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Case 55-5-2

2021年3月2日 完成

2021年3月3日 誤字修正


 Case55-4にて②を選んだ方はこちらからお読みください


 エリスの最後の言葉を聞き、(ノード)保全を優先する。

 その代わりにエリスは……




【ERROR 篠鶴機関・防火壁】




『ザッー』


 余りにも呆気ない最後であった。

 それまでふよふよと浮かんでいたエリスがブロックノイズに巻き込まれ、消え去った。


「な……!?」


 エリスに何かあったのだろう。

 篠鶴機関のイーサネットに急行する。


 防火壁の織りなす迷宮を抜けた先に、赤と青の星が光るイーサネットに辿り着く。

 そして、その場に蹲る鳴下(なりもと)の姿も確認する。


鳴下(なりもと)、何があっ……」

「御免なさい」


 その手には、まるで血のようにべったりと引っ付いたノイズの群れ。

 急いで取り去ろうとすると、鳴下(なりもと)から制止される。


「これは私の罪ですもの」


 曰く、彼女の代わりにエリスが消去されてしまった。

 その寸前に全機能を鳴下(なりもと)に託し、作戦続行できるように整えてから……である。


「如何にもエリスらしいな」


 それぐらいしか言えなかった。

 八朝(やとも)もショックが大きすぎて、一瞬何もかも忘れそうになる。


 そして彼女から訥々と現状が語られる。

 あの赤と青のどちらかにDBがあるが、どちらかは罠である。


「なら(taw)を出して……」

「その必要はありませんわ

 エリスさんが最後に『赤の方は』って言いましたので」


 その言葉に納得する。

 そしてふらふらしている鳴下(なりもと)を支え、赤い星に手を触れる。


 その先には、先程と同じ真っ黒な空間が広がっていた。


「……ここのどこかに」


 だが八朝(やとも)達は1つの事実を見落とした。

 即ち『エリスが死んでから『黒箱』の攻撃がピタリと止んでいる事』である。


 それは攻撃者が『何らかの理由』で見落としているのか

 いや……もう『黒箱』を放つ理由が無いという事に気付くべきであった。


 時すでに遅し。

 出口の赤星が消えた瞬間に、自分たちが閉じ込められたことを悟る。


「な……そんなあり得ませんわ!?」


 鳴下(なりもと)が驚愕する傍で八朝(やとも)(taw)を展開する。

 霧の輪郭から歯車(het)(tet)焜炉(lamd)苗木(mem)の4つが見え隠れする。


 それは第五のセフィラにして、最も苛烈な性質を持つ『ゲブラー』を通るパスである。


(……嫌な予感がする)


 そして霧の中を雷が走る。

 それもまた■■(pit)のパスであり、大アルカナでは『破滅』を意味する『塔』に照応する。


 即ちこれは罠であった。


■■(alp)!』


 灯杖(alp)を取り出すも、一向に姿を現さない。

 そうしていると1つ、重く低い金属の響きが聞こえてきた。


「何だ鐘か……おい、鳴下(なりもと)一体どうし……!?」

「ごめんなさい」


 鳴下(なりもと)の様子がおかしい。

 歯の根が合わず、口を震わせながら、両目の焦点さえ合わなくなっていく。




「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめ……」




 唐突に自分の喉笛を切り裂いて死に至る。

 その瞬間に総毛立って、音のする方向に目を向ける。


 一人の人影、コツコツと。

 闇の中から現れたのは、自分と瓜二つの顔。


「な……に……!?」




『反省せよ』




 再び鐘の音が鳴る。

 すると、あらゆる記憶の扉が開かれる。


 隣人を殺した記憶、友達を切り裂いた記憶、見ず知らずの人間を拷問にかけた記憶

 女だろうが容赦はしない、子供は特に真っ先に狙うべき、苦痛は全て殺し損ない(生き残り)に置きに行く


 この島に悲嘆と憎悪を




 ……。


 …………。


 ………………。




 だが、何かが違っていた。


 柚月(ゆづき)を殺した感覚、エリスを見殺しにした後悔、友達が視界外で命を散らす地獄

 故意だろうが過失だろうがどうでもいい、全ては自分の愚かさから発した、今更嘆き悲しんでも無駄だ


 お前のやったことは、万死に値する




「あ……ぁ……」


 あの島で地獄を作り上げた記憶がどんどん上書きされていく。

 即ち、この篠鶴市で大切な人間達を無慈悲に殺していく妄想へと置き換わる。


 ああ、自分ならやりかねない

 その前に死んだ方がマシだ……




(Tiphereth)より袂を分かつ、(Netzak)の名は■■(nahs)

 即ち、汝は『青』となりて、我を縊り殺す『救済』なり』


 その後彼に襲い掛かったのはあるとあらゆる痛苦と病。

 胃が溶け、肺が引き裂かれ、腎臓が悲鳴を上げ、肝臓は熱塊となった。


 八朝(やとも)は絶命する瞬間まで、意識を手放す事を許されず

 その身に極大の苦痛を受けながら事切れた。




◆◇◆◇◆◇




 DATA_ERROR




xxxxxxxx xxx

  DEADEND 13   闥宣寔 - IER01 "DeltaLibra"




END

はい、こっちがDEADENDになります


というよりも『後の伏線』用と言った方が正しいです

ぶっちゃけると十死の諸力のリーダーが余裕ぶっている理由……


おっと、これ以上は語れません


今の所主人公たちは『かつての味方』が敵側についています

どういう風に解決していくんでしょうか


今しばらくお待ちください(約1週間以内)

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