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紬、CL50を拾う。

作者:iTo
群馬県桐生市。山あいの静かな街で、紬はどこか色のない毎日を過ごしていた。
両親は海外、一人暮らしのマンション。平日は学校、放課後は喫茶店でのアルバイト。
そんな停滞していた彼女の日常は、ガレージの隅で埃を被っていた一台の古いバイク、CL50との出会いで動き出す。

親友の真波が持ち出した緑のスーパーカブと共に、紬は「自分の力で進む」ことの喜びを知っていく。
バイトで稼いだガソリン代、指先に残るオイルの匂い、そしてヘルメット越しに聞こえるエンジンの鼓動。

「ここではない、どこかへ」

不器用な50ccの二台が奏でるリズムは、いつしか少女たちをまだ見ぬ遠い景色へと誘っていく。
これは、孤独だった少女が、銀色の相棒と共に自分の世界を塗り替えていく、等身大の旅の記録。
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