?それは........竹刀で手合わせ願うってことか?突き合うなの?


「えー、何だって?」

「何度も言わすな!このすかたん!!」

ボカッ!

「あだ!」


俺一応病人なんですけどねぇ!?殴んないでもらえますかお医者さん?痛くないけども。


「あーもう!なんで一回で理解してくれないかな!わかったよ!アイラブユー!これであんたの世界では通じるんだろ!?早く返事よこせ!」


........もう本人も暴走気味である。顔は真っ赤だし、目は回ってるし、テンパってるし、........そんなになるなら言うなよ、と思ったが流石に言ったらさらに殴られそうなのでやめとく。


「あー、........保留で?」

「何で疑問系なんだよ........」

「だって俺、先生のことなんも知らないし。第一、なんで俺なのさ?」

「う~ん、聞かれると困る。もう直感だったからな」


直感かよ........。


「でもさ、不思議とあんたと一緒ならいつまでもいられそうって思ったんだよね。何だろうな、これだッ!って感じ」

「ふむ........。気持ちはわかったが、なにぶん急すぎる。やっぱり時間くれないかね?」

「........しゃーないなぁ、わかったよ」


なんとか折れてくれた。........肝が冷えたぞ、この俺に色恋沙汰なんていつ以来だ?俺の寿命を縮めてくれるなよな........。


「じゃあ俺は帰るぞ先生?」

「........帰さないぞ?こうなったら既成事実でも作ってやる」

「!?」

「冗談だぜ」


怖いです........。洒落になんねーよ、目がマジですよ先生。


「そんじゃ失礼!」


さっさと逃げ出したくなった俺はそそくさと部屋から出ていく。後ろから先生の声が響く。


「逃がさないかんなー!覚悟しとけー!」



ホントはこんな話にするつもりなかったんですがね........

ラブコメタグ付けようかな?

それではこの辺で失礼します。皆様よいお年を~

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