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Page100-1:状態異常を操る能力(?)

2021年10月26日 完成(1日以上遅刻)

2021年10月28日 タイトル変更(Case→Page)


 『これは……!?』

 『成程、これが眷属の言いし『樹』であったか』

 『……』

 『汝の言いたい事も理解できる

  確かにこれは『均衡側(セフィロト)』とは言い難い、寧ろ……』

 『そんな事一言も言った覚えはないですよ

  これ危ないですよね、さっさと封印した方が』

 『それには及ばんよ、ただ……』


 『汝の『絶滅命令(ギフト)』が無に帰すかもしれぬな』




【TIMESTAMP_ERROR 磯始地区・弘治の隠れ家】




 状況1・『制限下での化物(ナイト)遭遇戦』

 味方に三刀坂(みとさか)、敵は『Minomotoboshi』と『Xamidimura』の連戦を想定




『Libzd!』


 三刀坂(みとさか)の序盤の動きをおさらいする。

 彼女の能力(ギフト)である『過重兵装(ノームズチェイン)』を使ったコンボは以下の通り。


 まず、地面に騎士槍(アーム)を刺す事で地震を発生させる。

 その後、今度は騎士槍(アーム)に虚数倍の重力を付加。


 まるで『前に落ちる』ように相手へランスチャージを行うというものである。


 相手が地面に接している限り、この地震を避ける事が出来ず

 『鈍足』で鈍った相手に最大威力を叩き込めるワンターンキル用の初動。


 故にこの想定では何らかの理由で最初の『地震』が不発になる相手である。


 『Minomotoboshi』は波動と呼ばれる未知のエネルギーを使った不接地戦闘。

 『Xamidimura』は鳴下神楽を用いた体捌きによる『回避』と『反撃』。


「……ッ!?」


 そして、八朝(やとも)にも『地震』の被害は等しく訪れる。


 この2つの敵と遭遇した『巻き戻す前』当時の自分ではどうにも出来ないが

 『座山挨星歩』がある今なら少しは耐えられる。


 それでも『鈍足』は避けがたく、対処完了後の状況では既に切迫。

 彼女のランスチャージが『防御』『回避』の餌食となり、命運は既に風前の灯。


 許されるアクションは僅か2工程。

 それまでに彼女の危機を解決しなければならない。


(最大の問題は三刀坂(みとさか)がもう退ける体勢にない事

 最大威力の代わりに反撃と防御の機会を失っている状況でどう支援するか)


 無論『あの時』のように自分の能力の覚醒は無いものとする。

 さらにエリスも『初速度変更(アクアグラム1)』の詠唱が完了し、変更は不能。


 相手の行動を『未然』にキャンセルする『拘束(digg)』ではもう遅い。

 不接地や体捌き主体の相手に『部分麻痺(pit)』による片足麻痺も効果薄。


 そして勝利寸前の相手に『幻惑(samek)』による脅しも効く筈はない。

 では一体何の状態異常(ギフト)を使えばいいのか。


 それは……


■■(bet)!』


 拡声器による『凍結(bet)』、即ち『行動制限』と『防御脆化』の状態異常。

 これなら三刀坂(みとさか)の攻撃を完遂させられるが、一つ問題点がある。


 即ち、そのまま使用すればこの『地震』と同じく彼女も巻き込んでしまう。

 それでは意味がない、残ったのが攻撃力ゼロの自分では『凍結』の旨味も無い。


 『凍結』の主体を音波から別の媒体に移す必要がある。

 それを為せる状態異常(アーム)は一つ。


■■(digg)!』


 待針(digg)を同時に取り出し、それで拡声器(bet)を刺し貫く。

 一見『凍結』を『拘束』するという意味のない行動に見えるが実態は異なる。


 まず『拘束』の対象は拡声器の『音波発生部分』のみである。

 これで『凍結』が無差別に広まることは無いが、同時に相手に当てれなくなる。


 そこに待針(digg)拡声器(bet)の間に細い糸のようなものが繋がる。

 即ち『王冠(Ketel)』から『知識』へのパス(bet)更に『理解』へのパス(digg)


 この二つは魔術的に接合が可能な組み合わせである。


『Vrzpyq!』


 電子魔術(グラム)により投擲した待針(digg)を加速させて相手に命中。

 この状態で拡声器(digg)のトリガーを引けば望み通り相手だけ『凍結』に掛かる。


 所謂『糸電話』の方式で対象を絞ったことで

 三刀坂(みとさか)にデメリット無しで『防御脆化』を引き渡すことができた。


 これで『Minomotoboshi』は撃破できるが『Xamidimura』相手には不可能だ。

 後者はこの『待針(digg)』の投擲すら回避の範疇に加えてくる。


 既存の依代(パス)を全て考慮しても『Xamidimura』の反撃を止められない。

 ならば……既存ではない依代(パス)を考慮するべきであろう。


(……均衡なる諸力よ(Kvkvby)英輔の間隙を照らせ(Ha_Gaml)


 僅か一つ目の考慮(めいそう)で答えに至ることができた。


 即ち『汚染(gaml)』というからには、その汚染源とは一体何か。

 そしてこの『汚染(gaml)』こそが『自分』を最も活用できる状態異常(ギフト)である事を。


■■(gaml)!』


 弓矢(gaml)を手にするが、矢を使えば先程と同じく回避される。

 だが、鳴下神楽によると『人を害せず魔のみ祓う』儀礼が弓だけで行える。


 即ち読書鳴弦、鳴下神楽では『龍哭』と呼ばれる弦打ちである。


「……!?」


 『Xamidimura』が薙刀(アーム)三刀坂(みとさか)の首を落とそうとするが

 その刃が大した抵抗も無く滑っていく様子に驚いたのだろう。


 『汚染(gaml)』とは八朝(やとも)の『ステータス』を相手に押し付ける状態異常。

 時限的に相手も攻撃力(STR)がゼロになってしまうという汎用性の高い効果。


 これにより『Xamidimura』の攻撃の無力化に成功する。


 その結果として三刀坂(みとさか)のランスチャージも不発になるが

 仕切り直しの機会が与えられたのなら次善ではあるが目標達成になっただろう。


 だが、残念ながら■■(gaml)は現在封印されている。

 これでは折角瞑想した意味が無い。




 次の状況に移ろう。




続きます

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