表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩集 声の巣  作者: よねり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/9

詩集 通知の雨 3




ねえ、君、


君はあの頃 酒場で笑っていたね。


笑っていたが、元気ではなかった。


今の僕もそうだ。


通知が鳴っている間は


「元気」の仮面が はりついている。


鳴り止むと、


仮面は ぽとりと落ちる。




落ちた仮面の内側に


何があるかといえば、


別段 立派な顔など無い。


ただ


寝不足の皮膚と


言いそびれた言葉と


いくつかの


黙っていたい時間があるだけだ。




ところが奴等は


黙っていたい時間をも


「空白」と名づけて怖がる。


空白は怖いのか。


空白は 広告が入りにくいからか。




空白が怖いから、


奴等はつねに


何かを貼る。


貼る貼る貼る。


意見を貼る、


正義を貼る、


哀悼を貼る、


そして最後に


自分の名札を貼る。




僕はその貼紙を


濡れた指で剥がしてみたい。


剥がしてみたいが、


剥がすと指まで


一緒に剥がれてしまいそうだ。




――ああ、もういい。


僕は窓を開ける。


ほんものの雨が 入って来る。


冷たい。


冷たいが、


この冷たさには


「おすすめ」がついていない。




硝子の雨を止めるには


手許の硝子を


伏せればいいだけの話だ。


いいだけの話なのだが、


伏せた途端に


僕は僕の手の重さを思い出す。




さて、


この重さを抱えたまま、


僕は誰に――


ほんとうの声で――


何を、呼ばう……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ