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プロローグ
むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがいました。
2人には子供が出来なく、2人だけで貧しいながらも楽しい生活を送っていました。
そんなある日、川で拾った桃や竹林で見つけた光る竹を割るとその中から小さな赤ん坊が出てきました。2人はすごく喜び、大事に可愛がったそうです。
その子供達は成長するにつれ類稀なる才能を開花させていった。
一人は男の子で、数多の動物と話すことができ、心を通わせることの出来る才能。
一人は女の子で、どんな男でも魅了し自分の虜にしてしまう才能。
その子達は順調に成長し、後世に物語が語り継がれるほど大きなことを成して、その後それぞれ平和に暮らしましたとさ。
めでたし。めでたし。
……あれから数百年。
現在、世界は何事もなく平和な時代を歩んでいた。
……はずだった。
「ここは……わしはホントに過去に来たのか?」
普通に、極力普通におばあさんと一緒にひっそりと過ごしていたはずなのに、なんでこうなった?