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詩集 声の巣
SNS――というのは、
いわば「声の巣」である。
誰も彼もが、暗い夜更けに、硝子の小窓へ唇を寄せて、
そうして言葉を、放つ。
放たれた言葉は、すぐに羽虫のように集り、
よろこびの匂いも、憎しみの匂いも、いずれも同じ速さで、
糸のような線を伝ってゆく。
私は時々、あれを、
「指先の酒場」
――あるいは、
「孤独の往来」
と呼びたくなる。
だが、そこで交されるものが、ほんとうに「人間」かどうか、
――それを思うと、胸のあたりが、すこし冷えるのである。
そして私は、今夜もまた、その小窓の前に……。




