Case 05-5
2020年7月13日 Case 05より分割完了
2020年8月7日 異能力情報を更新
2020年12月12日 ノベルアップ+版と内容同期
EkaawhsEdrumnは柚月によって瞬殺された。
麻痺毒になって動けない丸前を安全な場所に移し、八朝達はその場から立ち去った。
【同日・15時30分 市バス・最後席】
通路側から咲良、八朝、柚月の順で座っている。
この席順はあの大人しい柚月たっての希望であった。
即ち、咲良の隣は嫌だ、と。
因みに三刀坂とは少々会話を交わした後、一人で帰路に就いた。
そしてバスの中、八朝に心労が絶えない。
顔やら身体やら頭やらぺたぺたなでなでされながら、かれこれもう数分以上、つまりバスに乗って以来し続けている。
「頼むからもうやめてくれ」
「えー……だって、荷物持ちのお礼……まだだし」
因みにあの後はそのまんまモールに連れ戻され、買い物買い物昼ごはんに次いで買い物。
休まる暇すら与えられなかった。
あの騒動を起こした暴徒達は、そのままモール外につまみ出されたらしい。
脱水対策のスポドリと一緒に木陰に追いやられた。
『やっぱここ来て良かったね! いっぱい美味しいものあったし!』
「だねー。
あまーいお菓子で、ふうちゃんごまんえつー」
「は?
寧ろ恐ろしい目に遭ったんだが……?」
あの後丸前は柚月に恐れを為して逃走した。
恐らく、後に異能部にこの一連の出来事を報告するのだが、こんな荒唐無稽な出来事では与太話がオチであろう。
それにしても戦いに次ぐ戦いで頭の痛くなりそうな出来事であった。
ふと、頭に手で撫でられる感触が加わる。
「そう? ごめんねー」
「だから、頭は撫でないでくれ……」
隣でパシャパシャ音を鳴らしている。
RATに脅される材料がまた一つ増える音である。
そして何やら分けてね、とか聞こえ始める。
帰ったら本で消させてやろうと決意する。
「ふうちゃん、おもいだせた?」
「……まぁ、少々は」
「じゃあよかったー
ほんとうは、こんな危ないところに行かせたくなかったけど」
そもそも今回の買い物は咲良の提案から始まっている。
遅々として進まない八朝の記憶の手掛かりを探しに、記憶を失う前の八朝が特別に思い入れのある『空中交差点』に行く計画が立てられたのである。
結果としては榑宮市民や丸前の妨害に遭い、本命の場所に行くことは出来なかった。
だが記憶を取り戻す事に関しては部分的に成功している。
「いや、俺の為にここまでしてくれて……」
「ふうちゃん、それ以上は『やぼ』ってやつだよ」
少々舌足らずな咲良の返事が届いてくる。
そういえば生贄とは何の事だったのだろうか。
しかも今回思い出した内容は、ありとあらゆる人々からの罵詈雑言である。
一体自分は何をしでかしたのかと冷や汗をかいてしまう。
すると、右から小さな衝撃が入る。
すぅすぅと寝息を立てる柚月が八朝の肩を支えにしているらしい。
だが、直ぐに反対向きに傾く。どうやら割と大人しく寝れない質であるらしい。
ふと、柚月に手が伸びて……
「お、ふうちゃんもなでニストのお仲間?」
「……あっ!」
いつのまにか髪を撫でていたらしい。
どういう意味か分からないが、何故かそれが自然と言わんばかりに手が動く。
難しい顔をして、起きた時の言い訳を考えると咲良から茶化される。
「ふうちゃん。それ、もっと続けてもいいんじゃない?」
「んな訳あるか、起きた途端この世の終わりみたいな顔でビビられるだろ」
「んー……そうなのかなー……?」
咲良が不服そうな顔で頭を捻る。
確かにちょっと名残惜しいので、後一回は起きてくれない事を祈る。
「……今日は助けてくれてありがとうな」
『あー! あたしだって今日頑張ったんだよ!?
迷路になってる辰之中のモールを探し回ったのあたしだし!』
不服そうにRATが喚いている。
そういえばあの声は誰のものだったのだろうか……エリスのような、それでいて三刀坂にも似た声で……
「そうだな、多分助けられたと思うし、ありがとう」
『えっ……ちょ……待って待ってなんかふうちゃんがおかしい! 気持ち悪いよー!』
「えー……多分これがふうちゃんの素だと思うよー」
『やめてやめて!強面の男が優しいボイスでありがとうとかマジで合ってなくてキモいキモい!』
八朝の心は捨てられたティッシュのようにボロボロになった。
【TIMESTAMP_ERROR 南抑川・某所室内】
(どうして……?)
少女が呆然と今日の出来事を振り返る。
それは少女の中の正義を狂わせる出来事だったからだ。
最愛の彼の身体を無断で奪ったあの悪魔を許さない。
その身体で文字通り死ぬような苦労を犯している事実を絶対に許容できない。
なのに今回は死のうとしなかったのである。
(あの時灯杖じゃなくて輪を使う場面だった筈)
あの悪魔は窮地に陥ると『幻惑』の輪を使った囮作戦に出るのが普通である。
そして輪を犠牲に最愛の彼の身体を恥ずかしげも無く消費するのである。
それ程までに保守的な悪魔が、ある意味博打のような行動を選んだのである。
(どうして……どうして私なんかを強くしたの?
あの時相手の能力の異常さに気付けず犬死した私なんかの為に……)
あの時の忌まわしい言葉が蘇る。
『どうしてと言われてもな……
あの瞬間出来ると思ってアンタを助けただけだよ』
その出来るは元々彼のものだ。
お前の如き下衆が使っていいものではない。
それでもそう言い返す勇気のなかった私は『それでも放っておけば良かったのに』と呟く事しかできなかった。
『それは出来ない
いくら冷たい俺でも友達を辰之中で放置するような真似はしたくない』
記憶は無いが、と何か言っていたような気がしたがそれを無視して挨拶を割り込ませて別れた。
(友達……友達……
何でこんな酷い事を思っている私なんかを……!)
最愛の彼の身体を無駄遣いする悪魔げ、嘘偽りのない信頼を寄せて来る。
普段なら気持ち悪いだけのそれが、余計に心の中を酷く刺し貫く苦痛となってしまう。
それこそ身に覚えのない罪悪感に苦しめられながら、それから逃れようとそもそもの原因に思考を移そうとする。
(そもそもあの悪魔が彼の身体で浮気なんかをしようとしたから悪い!!
大体『Toy_Aim』さんの言った通りおろおろとして、しかも周りに女の子……を……)
そこで異質なものに気付いて身体の芯から震え上がる。
(『Toy_Aim』って何?
それに5月って、今は4月なのに……!?)
少女は布団を頭まで被りありとあらゆる存在から拒絶する。
恐らくは親友の■■■からの通話と思わしき着メロが鳴っているが外に出たくない。
明日何があったか説明するのも面倒臭い。
もう嫌だ
「助けて……■■君……!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
使用者:丸前巧
誕生日:4月12日
固有名 :Pnizzh
制御番号:Nom.187929
種別 :S・AQUAE
STR:2 MGI:1 DEX:0
BRK:2 CON:4 LUK:4
依代 :刀
能力 :水分削減
後遺症 :不明
■■■■■■■■ ■■■
■■■■■■■ 05■■ 暴徒 - Rampagers
END
これにてCase 05、丸前からの急襲回終了となります
7月13日現在投稿中のCase 12では彼のリベンジが着々と行われています
彼の能力はかの有名な■■をベースとしましたが、皆様には解けるでしょうか?
それに関する選択肢でCase 12がDEADENDに分岐することを今決めました()




