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傭兵in異世界  作者: キリサキ隊長
傭兵の非番
14/86

傭兵とお仕置き

通りまーす

今回はから短編が続きます

ではでは、お付き合いくださいませ

「おうおう、お前さんたちに集まってもらったのは他でもねぇ」

「何かな傭兵?ボクも言うほど暇って訳じゃないんだけど」

「どうしたんですか?お兄さん」

「なんかあったか?ジント」


時刻はおやつの時、ところは尋問局の休憩所、人は上から絶賛大激怒中の斬崎刃人オレ、最近寝顔がだらしない事が発覚したイツキ大佐、ファクトルから首都の武器工場に転属になったアリスのお嬢ちゃん、先の作戦の功から大佐の元で俺と一緒に働くことになったキルオンってなってる。


「ずいぶんと怒ってるみたいですけど…........」

「そう、そうなんだよお嬢ちゃん。あそこにある冷蔵庫はわかるだろ?」


そう言ってオレが指差すのは休憩所内に置かれたごく普通の冷蔵庫。『中の物を勝手に食べるな!』と書いてあるのがいかにも休憩所の冷蔵庫っぽい。

唐突だが、俺は甘いものが大好きだ。傭兵って職業は頭を使うことも多いから糖分は人より多く取るようにしてる。この世界に来る前は医者に低血糖過ぎって言われたし。

さて、誰もが開ける冷蔵庫と甘いもの。この組み合わせから導かれる話題は俺には1つしか想像できない。それはこういうことである。


「で、だ…........。昨日俺が買っていれといたおやつがなくなってんだけど…........お前ら知らない?」

「…........!」

「え?なんだそりゃ?」

「どんなおやつだったんですか?」

「ああ、甘味処『白雪』の限定だんごだったんだが…........」

「「!?」」

「?『白雪』ってなんだ?」

「え!?キルオン知らないんですか?」

「仕方ねぇだろ。オデは今回初めて首都に出てきたんだぞ?」

「そうでしたね…........。『白雪』の良さを語り出すときりがないので今はやめておきますけど、首都に数あるお店のなかで1番美味しいお菓子を作ってるところだと思ってください」

「へー、オデも食ってみてぇなそれ」


キルオンよ、その気持ちはよくわかるぞ。俺も昨日は低血糖による貧血の体に鞭打って朝から店にならんで昼過ぎに手に入れた代物だったってのに…........。思い出したらムカムカしてきた。


「と、ところで傭兵?他の人には聞いたのかい?何もボク達の中に食べた人がいるとは限らないと思うけど…........」

「ああ、それならもうここを使うやつで今日来てるやつには全員聞いてきた。お前さんたちが最後だ」

「そ、そうかい…........」


…........ふむ。


「いないのか?申し出るなら今だぞ?」

「し、知らないよボクは」

「私も知りません。でもあの『白雪』のお団子なら手が出てしまうのも仕方ない気がしますね」

「知らねぇな。今度買ったらオデにもくれ」

「やらんよ。…........いないんならいいや。わざわざすまんねお前さんたち」

「う、うん…........」

「それでは私はこれで失礼しますね」

「ほんじゃな~」


こうして昼下がりの尋問はお開きになった。ぞろぞろと退出していく仲間を見送りながら、俺は最後に出ていくやつに声をかけた。


「ああ、そうだ。しらばっくれるのは勝手だが、もしあとで発覚したらその時は…........。覚悟しとけよ?」


そいつの背中が身震いしたのを、俺は確かに見た。…........決まりだな。


ーーーーーーーーーー

(ここからしばらくアリスの視点でお送りします)


~翌朝~


「なぁアリスちゃん、無理だってやめとこうや」

「いえ、キルオン!お兄さんのお団子窃盗犯を捕まえます!私についてきなさい!」

「捕まるわけないじゃんかよ~」

「ここで捕まえておけば何かおごってもらえるかもしれませんよ?」

「…........何してるんだアリスちゃん!ボサッとしてねぇで行くぞ!食べ物の恨みは恐ろしいんだ!」


そこまで現金でいいんでしょうか…........。私の友達だけに心配になりますね。

とにかく、早速情報収集です!どんな不審な点も見逃しませんよ!け、決してホントは犯人探しは建前で、探偵ごっこみたいで楽しいだけなんて思ってませんからね!?


パンっ、パンっ…........


…........ん?何でしょう?何かを叩く音が聞こえますね。


「ねえ、キルオン。あの音聞こえますか?」

「ん?…........なんだろなこの音。あっちからだな」

「行ってみましょう!」


音がする方に走り出す私とキルオン。すれ違った副官さんに「走っちゃダメですよ~」って言われましたけど、今はこの音の方が気になります。


パンっ、パンっ…........


「ここですね…........」

「ここだな…........」


何の部屋かと思ってかけてあるプレートを見ると、イツキ大佐の部屋でした。中で何やってるんでしょう…........。気になるので扉に耳をつけて聞き耳をたててみると、声が聞こえてきました。


『…........オラ!やっぱり大佐だったんだな!?ただですむとは思うなよ!?足腰たたなくなるまでやってやる!…........』

『ごめんなさいごめんなさい!もう許してよぉ!ちょ、痛!痛いよ傭兵!もっと優しくしてぇ!』


…........な、ななな何やってるんですかあの2人は!これじゃまるで、2人が中でエ○チな事してるみたいな…........。あわわ、どうしましょう!?


「なあアリスちゃん。なかで何があったんだ?」

「シーッ!キルオン、静かにしてください!」


聞き耳をたててる事がバレでもしたら、2人に世にも苛烈なお仕置きをされてしまうのは明白です。でも、仮にも職場なのに…........。


「と、ととととりあえずキルオンは副官さんを呼んできてください!」

「え?なんで?」

「いいですから!早くしてください!」

「わ、わかった!」


走っていくキルオンを見ながら私はまた聞き耳をたてます。決して興味があるわけではありません。私だってもう大人ですからね!…........誰に弁解してるんでしょうか。


『どうした大佐ぁ!もうギブアップか~!?』

『ふあ、あ。ひどいよ傭兵ぃ…。さっきから謝ってるじゃないかぁ…........痛!』

『俺は言ったぞ?覚悟しとけってなぁ!?この程度じゃオレの腹の虫は収まらねんだよぉ!』

『あっ、あっ........ひゃあ!も、もうやめてぇ!おしり壊れちゃうよぉ!』

『オラ、逃げんな!尻突き出せ!』


........どうやら昨日のお団子窃盗犯はイツキ大佐だったみたいですね。そのお仕置きって所でしょうか........。そ、それにしても、少し激しすぎませんか?それともこれがふ、普通なんでしょうか........。うう、顔が熱くなってきました........。


「お~いアリスちゃん!副官さん連れてきたぞ~」

「何かあったんですかアリス中佐…........ってどうしたんですか!?顔が真っ赤ですよ!?」


あぁ…........、救世主が来てくれましたぁ…........。


「お願いします副官さん........。中の2人を止めてくださいぃ........」

「えっと........何が起きてるんですかキルオンさん?」

「さぁ........?」

「........とにかく入りましょう。大佐?いらっしゃいますか?失礼しますよ?」

『え!?ちょっと待っ…........!?やめてぇ!見ないでぇ!』


勢いよく副官さんがドアを開けました。あとに私とキルオンが続いてなかに入ります。そこには…........。


「ふええ…........。見られたぁ.......もうお嫁にいけないよお…........」

「おう、お前ら!お前らも大佐にお仕置きするのを手伝ってくれ!」


四つん這いでへたってるイツキ大佐と、そのイツキ大佐のおしりをハリセンでバシバシ叩いてるお兄さんがいました。


ーーーーーーーーーー

(ここから傭兵視点に戻ります)


「全くあなたたちは…........。ここがどこだか少しは考えてもらえませんか?」

「「はい、ごめんなさい…........」」


俺は今、尻の腫れ上がった大佐と一緒に正座して副官さんに怒らてる。目の前で腕を組んで仁王立ちしている副官さんは、冥界の名だたる大悪魔がこぞって泣いて許しを乞うぐらい怖い。


「だいたい刃人さん、たかがおやつでしょう?ここまでする必要はありますか?」

「いやだって…........」

「だってもデモもストもありません!」

「じゃあ副官さんは『白雪』の限定だんごを無断で食われても平然としてられるってのかよ!?」

「!?」


お、副官さんの顔色も変わった。やっぱり『白雪』のネームバリューはすげぇな。


「........本当なんですか大佐?」

「え?」

「本当に『白雪』のおだんご無断で食べちゃったんですか?」

「…........うん」


大佐がどんどんショボくれていく。さすがに少しやり過ぎたかな........。


「刃人さん」

「はいぃ?」


いきなり声をかけられてびくってなった。見上げるとそこにはハリセンを持った副官さん。今度は俺がひっぱたかれるのかと思ったら、そのハリセンは俺に差し出された。


「........やっておしまい」

「........!アイアイサー!」

「なんでぇ!?」


そう言い残して部屋からでていく副官さん。残ったのは俺と大佐と、脇で見ていたキルオンとお嬢ちゃん。


「........そう警戒しなくても、もうやらんよ」

「........はぁ、助かったぁ」

「それに、また始めたらお嬢ちゃんがあらぬ誤解をしそうだしな」

「なっ........!違います!私はちゃんとわかってましたからね!」

「どうだかな~。そうだな大佐、さすがにやり過ぎたと思うからどっか飯食いにいこうぜ!」

「........おごりだよね?」

「もちろん」

「デザートも食べるよ?」

「........許す」


ずいぶん吹っ掛けてくれるなおい。わからんでもないが。


「2人とも聞いたかい?傭兵がご飯おごってくれるって!」

「よっしゃ~!食うぞ~!」

「お兄さん!ありがとうございます!」

「あ、おい待てお前ら!そんなこと言ってねぇ~!」


このあと、腹いせなのかわからんが女性2名が死ぬほど食ってくれたおかげで俺の財布が氷河期を迎えたのは別のはなし........。



これはR15越えてませんよね?そうですよね?

ところで、副官さんの名前後思い付かないんですが案があったら提供してくださるとありがたいです。ちょくちょく出すつもりなのに名前がないのは可哀想なので........


それではこの辺で失礼します。読んでいただきありがとうございましたー!

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