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第四章 海底都市の門
翌日、リクとミラは潜航艇で海へ入った。護衛は最小限。武器は持たない。代わりに持ったのは、祖父の金属片と、空白だらけの歴史への疑問だ。
深度が増すにつれ、光は細くなる。だが完全な闇にはならない。海中のどこかで、生物発光が星座のように瞬く。
そして――都市が現れた。
門のような構造がゆっくり開き、透明な球体が滑り出てくる。中に“誰か”がいた。
外部スピーカーから音が流れ、やがて言葉になる。
「……陸の……声」
リクは答えた。
「こちらは人類。地球から来た。話がしたい」
球体の中の存在は言った。
「あなたたちは……陸の民。まだ……残っていたのか」




