Case 85-5-1
2021年8月6日 完成(58分遅刻)
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八朝は退魔師に打ち勝つと選択する。
その為には残量ゼロでも妖精魔術が使えた根拠である『オーラ』が適任だ……
【3月13日(金)・夜八ツ(2:06) 『ウラ』・鬼里邸】
『■■!』
「気でも狂ったの!?」
既に相手は肉を潰す感覚の余韻に浸っている。
八朝は負けた、その事実に胸を撫で下ろした。
(さて、自然回復とやらがどう働くの……!?)
目を開けた鍵宮が驚愕で動かなくなる。
諸仏の力を狩り、人体は疎か鋼すら打ち砕く筈の一撃は八朝の顔に刺さったまま。
確かに歯と頬の内側をへし折った影響で血をしとどと垂らしている。
「やはり、魔力が見えないとはこういう事だったんだな」
「……ッ!」
急いで八朝と距離を取る、だが足が気持ちもたついている。
そして八朝は閉眼したまま猛然とこちらに襲い掛かる。
今度はこちらの動きを完全に把握したように一撃二撃、さらにもう一発。
「鍵宮の龍脈は体外にはみ出ている
そのせいで、見える範囲にいた俺達は無主物の龍脈と勘違いして見ようとした」
大地に力が及んでいないのか、魔術を発動しても何も起きない。
はみ出た龍脈が■■の魅了で制圧されているのも一つの原因。
最も強い要因が、彼女の魔術の発動方法である。
即ち『外界の魔力への作用』ではなく『身体強化の一環』だった事が災いした。
確かに後者の方が精度が高く、はみ出た龍脈で前者の魔術まで使用可能になる。
それを封じてしまえば、彼女は単なる身体強化の魔術師。
「では止めだ!」
遂水桃花、乙の歪曲と壬の挿入を以て龍脈を捻じ曲げる術。
灯杖も乗せた一撃が、彼女の龍脈全体を捻転狭窄させる。
無論、生活に支障が出ない程度で、それで決着がついた。
「はは、負けたよ……すごいね、キミ」
「そうでもない」
「でも、そっちは間に合わなかったみたいだね」
八朝の視界外で柚月の身体が崩壊しきった。
すでに柚月が居たところには何も無い、だがこれからが肝要である。
「見送らなくても大丈夫だったの?」
「ああ、約束したからな」
その言葉に『へぇ』と呆けた返しをする鍵宮。
そこに、気絶から回復した間割がやってきてこう宣告した。
「合格だよ、認めてやる
お前が今の退魔師だよ」
そう言い残して退魔師たちは去っていった。
そして入れ替わるように鬼里姉妹が駆け寄って来る。
「やったー! すごいね!」
「ええ、お見事でしたわ……鮮やかな代替わりで御座いました」
「……ちょっと待て、俺は代替わりを求めてはいない」
そもそも八朝がここに来たのは人間に戻るためである。
そしてその手段はただ一つ、退魔師たちとの勝負に負ける事。
「ええ、でも代替わりには違いありません
ささ、今日は遅いですし積もる話は日が明けてから……」
「いや、それには及ばない
今から紫府大星の霧に潜って、篠鶴市との照応を頼りに……」
そこで、漸く姉妹たちの困惑顔に気付く。
何かがおかしい……そういえば退魔師たちの気配の消え方が速やかすぎる。
「一つ……聞いていいか?」
「構いませんわ」
「間割と鍵宮はどうなった」
「あれ、もしかして知りませんの?」
「次代の退魔師に敗れた退魔師は速やかに消滅するって」
にんまりと、一箇がそう答える。
まずい……彼女から感じる気配は先程の退魔師と同じ……
「……退魔師に勝てた妖魔はどうなる?」
「一つと言いませんでしたか?」
「ああ、良く分かった」
そう言って一箇と距離を取り臨戦態勢となる。
困惑する黙々を他所に一箇が眼球を構える。
「あと、その方法……実にいい手段でありますが問題が一つ」
「妖魔は通れないって事か、それは紫府大星が……」
「いえ、妖魔でも行けます……ただ、退魔師だけは無理ですわ」
「どういう事だ?」
「退魔師はこの土地と運命を共にする
つまり、篠鶴市とやらに着いた瞬間、退魔師のあなたは絶命するわ」
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記憶遡行処理終了:Case85-5-1
Interest RAT
DEADEND■■ 幽閉 - Life Sentence
Return 1;
多分こっちへはどういうストーリーなのか確認する為に来たんだと思う
まぁ、予想通りの展開ということで許しておくれ
それと退魔師の二人がこっちに来れない理由が矛盾してます
Case31で辰之中に現れた彼女たちは一体なんなのか、無論これは一箇の嘘であります
でなくても表記にDEADEND、理由はお分かりですね?
天象はなくとも腐っても妖魔、そこに満身創痍の異能力者とくれば結末は決まってます




