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篭目
かごめ かごめ
籠の中の鳥は いついつ出やる
夜明けの晩に
鶴と亀が 滑った
『うしろの正面、だぁれ?』
うしろには無邪気な笑みを見せる少女が手を伸ばして立っていた。
「きゃ……」
闇とかグロテスクに似て似つかない、異様な空気。霧とは違った白いモノが取り囲んでいて、学校のはずなのに、どこか別の世界にも居るような感覚。
――――くすくすくす
やっぱり、誰か居る。暗闇で何も見えないけれど、笑い声がだんだん近づいてくる。
「嫌ぁ。聞きたくない」
耳を両手で塞ぎ、しゃがみ込んだ。