第0話「眠りに就こう」
はじめまして。米粉けーきと申します。
初作品ですので、ぜひ長い目でお読みいただけると大変嬉しく思います。
「おはようございます、さようなら」
もう何回このあいさつをしただろうか。
毎日なんとなく過ごし、なんとなく生きている。
正直、今の俺の状態は生きる屍だと思う。
そんなどうしようもないことを考えながら帰路につく。
その途中、違和感を感じた。
「お母さんボール取ってー」
公園で遊んでいる子供が遊んでいるのだろうと声のした方を見る。
そこには走り回ってる子供とは別に、宙に浮いたままのボールがあった。
怖い。
そりゃめちゃめちゃに怖い。
当たり前だ、目の前でボールが浮いているのだ。
恐怖で腕はぶるぶる震え、背中には寒気が襲った。
俺はそんな恐怖に耐えきれず、
その場から走って家へと急いだ。
5分くらい走っただろうか、家に着いた頃には息が上がり、頭も痛い。
早くベッドで横になりたい。
「ただいま」
「おかえり!夕ご飯できてるよ」
そうか、もうそんな時間か。
母親が作るご飯は何を作っていてもおいしい。
でも、今すぐご飯食べたら吐き出してしまいそうだ。
「ごめん、ご飯あとで食べる」
「どうしたの?顔色悪いよ」
母親はすごいな、全部バレてる。
「大丈夫、少し体が重いだけ」
「そう?何か悩みあるなら言うのよ」
「ありがとう、ちょっと横になるね」
母親にそう告げると、自分の部屋のベッドに行き横になった。
なんであんな怖いもの見たんだ、疲れてるのかな俺。
考えてもまた疲れるだけ、今はまず寝よう。
「おやすみ、俺」
心の中でつぶやき、俺は瞼をそっと閉じた。
この度は、お読みいただき誠にありがとうございます!!
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