第九話 出かけたオタクの旅道中
軽く準備を整えたデブオは少し古ぼけた
ギィーーと情けない音を出すドアをあけこの世界の外に初めてでた。
外の世界は思ったより殺風景で適当な空き地に自分ちがあるような感じだった
小道が伸びていて周りは林の様な感じだ太陽は無く
光はまるで部屋の照明に似ていた。
外から見るとデブオの家は何とも情けない作りで
人がよく言う「ウサギ小屋」だった。
なにせゲームの世界なのでトイレや風呂がない一部屋でさえ十分なのだ。
「いつかこの家も豪邸に、いや城にしてやるブヒ!」
そう心で思いデブオは改めて地図を確認した
村まではどうやら目の前の道をたどれば大丈夫なようだ途中の
わかれ道さえな違わなければ無事に着ける
わかれ道の村ではないほうは広場になっているようだが
名前や場所の情報は表示されない
「きっとこの場所に行けば僕の地図に登録されるぶひね」
ゲームおたくのデブオはこの世界での理解力は天才的かも知れなかった。
トコトコ少し歩いてみてデブオはまた地図を見た
自分のすすんだ距離を確認するためである。
この距離なら二十分ぐらいブヒね
ちょうど学校の通学ぐらいか……
デブオは考えを巡らせながら少しゲームのことを思い出していた
自分が今いる大陸は比較的平和な大陸だし
国自体も初心者が初めに送られるところだった。
そこら辺で出てくるモンスターはダンジョンを別にすれば
初心者でも一対一なら問題なく勝てるモンスターたちだし
動物は強い動物もいるがこちらから攻撃しなければ
向こうも何もしてこない
安心な散歩みたいなものだ。
デブにとってはむしろ動物やモンスターより二十分も歩くという行為
自体が一番危険かもしれない。
そうこう歩いていると道の真ん中でウロウロしている小さいものが現れた
この地域で一番多く生息し一番弱いとされている大根のお化けのモンスターだ
モンスターの頭の上にはチッチとそのモンスターの名前が表示されていた
デブオは少し興奮して木の棒を構えた。
構えるといっても剣道や棒術のような構えではなく素人丸出しの
片手持ちまさに勇者ごっこという言葉がお似合いだった。