表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
215/582

Case 39-6-2

2020年12月9日 完成

2020年12月27日 細部修正



 八朝(やとも)達を危機から救ってくれたあの人影。

 もう見失いはしない、二度目の正直に縋るように八朝(やとも)が走り出す……




【Chapter 29-b → No_DATA】




 八朝(やとも)が我を忘れて来た道を戻っていく。

 その後ろには鳴下(なりもと)はおろか、エリスさえも来ていない。


 あの異能力は『巻き戻す前』を知っていない限り使用不能な筈だ。

 だったら、何故あの時無言で『覚えていない』と返した?


 その理由が聞きたくて後を追うように駆けていく。


 やがて赤い壁が見え始める地点で人影を目撃する。

 その、踊るように跳ねるポニーテールは間違いなく三刀坂(みとさか)のものである。


三刀坂(みとさか)!!」


 呼びかけると、人影がピタリと止まる。

 肩で息をしている八朝(やとも)の方を向く。


「どうして、来ちゃうんだろうね……?」


 それは八朝(やとも)にも、三刀坂(みとさか)にも係る言葉であった。

 その事実として三刀坂(みとさか)がうっすらと涙目になっている。


「私……八朝(やとも)君とちゃんとお別れできたのに……

 どうしてだろ……キミにはちゃんと自立してから改めて会おうと思ったのに……」


「当たり前だ……あんな終わり方があってたまるかよ!!」


 あの巻き戻し前にあった創造神からの拷問を思い出す。

 彼のご機嫌の為に自分たちに芽生えかけていた絆をズタズタに引き裂かれたのである。


「そうじゃないよ

 私……わたし……!」


 そんな三刀坂(みとさか)を抱き寄せる。

 突然の狼藉に一向に拒否する様子が無い……間違いなく彼女も『覚えている側』であった。


「もういい、帰ろう

 それでまた始めよう」


 そこでタイミングよくエリスと鳴下(なりもと)がやって来る。

 ある程度の事情を説明すると、鳴下(なりもと)が目を丸くしながらも納得する。


「本当に『巻き戻す前』というのは存在しましたのね……」


 ここにきてようやく確信に至ったらしい。

 だが、それを心の底から痛感するのは地底探検部部室へと戻った時であった。


「ぐ……ぁぁぁぁあああああああ!!!」

『ふうちゃん!?』


 まず、八朝(やとも)が頭痛で蹲る。

 今までで最も苦しい頭痛……その先に得た記憶は何もない。


 それどころか、ここに来た理由が朧げになっていく。


(あれ……?

 何故俺はここにいるんだ?)


 そもそも今日は、と思い浮かべようとして見知らぬ人(地底部部長)に声を掛けられる。


「大変だ八朝(やとも)君!!

 今すぐこの街から離れないと……」


 それを聞いた八朝(やとも)の反応が鈍い。

 それを察した鳴下(なりもと)が窓口を引き受ける。


「何が起きたのですの?」

「そうか……じゃあテレビを見てくれ」


 そういってテレビの電源をつける。

 普段の放送の枠を圧縮し、それでできた外周部に文字の情報がひっきりなしに流れる。


 やがて、テレビ番組がニュー種番組に強制的に切り替わる。


(まさ……か……?)


 八朝(やとも)が、ついさっきまで保持していた記憶の断片から直観する。

 これは繰り返し……彼女と然るべき時を待たずに再会するのを創造神が静観するわけがない。


 だが、その記憶も急速に褪せていき単なる妄想じみた直感だけが取り残される。


 そしてその答え合わせをナレーションが代弁した。


『本日未明、突如復活したミチザネ(アルキオネⅢ)の雷雲域により海上戦力の50%が崩壊

 その後、ミチザネ(アルキオネⅢ)が浮上を開始しまし……たった今落着予想地点が算出されたと作戦本部が会見しました』




『5月23日10時11分……篠鶴市北方沖2km地点』




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 TRANSACTION_COMMITED




xxxxxxxx xxx

  Chapter 14-a'   鉢頭摩 - The Scourge




END

今回はバッドエンドではなくAルートへの分岐となります

その整合性の為に主人公の記憶が消し飛んだという事なのですね


実際にはあのタイミングで休息を取らなかった場合

化物の洗脳の残り香で記憶が破壊されるので、ある意味では筋書き通りです


そしてこの後のルート分岐なのですが

残念ながら重要なフラグが立っていないので、ある時点でデッドエンドが確定します


それがどの分岐になるのか探してみるのもいいでしょう

因みに私は是が非でもお断りします


44万字から探せとかそんなご無体な……()


勿論Case40も執筆中であります

気長に明日の22時までお待ちください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ