Case 10-?
2020年7月16日 Case 10より分割完了
2021年1月26日 ノベルアップ+版と同期
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鹿室たちと別行動を指示された飼葉は、異能力発動の機会を伺う為に廃ビルから戦いの様子を眺める事にした。
相変わらずの大魔術の乱舞に化物の姿が次第に霞んでいく。
そう、もしも八朝が迎撃することを選んだif。
ワームホールじゃ間に合わないと悟った鹿室がお得意の自然災害で化物に速攻を掛けている様子である。
(ほう、あそこまでスムーズに放てるものなのか……)
鹿室の真の魔術は石の中に封じ込めた自然災害の顕現である。
ここ最近は天気が良く、魔術が限られているのにもかかわらず嵐の如き魔術が渦巻いている。
(成程、これが『異世界知識』か)
それは鹿室が八朝の『本当の能力』と語った異常現象。
彼に能力の欠点を暴かれてしまうと属性を無視して異能力を無効化されてしまう。
そしてその逆すら可能にしてしまう……
(救世主サマも八朝と知り合った3戦目後に途端に強くなったしな
こうしてみると奴も、我等が救世主様と同じく『異世界の住人』であろうな……)
そして次なる強化、魔術の無制限使用の中に化物が粉砕されていく
勝敗はもう目に見えていた。
(やはりあの二人は魔王……もとい我らの畜生化を根治し得る輩だ)
(今後は彼らに……)
だが、飼葉の野望はその数瞬後に脆くも崩れ去った。
(……何だ、妙に静かに……ッ!)
飼葉の周辺に巨大な雷が数発落着し、廃ビルを残骸の山に変えた。
「……は?」
妙に暗い地表に違和感を覚えて飼葉が空を仰ぐ。
あの明るかった星月夜が黒一色に塗りつぶされていた。
遠く、恐らく鹿室達がいるであろう方向は、先程とは比べ物にならない程の密度の雷が炸裂していた。
これが可能な存在は唯一つの災害を除いて不可能な筈である。
「馬鹿な……アルキオネⅢはまだ八丈島の筈だ!?」
今朝のニュースが正しいなら、アルキオネⅢは海上自衛隊と交戦している。
こんなところに存在するわけがない。
「……亡霊よ、確かに貴様はイレギュラーに違いないが」
その次に紡がれる言葉は、思念・それを生み出す脳もろとも焼き滅ぼされた。
無論、鹿室達も生きている筈が無かった
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DATA LOST
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DEADEND2 雷雨 - Thunder Storm
以上でCase 10、畜生化の回を終了します
因みにネームド(?)のキャラで同じ後遺症を持っている人が一人います
さて、『彼女』は今後どうなってしまうんでしょうか?
また薄々気付いた方もいるかもしれませんが
主人公の能力は、謂わば元世界の知識を用いた文化侵略と言っても過言ではありません
いずれその罰を受ける事になるでしょう
この世界では『善意』でも罪としてカウントされますので……
乞うご期待下さい




