3にゃ
水、水はどこであるか!
吾輩は水を求め、一心不乱に走り抜ける。
その時、吾輩の嗅覚がついに求めていたものを感じ取る。
これは川のにおいである。
そのにおいの方向に走っていくとそこには、小さな川が流れていた。
吾輩はそれを見つけるや否や、全速力で走った。
その川に自分の顔を突っこむ。
そして口の中の苦さをすべて飲み込むような勢いで水を飲み続けた。
にゃんじゃったんだ、あの苦すぎる実は。
あんなもの今まで食ったとこがないぞ、だましたな猫神様め!
心の中で怒りをぶつけていると、ふと誰かに見られているの感じた。
その視線の方にちらりと目をやる。
そこには吾輩のことをジーっと見つめる金髪の幼女がいた。
なんだ、この幼女は。なんで吾輩を見ているのだ?
幼女はおそらく人間でいう7~8歳、つまり小学1~2年生ぐらいだろう。
ところで、人間はなぜあの年齢になるとランドセルを背負うのだろうか?
どう考えても、体とサイズが合っていないのではないか?
吾輩が全然関係ないことを考え込んでいると、
「こんにちは!あなたはだぁれ?」
と幼女が話しかけてきた。
名乗ることはできないので、代わりにニャーと返事をしてやった。
「かわいい!どこから来たの?」
この幼女はアホなのであろうか?
今ので吾輩が人間の言葉が話せないのが、わからなかったのか?
とも思ったが、よく考えれば人間の子どもはいつもこんなものだったな。
仕方がなくもう一度ニャーと返事をしてやった。
こんな感じで幼女が話しかけてくるのに対し、しばらくニャーと返事をする。
その間に得られた情報はこうである。
・この幼女の名前はレベッカ。
・この森の近くにある村に兄と二人で住んでいる。
・村の名前は「クルーツ村」というらしい。
・今日は川に水汲みに来たらしい。
この話を聞いたとき、吾輩は明らかにおかしいことに気が付いた。
なぜなら吾輩がさっきまでいた場所は「コシガヤ」と言われていたはずである。
エサを求めて探し回ったときにも「クルーツ村」など聞いたこともなかった。
というか、まずこんな森はなかった。川はあったが。
一体、吾輩はどうなってしまったのだろうか……




