Case 45-2-1
2021年1月7日 完成
※最後の文字化け部分は読み飛ばしてOKです
『アトラスの塔』の妖魔が姿を現し、唐突に八朝を『七含人』に勧誘する。
彼女の不穏な表情、全てにおいて信用に値しないと八朝が断じる……
【5月30日16時11分 地下迷宮・第三層広間】
「断る」
八朝は妖魔の差し伸べた手を振り払う。
だが妖魔は特に驚きもせずに捨て台詞を吐いた。
『今に後悔する事となろう』
「だからどうした?
妖魔の口車に乗って騙された方が……」
「だよね、いきなり現れて言うだけ言って一体あなたは何なのよ!」
三刀坂が合いの手を入れるように加勢してくれる。
それだけで背中を預けられるような安心感を覚える。
もう一度灯杖を構える。
『まだ抗うか……どこまで愚かだというのだ呪の樹霊』
「まず俺は呪の樹霊ではない
人に指図をするならキチンと名前を憶えてからにしろ」
八朝の脳裏に、この妖魔を倒す策を巡らせる。
既に『魔女』と『阿弥陀如来』の核が明らかとなっているこの妖魔にはある手段が有効であった。
(キミ……あの概念消去の力を使うんだね)
三刀坂の読心術めいた耳打ちに一瞬驚いたが話は早い。
『Isfjt!!』
今度は散弾タイプで能力を放つ三刀坂。
広い攻撃範囲に対応するために妖魔が大きめに距離を取る。
『汝を零と為す、『御来迎』は絶たれ、元の塵へ!!』
指定した概念を破壊する待針が投げ放たれる。
正しく理解した『御来迎』が対象なので、刺さればあの妖魔でさえひとたまりもない。
それこそ『巻き戻す前』でエリスを殺した■■の攻撃のように……
(あれ……?)
八朝は僅かな違和感を覚える。
だが、着地狩りを狙いすました待針の一撃が妖魔の心臓を貫く。
「やった! 一撃必殺!!」
「……死んだわけでは無いんだがな」
暗にダメージを与えられない自分の異能力を自嘲する。
数秒もすればあの妖魔の核となる概念が消え去り、戦闘不能になるだろう。
……。
…………。
………………。
……だが一向に何も起きない。
自分の無事を確信した妖魔が口元を歪める。
『ようやくか』
唐突に柚月が咳き込み、蹲る。
抑えた指の隙間から喀血が零れる。
「な……!?」
『言ったであろう、今に後悔すると』
妖魔は侮蔑と愉悦に蕩け切った表情で八朝を見下す。
皆が柚月のもとに駆け寄っているが、この妖魔から目を離すことはできない。
『ふうちゃん! これって……!』
「違う! 柚月の後遺症で喀血は起きない!」
『その通り、■の悪神はあるべき姿に還っているだけだ』
「あるべき姿だと……?」
『■の悪神は100年前に肺病で夭折した
……今生きているのは『神隠し症候群』に依るものと何故分からぬ』
八朝が絶句する。
目の前で高説を垂れている妖魔の言っている事が毫も分からない。
異世界転生のシステムが命を……
ふと、思い出す。
柚月の悪癖が『横書きが左右逆』だと。
「……柚月も……なのか!?」
『如何にも
しかし今更撤回は許さぬ……そうであろう、誠実な人間よ』
今度こそ妖魔が高笑いを始める。
そういう訳にはいかない。
人の命にたった数か月程度の名誉が釣り合う道理はない。
「い………………」
八朝が声を上げようとしたが、唐突に止まる。
あれ……?
俺は一体何を言おうとして……?
『『神隠し症候群』無き世界に、転生者の居場所は無い
速やかにその身体は元の持ち主へと召し上げられるであろう』
『だから遅いと云うたであろうに』
遠くで三刀坂の錯乱した叫び声が聞こえる。
もしも『巻き戻す前』というのも『神隠し症候群』の範疇であるなら、彼女も例外ではない。
八朝と同じく記憶が壊れていく恐怖に狂ったのである。
「な、貴方……一体何が……!?」
鳴下が俺を指して何かを言っている。
自分の今の状況を確認しようと両手を見つめようとするが、『手』とは一体何なのだ?
『謌千ィ九?∝測縺ョ讓ケ髴岩?ヲ窶ヲ雋エ讒倥?霎ー荵倶クュ縺ョ菴丈ココ縺ァ縺ゅ▲縺溘°縲ゆシシ蟋ソ縺ョ繧ク繝ウ繧ッ繧ケ縺梧ー励↓謗帙¢繧九?繧よシク縺剰?縺ォ關ス縺。縺溘?』
「荳?菴薙≠縺ェ縺溘?菴輔r險?縺」縺ヲ縺セ縺吶???シ」
『蠕ョ蝪オ繧ゅ♀縺九@縺?→諤昴o縺ェ縺九▲縺溘°?溷・エ縺ョ蠕碁⊆逞??∵怙譌ゥ螂エ縺ョ荳肴ュサ繧呈?繧顔ォ九◆縺帙k隨ャ莠後?逡ー閭ス蜉帙→縺ェ繧頑棡縺ヲ縺ヲ縺?◆窶ヲ窶ヲ謌千ィ区?遞九?∬セー荵倶クュ縺ョ菴丈ココ縺ァ縺ゅl縺ー遒コ縺九↓豁サ縺ェ縺ャ縺ェ』
ついに人語まで理解できなくなる。
あの転生した瞬間に逆戻りしたようである。
『ふうちゃん! 消えないで!!』
そうだ、俺は八朝風太。
鷹狗ヶ島生まれの異世界転生者で、自分が死んだ瞬間の記憶を探している。
何度も自分を確認するように心の中で情報を口にする……
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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
DATA_ERROR
// 妖魔風情がやってくれたね?
xxxxxxxx xxx
BADEND 2i 諢夐? - Iweleth
続きません
残念ながら、七含人になるしかありません
そしてそれは更なる地獄の扉を開ける事になります




