Case 25-5-2
2020年9月27日 完成
Case25-4にて②を選択した方はこちらからお読みください
七殺の心臓を止め、辛くも勝利をもぎ取った八朝。
だが、その代償として彼の身にも心臓麻痺の呪いが降りかかり、再起不能の状態に陥っていた。
【5月19日20時31分 磯始地区・隠し通路？】
（駄目だ……今の七殺に近づいたら……！）
八朝が魂を振り絞り、小人を止めようとしても身体が一切言う事を聞いてくれない。
そんな間にも小人が七殺の傍まで来てしまう。
彼は七殺のわずかな表情の変化に気付いていた。
あの顔は笑い顔……それは快を表す表情であり一般的には良いイメージのものである。
だが、あんな歪んだ状態での笑顔とは一般的な笑顔とは違ったものであると知っている。
より原始的な快楽……即ち肉食獣が手負いの獣を見つけた時のような……
『ありがとう……聖堂』
その言葉と共に小人の首が吹き飛んだ。
そのフィードバックなのか三刀坂の本体が七孔からしとどに血を流す。
その目から輝きまで失われる。
「ぁ………………ぁぁぁあああああああああああああああ！」
八朝が無我夢中で七殺を殺そうと走る。
先程蹲っていた時に拾った『死体漁り』を手に、あの憎き化物に目掛け狙いをつける。
「■！」
イメージも固めないまま放った■は花火筒の形ではなく、今まさに爆発した花火の形をとって八朝を吹き飛ばす。
火花が『死体漁り』に当たり、衝撃波を撒き散らしながら七殺へと向かう。
……だが、彼の覚えている限りはここまでであった。
何故なら『死体漁り』ごと八朝の両目と首が断ち切られたからである。
即死を免れたのは何の因果であるか……
『さて、偽物も殺したし
残りはあと二人』
肉の立ち切れる音と血飛沫が水面を叩く音だけが聞こえる。
せめて自分のであって欲しいと願いたいが、そういう訳にはいかなかった。
『待っててねふうちゃん！
次は……次こそは……！』
そして七殺が塞いでいた崩落現場を切り刻みながら進んでいく。
彼女の沈降帯から外れると、２つほど死体が地面に倒れ込む音が聞こえる。
彼らは知らない……
その後七殺は墓標を微塵切りにして殺害し……
数日後、篠鶴機関長が『第3射』を放つまで篠鶴市に信じられない程の死傷者を出したことを……
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■■■■■■■ BADEND6 執行 - The Decollater
ええ、こうなります
不幸なのは、前回（Case25-5-1）『カマイタチ』が大きいと形容される『アルキオネの鱗』をドロップしたことです
彼女は実質『顕現級』と言っても差し支えがありません
因みに篠鶴機関にサラっと討伐されていますが
他の異世界転生モノと異なり、あの後彼女は別の世界に転生できませんでした
まぁ、そりゃあ……ねぇ？
それでは今度こそ次話もお楽しみください
