仕事場
「ここだよ。」
リビアに連られてやってきたのは、工事現場のようだった。
俺が珍しそうにキョロキョロしていると、
「気を付けろー!」
という声が聞こえた。
なんだ?と思い振り返ると、背高というかもう巨大な男だった。
「おー、ノーム。コイツだよ。名前は███。」
と、リビアが巨大な男に話し掛けていたので、コイツがリビアの言っていたノームか。
「よ、よろしく頼む。」
俺がギクシャクして言うと、
「…………リビア!子供だと聞いていたがここまでか?おかしいだろ。」
声が大きすぎはしないか?
「俺もそう思ったんだけどよ、シーが力には自信がある自信がある五月蝿いもんでさ、世間の厳しさってやつを教えておこうぜ?」
本当に自信があるのに…
「はぁ…ここは保育所では無いんだけどなぁ…」
だから自信があるんだってば
「まあ、よろしく頼むよ。」
自信が……………って
「リビア何処かに行くのか!?」
「あぁ、まあ、興味無いし」
正直すぎでは無かろうか?
「リビアはこれだからよォ…まあいい、えっと…」
ノームがこちらを向きながら言った、俺の事か、
「シーと呼んでくれ。」
「分かった。改めてよろしくな。俺はノーム。」
「嗚呼、よろしく頼む」
「まずはこれを運べ!」
流石に俺でもへばる量だ。さっさと帰ってもらいたいしな。これを持っただけで泣いて帰るだろ。と内心思いながらノームはシーに大きな袋を5つほど渡した。
しかしシーは別に驚くなどなく、
「これは?」
と聞いた。
「これはふつーに砂が入っている。砂は何処にでもあるが建築には大切だ。」
へぇ、と言ってシーは袋を丁寧に、棒に縛っていく。
とても独特なやり方で。
「それは…なんだ?」
ノームが何とも言えない変な顔をしながら言った。
「何がだ?」
「縛り方だよ。」
「普通だろ。」
「何処がだよ。」
とまあこんな風なやり取りを何回かやり終わったあとに全て棒に縛ることが出来た。
「何処まで運ぶ?」
「アソコだ。あの小屋みたいな建物の前。」
「分かった。」
そう言い放つとシーは棒と一緒に袋を持ち上げ、
走り出した。
凄いスピードで。
「はァァァァァァあ!?」
と言うノームの声は何時までも途切れなかった。
「やっほー。順調か?」
リビアが戻ってきた。
リビアやノームの予想、計画では、とっくのとうにシーが泣き、リビアを見付けたら泣き付いてくるだろうなどの物だった。
でも、違った
「おぉぉおおおおお!?シーお前凄すぎるだろ!?どうやって訓練してんだ!?」
ノームのデカい感心した声
「いやぁ…昔から重いものを持つのは慣れてるから…てか声がでかすぎるぞ」
冷静に言葉を返すシーの声
そこにあった光景とは…
シーは沢山の袋を持ち、
ノーム達は感心して褒めたたえている、
とても平和な光景だった☆