第十六話 初めてのダンジョン編4
キュイィィィィン
空間が捻れ、中から異形の怪物が現れた。
その怪物には通常の攻撃、魔法が全く効かず、ただ一方的に蹂躙されるしかなかった。
そして、その異形の怪物はその周辺にある物や人を全て破壊し尽くし、現れた時と同じように消えていった。
京達がダンジョンに入った数時間後の出来事だ。
40階 ボス部屋前
30階辺りから想像通りのモンスターが現れた。まぁ、そうは言っても基本ボスだけだが。
そして、このメンバーで挑める最後の階層のボス部屋の前で最後の休憩をとった。
「次で最後か・・・長かったな・・・」
「いや、普通なら途中のフロアで宿泊するはずなのだ。そう考えると十分早い」
「え?そうなの?」
「そうだ」
ふーん、これでも早いらしい。
「そんじゃ行きますか」
そして扉を開けるとそこはかなり広い広場だった。
「…言い忘れてたけど最終階はドラゴンだから」
「そこは忘れないでよ!?」
「だ、大丈夫です。た、確かこの階層はブルーアイズホワイトドラゴンですし」
まさか某社長の嫁が出てくるとは……
「そ、それに少ない手数で倒すとレアアイテムが出て来るらしいですから、が、頑張りましょう!」
お、アイシアが何かやる気出してるな。
「…来る」
ディエチが気配を感じたらしく戦闘態勢をとる。
箒とアイシアもそれぞれ構え、正面を向く。
俺は三人の後ろで魔法の準備をする。
因みに今回はスターライトブレイカーは使わない。使うとディエチが泣いてしまうから。その代わりに今回はオリジナルの魔法を使おうと思う。技名は『炉心融解』だ。……別に狙ったわけじゃないからな。
この技は相手を強力な結界で囲い、中で核融合を起こす。威力は今のところトップクラスだが、あまりに結界が強過ぎるため、罠のように仕込まなくてはならない。
その点『終わる世界』は、何処にでもすぐに発動させる事ができるので使いやすいっちゃ使いやすいんだが、念には念を込めてだ。
「ギャァァァア!!」
ブルーアイズホワイトドラゴン(長いから次からブルーアイズで)がこっちに飛んでくるのが見えた。
「箒!目標を例の場所まで連れてきてくれ!」
「了解した!」
そして、箒がブルーアイズを俺が仕掛けた罠に誘い込む。
……かかった!
「始動!」
その掛け声と共に、結界が展開される。
「Fire!」
そして次の瞬間、あたり一面が真っ白い光に包まれた。
「……やったか?」
「……京よ、それは死亡フラグだ」
……何で箒が死亡フラグを知ってるのかは突っ込まないでおこう。
「…生体反応ゼロ……目標完全消滅」
ディエチの報告を聞き、俺は崩れた。
「……疲れたな」
「あぁ、確かに疲れたな」
そうしていると、足元に大きな円形の魔方陣が現れた。
そして気が付くとダンジョンの外に出ていた。
「ところでドロップアイテムはどうなった?」
ふと気になりみんなの方を見てみると、
「「「……」」」
三人とも驚愕の表情でドロップアイテムを見ていた。
「な、なんなんだこれは……!?」
「どう言う事なんでしょう……」
「…あり得ない」
「あの~驚愕している所悪いんだが、何がどうした?」
そうしてドロップアイテムを覗いてみる。
そこには蒼白く輝く綺麗な剣があった。
この剣が、これから起こる事件に関わって来るとはこの時は全く知る由も無かった。
一日遅れてしまった……orz
いや、本当に申し訳ない。
さて、今回はかなり伏線らしい伏線がありましたねw
冒頭に出てきたやつがわかった人はマジですごいと思う。
後某社長の嫁は、普通ならもっと強いんですけどねぇ……
まぁ京だから仕方がないなw




