Case 12-3
2020年7月17日 完成
2021年1月26日 ノベルアップ+版と同期
銃口から煙を吐き出すのはいつかの『Minomotoboshi』。
そして行方不明の筈の神出来が立っていた。
【同日同時刻付近 異能部部室前】
「大丈夫だ、一時的に気を失っているだけだ」
「そうですけど、先輩はどうしてここに
あっ、先輩のアドバイスちゃんと聞いてみました」
神出来が異能部のドアを使ってMinomotobosshiを帰す。
確かに『利用しろ』とは言ったが、これでは『主従関係』レベルである。
「それよりも今まで何をしていた!
砂高って奴がお前の事を……」
「あっ……バレちゃったんだ……」
神出来がバツの悪そうな顔になる。
だがすぐに真剣な表情に戻る。
「それよりも先輩
これ、全部読んで下さい!」
「何だコレは……」
「先輩たちを苦しめるEkaawhs……
C級に至るための『ピュラー計画』の資料です」
それは部長が言っていた目標そのものであった。
中身を検めたいが、エリスにコピーを依頼する。
数分もしないうちに全てが完了した。
「……うーん」
「……!! 涼音ちゃん!!」
三刀坂が状況に混乱したまま神出来のハグを受ける。
「いつか報酬は払う」
「そんなの結構です
それよりも約束してください」
「いつかでいいので
絶対に過去の記憶を取り戻して下さい」
それは誰の為に宛てられたのだろうか。
三刀坂が何かを呟く中、八朝が力強く頷く。
「それじゃあ私急いでいるんで!」
「待て!」
「追われているんです!」
「違う! 昇降口に行け!
第二異能部の仲間がいるから匿ってくれる!」
走り去った後で気付いたかどうかも分からない。
もう部室に入る必要は無いらしい。
「私達も……」
途端に密度の濃い霧が二人を分断した。
まだ続きます
今回はちょっと筆が乗ったかも




