33にゃ
その後、奥方が呼びに来て、夕食をみんなで食べた。
ただ吾輩はいろいろと考えこんでいて、あまり味を覚えていないのであった。
奥方に申し訳ないことをしたのである。
そして、いろいろ考えた結果、1つの答えを出した。
明日考えよう!と。
吾輩は決して考えるのをあきらめたわけではないのである。
要は情報が足りないのである。
吾輩はこの町について、ほとんど知らないのである。
もしかしたら、この町にお宝が隠されているかもしれないのである。
だからこそ、明日この町を探検してから作戦を練るべきであると。
明日の吾輩にすべてを任せた今日の吾輩は、リンのところに向かう。
なぜなら、リンの持っていた魔法の本が気になったからである。
あれを読めば、もしかしたら吾輩も魔法が使えるかもしれぬ。
しかし、そんな吾輩の行く手を阻むものがあった。
リンの部屋の前の扉である。
吾輩は何とか開けようと試みるが、なかなかうまくいかない。
仕方がないので、リンに気づいてもらうため、ドアをカリカリする。
すると、吾輩の背後から声がかかった
「クロマルちゃん、どうしたの?リンに何か用事?」
奥方!ちょうどよかったのである。
吾輩の目的を察した奥方は部屋をノックし、リンに声をかけてくれた。
「リン!クロマルちゃんが入りたいみたいだけど、入れていい?」
「クロマルちゃん?いいよー」
奥方がトビラを開けてくれたので、吾輩はリンの部屋に入ることができた。
そして吾輩はリンの部屋をきょろきょろと見回し、先ほどの本を探す。
「どうしたの?何か探しているの」
不思議な行動をしている吾輩を見て、リンが声をかけてきた。
吾輩は肯定のニャーを発する。
「あっ、もしかしてこれかな?」
そう言ってリンは吾輩に先ほどの本を見せる。
それである!
吾輩はリンのところに向かって歩いていき、そのままベッドに乗る。
「クロマルちゃん、魔法に興味があるんだね」
吾輩はリンの問いかけにうなずく。
「じゃあ、せっかくだから私が読みながら説明してあげるね」
吾輩はリンの説明を聞きながら、この魔法に関する本を読んでいった。
そして、とりあえずわかったことはこんなところである。
・魔法を使う方法①魔法具
魔法具に魔力を流すと、刻まれた魔法陣が反応し、魔法が発動する
・魔法を使う方法②魔法陣
魔法陣を描き、魔力を流すと、魔法が発動する
火の出す魔法陣に魔力を流すと、火が出る
水の出す魔法陣に魔力を流すと、水が出る
・魔法を使う方法③呪文
唱える呪文に魔力を流すことで、魔法が発動する
火の出す呪文に魔力を流すと、火が出る
水の出す呪文に魔力を流すと、水が出る
・魔法陣が大きくて複雑なほど、強力な魔法が発動する
・呪文が長ければ長いほど、強力な魔法が発動する
「この呪文に魔力を流すっていうのが一番難しいらしいの」
リンが吾輩の頭をなでながら言う。
呪文に魔力を流すとはどういうことなのであろうか。よくわからんな。
気合を入れて、叫べばいいのであろうか?
確かに、漫画やアニメでも必殺技を使うときは叫んでいたのである。
「『学院』では、その練習に体内の魔力を操作する練習をするんだって」
今度はリンは吾輩のアゴをこちょこちょしてくる。
ふにゃあ、気持ちいいのである。
……ではなく、その練習がリンの症状の改善につながるのであろうか。
魔力を体内に抑え込んだり、言葉に流したりするのであるか。
なんだか、やはり魔法は難しそうであるな。
この本はなかなか勉強になる本であった。
著者は誰であろうか?特別に吾輩が名前を憶えてやろうではないか。
そう思い、本の著者が書いてある部分を探す。
しかし著者の名前はかすれていて、最初の『ディ』の部分しか読めなかった。
まあいい、どうせ会うこともないだろうからな。
そう思い、リンになでられて眠くなっていた吾輩はそのままリンのベットで寝た。
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