表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘れられない人が居る  作者: 双葉 あおい
1/7

序章 平和なこの村

はい。まあ、頑張ります。

「お前のせいだ!」

「何故ウチの子が死ななきゃいけなかったの!?」

「お前が死ねば良かったんだ!」

僕は顔をあげる。

見えたのは、戻れない過去について泣き叫ぶ愚かな人間共の顔だった。



鬼。

それは神が人間共の試練として生み出した、化け物。

そして、僕は、鬼と人間の間に産まれた、忌み子。




「なんで姉さんが!?」

「何故ウチの子は死んだのにお前は死なない!」

「罪人には罰を!制裁を!」

「「死を!」」

罪人?

僕が何をした?

僕は誰も殺してない。

罪人は…お前らだろ…

「静粛に!」

低く響く声が聞こえた。

その声が聞こえた瞬間、人々は黙った。

「皆の者!やはり忌み子(罪人)に罰を与えるべきなのか!」

「そうです!」

「罪人には罰を与えなくては!」

「王様!頼みます!罪人に罰を!罪人に死を!」

死……昔からそれが恐ろしい事だとは思った事は無い。

「良いだろう!もうそろそろこやつも死ぬべきだ!十分生かしたからな!」

は?

ただただお前らが俺を弄んだだけだろう?

俺は何もしていないのに、罰が与えられる。

じゃあ、そんな俺にブーブー言ってる人間(こいつら)は、何故裁かれない?

世の中は、理不尽だ。


何かが切れる鈍い音がした。

その後、忌み子が立っていた()は、間も無く赤一色となった。




目を覚ます。

ここは…どこだ?

周りを見回すと、何だか貧しそうな村であった。

俺は木でできたベットで寝ていた。

「天使様がお目覚めになったぞ!」

「天使様!」

訳が分からなかった。

「どういう事だ。」と、言おうとして唾を飲んだ。

そうだ、俺は喋れない。

「どうかされました?」

ダメ元で口を動かしてみた。

「ど…う……いう………こ…とだ…」

喋れた。

何故かはわからない。

でも確かに、喋れたのだ。

「嗚呼、天使様は記憶が有りませんか?」

「天使様のおかげで我々の村は救われました。」

んん?

「い…みが……分からな…いの……だが」

喋るのは久し振りだ。

だから変な間が空いているが気にしないでおこう。


どうやら、俺は転生とやらをしたらしい。

村人達が言うのには、突然俺が空から光をまとい降りて来た…らしい。信じ難いが。

すると、何ヶ月も雨が降ってなかったこの村に、雨が降ったというのだ。

俺から見るとたまたまじゃね?って感じなのだが。

この世界には能力者が居るらしい。

文字通り不思議な能力を使う者らしい。

そして、能力者は天使様とも呼ばれているらしいから、それで俺は天使様と呼ばれたのだろう。

俺も…能力者っぽい何かではある……うん……

馬鹿らしいが、俺が最初に考えてしまったのは、

「この村の人達も、俺が忌み子(鬼の子)だと知ったら、どうするのだろう。」

なんて、馬鹿げてる。

なんで…そんな事…


「天使様!私達はアナタの味方ですよ!」

どう言った意図で言ったのかも分からないこの言葉が、どうしても、気になって仕方が無かった。


その夜、俺は泣いた。

布団に包まり、泣いたのだ。

俺は馬鹿だから、自分がなぜ泣いたのか理解できなかった。

俺が泣いたら、雨が降った。

そう言えば、俺が泣いたら、雨が降るんだった。

それで、きっとこの村にも雨が降ったらしい。

なんで、俺なのだろう。

何故、俺が…………………………………………


「天使様!」

起きて最初に見えたのは可愛い幼い子供達であった。

笑顔だった。

歳を聞いてみると、5、6、8歳だった。

俺は自分の年齢がよく分からない。

村人にどの位だと思う?と、聞いてみたら12歳くらいだったので当分はそれを使おう。

でも、まあ、鬼は見た目はあてにならないからな。

本当はもっとずっと歳はあると思う。多分。


「そう言えば、天使様のお名前は?」

その瞬間、唐突な恐怖が現れた。

投稿遅いかもだけど許してくれ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ