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Page104-5

2021年11月18日 完成

2021年11月19日 ストーリー変更(アンドラス→■■■■)


 神社には目生(めのい)が待ち伏せていた。

 彼との戦いの中で遂に本音が零れ始める……




【5月3日(金)・夜(22:35) 水瀬地区・水瀬神社】




「気持ち悪いんだよお前!!

 お前の妄想で俺の瑠香を穢してんじゃねぇ!!!」


 彼の怒気を乗せた極級火属性魔術(フレアグラム5)が天地を貫く。

 それでも障壁はびくともせず、寧ろその乱打が命取りである。


「……錫沢(すずさわ)はお前のものじゃないぞ」

「うるせぇ、そういうことじゃねぇんだよ!!」


 何度も劫火が大地を焼き尽くす。

 だが障壁を破る事はできず、次第に彼の苛つきが許容量を超えていく。


「一つ忠告する

 お前の電子魔術(グラム)はそれだけじゃねぇ筈だ」

「他も使えってか? あんなへなちょこが通じ詰訳ないだろ!!」

「……そうか」


 完全に怒りで理性が吹き飛んでいるらしい。

 ならば悠々とある方法が実践できるかもしれない。


桃花曲脈(まがれ) 星辰起脈(わがめいうん)


 反閇で九星を順番通りに踏み締める。

 踏むことで星を封じ、以て四方の魔力を配下に治める。


 八朝(やとも)如きの賤しい血では周囲ぐらいしかできないがそれで十分。

 目生(めのい)がばら撒いた『火の魔力』なら攻撃として体を為す。


 後は、未だに至っていない鳴下神楽の秘奥。

 即ち魔力を吹き飛ばす『龍吼』


瀉血玄黄(いぶきとなせ)!』


 八朝(やとも)が星無き十踏目で集めた魔力を掌で吹き飛ばす。

 それは炎を伴った空気砲の如く周囲を『火傷』で包みながら目生(めのい)へ。


「……ッ!」


 電子魔術(グラム)しか使えない目生(めのい)にこれを防ぐ手段は無く

 全身に『火傷』を現す赤いシミを浴びながら膝から崩れ落ちる。


「そんな……!?」

「言っただろう、よく吠えるってな」

「意味が……分からんぞ」

「そう言うしかないだろ、この状況は」


 見事に『龍吼』によるカウンターを決めた八朝(やとも)は背を向ける。

 無論、こんな事の為に急いでいるわけがない。


 本当の敵の姿を視界の中心に収める。


「おい……まさか、もう終わりだと言わんよな?」

「……」

「待てよ! まだ終わっちゃいない!!

 ふざけんな!!! お前を殺すまで……ッ!」


 だが再発動した途端に染みから猛烈な熱を感じ詠唱(スペル)を止めてしまう。

 『裁きの劫火(フレアグラム5)』となるべき星が燃え尽きる様に夜闇へと消えた。


「クソッ! 何でだよ!!

 少なくとも俺の記憶の方が正しいだろ!!! なのに!!!」


「どうして……」


 彼の届かぬ正論は、最後に疑問へと変質した。

 それは間違っていても必死に走り続ける八朝(やとも)に感化してしまったのか。


 それを知る手立てはこの世から永遠に失われた。

 ただ、目生(めのい)は『怨敵』に向かって獣の如き叫びを上げるしかなかった。




【5月3日(金)・夜(22:58) 北水瀬地区・水瀬海岸】




「何だこれは……!?」


 最早音も消え去った筈の水瀬海岸に異形の存在が轟音と共に現れる。

 二柱の臣下と楽団を引き連れる炎の影……それは名も呼べぬ偉大なる王。


 西王の魔神・■■■■。


 そして階段下で鳴下(なりもと)が転がっていた。

 急いで駆け寄って情報を引き出さねばならぬ。


鳴下(なりもと)! これは一体……ッ!?」


 近づくとその魔神の脅威に晒される。

 湿気を含んだ砂の暴風は、触れた万物をいとも簡単に摩耗させる。


 恐らくはある地方で伝わる上位存在の力を借りているのか。


「……ちょっとヘマをしただけですわ

 呼び出す筈だった悪魔を『コレ』にすり替えようとして……」


 霊符の文様は『篠鶴機関』が使うシンボルマークと同一である。

 どうやら鳴下(なりもと)は『七災之壱(渡れずの横断歩道)』の罠を逆手に取ろうとしていた。


 即ち『魔神』の1柱を『篠鶴機関』とすり替えてこれを召喚。

 『篠鶴機関』は『巻き戻す前』にて『ミチザネ(アルキオネⅢ)』を重力圏外に放逐できた。


 彼等なら何とかなるかもしれないが

 これで篠鶴市には『七十一不思議』が溢れる事が確定した。


「だったら何故相談を……!?」

「……貴方、少し……忙しそう、でした、から……」


 そう言って鳴下(なりもと)の意識が切れる。

 あの時の余裕の無さが『記憶遡行』を招いたのだから遣る瀬無い。


 だが自分を責める前に今やるべきことを探す。

 辺りを見渡すと更に5人ぐらい横たわっている人物がいる。


 魔神はそれに手を出す訳でもなく

 己よりも遥かに強い『黒影』を目で追っている。


(今がチャンスと言いたいところだが、俺一人では……!)


 それでもやるしかない。


 戦闘不能の6人を海岸から撤退させ

 鳴下(なりもと)から引き継いだ『霊符』を魔神に貼り付けて更新する。


 そしてこれらを『ミチザネ(アルキオネⅢ)』が着地する1時間以内に。


「……ッ!」




◆◇◆◇◆◇




 識別名(ネーム) : IER408

  翻訳 : 天底に沈む交差点


 適合者 : 【現在のレベルでは公開されません】

  深度 : 15218749(シグナルレッド)

 結節点 : The_Rewot


 STR : ? MGI : ? DEX : ?

 BRK : ? CON : ? LUK : ?


  依代(アーム) : 不明

  能力(ギフト) : 不明

  縁物 : 生贄となった一番男




Interest RAT

  Chapter 14-e   再起 - Reset Status




END

これにてPage105、ゼロやり直しの回を終了いたします


いや、鳴下神楽が消えてない時点でゼロじゃねーじゃんと思いの方!

私もそう思いますのでご安心ください


更に目生くんがあっさりと負けてしまったのが疑問に思いますね

無論、生きているという事はこれからも出番があるという事です


彼が『丸前ルート』を辿るか、そうならないかは神のみぞ知る


次回は『星に願いを』となります

それでは引き続きよろしくお願いいたします


11月19日追記

今の主人公を追い詰めるのにアンドラスでは在来りすぎるので

更にヤバい奴をぶつける事にしました、よろしくやで()

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