Case 29-3-1
2020年10月10日 完成
2020年10月11日 誤字修正
Case29-2にて①を選択した方はこちらからお読みください
墓標の火の雨まで秒読みとなる。
先んじて彼の動きを止めるために■による『流失』を狙う……
【5月20日11時50分 集合海・『ロゴスの大樹』】
『我と袂を分かつ、汝の名は『■』!
無明を揺蕩う二十二の呪いなり!』
八朝が墓標の後ろに隠していた輪の幻影にさらに重ね掛けを行う。
これで輪は事実上透明状態となった。
後はこれで墓標の身体に触るだけである。
(間に合ってくれ!)
視覚情報を輪の方へと移し、全速力で駆ける。
『Immofa be baqrqdj / Sptrhe jw dhnomu / Ocufuvdm ai jmthjqax』
『Hpnaswbit!』
それに少し遅れて三刀坂の障壁魔術が完成する。
だが、万全な時に放ったものと比較して薄い……これでは本当に防御の体を為していない。
「その程度の守りで防げると思ったか!」
墓標が煽るような言葉を叫ぶ。
声音の中に『嘲笑』の色が見られない……彼もまたギリギリまで八朝達を殺すのに躊躇していたのだ。
だが、それが致命的な隙となった。
『Dwon……何!?』
いつの間にか墓標が幻影の八朝に拘束されている。
そして、望み通りの現象が発生し始める。
「な……『混同』が解けていく……」
調停の小径に触れた摩利支天の蜻蛉が形を失い消滅していく。
吸い損ねた上級火属性電子魔術の破壊光線が明後日の方向に飛んでいく。
これで、戦いは終わったのである。
「……だからどうしたというのだ?」
墓標がそう呟くと、その場にいた蜻蛉の全てを一点に集め自壊させる。
それと同時に蜻蛉の死骸である『光』が冠水を全て蒸発させ、尚もその威力を際限なく上昇させる。
そして幻影を懐から出した蜻蛉で『簒奪』する。
「そんな……」
三刀坂の絶望に満ちた呟きを聞いてしまう。
それだけで八朝の戦意も底をついてしまう。
「安心するがいい
汝らは『苦痛』すら届かぬ刹那の間に葬ると約束した」
「さようなら、だ
我が最愛なる『家族』達よ」
そして墓標が自身の能力で蜻蛉の中へと『簒奪』される。
蜻蛉と八朝と三刀坂が万物焼尽の光に呑まれ、彼の宣言通り1ミリ秒以内に蒸発した。
そして、死骸となった光の中から墓標が降り立つ。
しかし、罰則によって意識の大半を刈り取られる。
「……ならぬ!
何としてでも……何としてでも……」
まるで死んだように動かない身体を、気合だけでコンソールまで這わせる。
操作を終了したときにはもう視界の70%が闇に落ちている。
その眼の中で、大樹の洞に安置された『赤い結晶』をこちらに移動させる。
「……これで、汝らは『転生』する
アルキオネの鱗……ロゴスの大樹の『本性』によって!」
コンソール上で『実行』を意味する操作を終了させると、彼の身体があの血だまりに変じた。
だけではない……ホログラフに映る外の篠鶴市でも異能力者が次々と血だまりになる怪現象が進行する。
<Angelus Lithion>
<Phase1:78% Complete>
<Phase2:31% Complete>
<Phase1:Complete "PowerCold is Eliminated">
<Phase2:99% Complete...>
<Warning! Critical Error!>
<0x00ac:Not Accepted from "ENIAC">
<0x00f7:Ilegal Process Runnning>
<0x00ff:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■>
<Accept>
<"Rain Boa" is Activated>
<"Δευκαλίων">
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■■■■■■■ DEADEND9 最終措置命令 - Deucalion
はい、これにてAルートを終了いたします
実際にこれもこの物語の一つのエンディングという位置付けとなります
この場合は『最終措置』によって篠鶴市が地図から消滅します
何故こんなものが仕掛けられていたのか、少なくともこれは『墓標』の手によるものではない
その真実もまたこの物語の鍵の一つなので、これからの物語で明らかになっていきます
ひとまずは、ここまでちゃんと読んでいただき誠にありがとうございました
引き続き、読む気力がある方は今後も続きますのでよろしくお願いいたします
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