傭兵と捕虜収容所
お待たせしました
いつも不定期で申し訳ないです
それではお付き合いくださいませ
「これが........捕虜収容所?」
「........でけぇな」
作戦続行の許可がおりたあと、俺とクレイグは捕虜収容所とおぼしき大木の直下まで来た。来たんだが........でかい、とにかくでかい。
ブリーフィングの時に見た印象は目立つ木って程度だったが、現物を間近で見ると紅白の333m電波塔のような感じである。しかも上の方は葉が生い茂っているので余計にでかく見えるんだから困る。
こんなものがたまたま生えてくるなんてたまったもんじゃない。これは........もしかしたら『獣おろし』かそれと同レベルの強者がいるかもしれんな。
「とりあえず入り口を探そうか。キルオンが使ったのがあれば楽なんだがねぇ」
「それも含めて探すしかない。2手に別れて大木の外周を調べよう」
「へいさ、それで行こうか」
というわけで、俺は左から回り込むことにした。
(それにしてもすげぇな........)
大木には太い蔦や木の葉が大量に付いていて、表面が緑色になっている。これだけの大木の幹を覆いつくすほどである。何が隠れていても不思議ではない。........さすがに敵兵が待ち伏せてるとは考えたくないがね。
(........?)
不意に何かしらの不自然さを感じて足を止める。漠然としすぎていてよくわからないため、五感を研ぎ澄ます。
これは........風か。大木の方から風が流れている。大木が遮っているはずなのに、確かに空気が流れる音がするし空気が肌にぶつかっているのもわかる。
この辺りになんかあるのは間違いない、そう思って大木を触ったり叩いたりしてみる。絡まってる蔦は思いの外丈夫で手で引き千切るのは無理そうだ。
てか、固いんだけどこの蔦........。
コンコン
「お?」
とても植物が放っているとは思えないくらい乾いた音が響く。どうやらこの奥は空間が広がっているらしい。回りをしばらく叩いてみたが、人が1人入るには困らないくらいのスペースがあるみたいだ。しかし........。
(これどうしようか........)
この大木に絡まっている蔦は異常なほど硬い。正確には、芯がバカみたいに硬いのだ。表面に爪を立ててみたら軽く凹んで汁が出てきた。とにかく持ってる太刀ではどうしようもないだろう。
かといって一応ここは敵地だ。爆破なんぞしようもんなら何が出てくるかわからない。さてどうしたもんか................あ。
「お嬢ちゃんよぉ........。お前さんホントいい仕事してくれたぜ」
あるじゃないですか最適な武器が!と思って取り出したのは作戦前にお嬢ちゃんから渡された2本の剣『フレアブレード』である。いくら硬いとて所詮は植物だ。熱で焼き切るこいつなら「こうかはつぐんだ!」で細切れにできるはずだ。........多分。
「さぁて、頼むぞ新入り」
フレアブレードの柄を強く握って刀身を赤熱化させる。限界まで加熱され、やがて刀身そのものが赤くなる、準備万端だ。
「........フンッ!ハァッ!」
蔦に向かって斬撃を加える。1回では切断するに至らず、何度か斬りつける。やがて蔦が焦げ臭いにおいを放ちながら落ちていき、俺の目の前に木の中に続いてるっぽい穴が出てきた。いかにも人工的な加工が施されたアーチ型の穴である。........間違いない、これが入り口だな。知らせてやるか。
「こちら刃人、クレイグ応答せよ」
『........こちらクレイグ、良好だ斬崎刃人』
速攻で出てくる。こいつの爪の垢を煎じて大佐に飲ませてやるべきかね?
「入り口らしきものを見つけた。すぐにこっちにに来てくれ」
『了解、こちらには何もなかったぞ』
「マジか、キルオンはどっから入ったんだ?」
『知らん』
「ですよね~」
そんなやり取りの後、通信を切ってクレイグをまつ。回りを観察しつつ、何気なく俺が切り開いた入り口に目を向けて俺は自分の目がイカれたかと思った。
「ん!?入り口はどこいった?」
何と俺が開けたはずの穴がきれいさっぱり消えていた。どの辺を見ても蔦と枯れ葉だけである。
「あるぇ~?」
とりあえず赤熱化させたフレアブレードで穴を開けた辺りを刺してみる。するとあっさり剣が奥に入っていく。よく見たら蔦も新しいものであるようで
、古いものと若干ではあるが色が違っていた。........マジかよ、この短時間に音もなく生えてきたってのかよこの蔦は。
「フン!」
もう一度道を切り開く。やっぱりここであっていたらしく、入り口がはじめと同じ感じで出てきた。これでよし、と思いまた目を離した。
この事が3回ほど続き、クレイグが到着した時には辺りはすっかり焦げ臭くなっていた。
戦国無双クロニクル3を買ったんですが今までより難しいですね。俺が弱いだけか?
それではこの辺で失礼します




