二百文字詩集「紅桃色吐息」

純情違い

　本当は如何仕様も無く好きで好きで堪らないのに、貴方の前では私は素直に為れない。

　態とらしく拗ねて見せたり、冗談を云って見せたり、自分の事ながら、とても面倒臭い女。

　コーヒーが苦く感じなく為ったのも、煙草が美味しく思えるように為ったのも、其れは切っ掛けでこそ在れど、理由じゃない。

　全力をぶつけて、貴方が受け止めてくれるかは解らないけど、もう逃げるのは止めたの。

　答えが出ないまま悶えるよりは、堂々と死にたい。