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無視ゲーム

作者: 和田樹里

―――キーんコーンカーンコーン…

チャイムがなった。

ガラッ

制服を着た女が静かに教室に入って来る。

「ふー…セーフ…」

先生が教室に入って来た。

「おはよ、真紀。」

千秋がわたしにあいさつした。

「おはよう、千秋。」

あいさつ仕返すと、千秋は驚いた顔をした。

「え…!?真紀…!?」

クラスメイト、そして、先生までも驚いてわたしを見ている。

何これ…。どうなってるの?

あれ?先生、怒ってるのかな…。机に座って、ただ単に黙っている。

30分経った。授業が始まる気配はない。

「あのー…先生、授業…やらないんですか…?」

…え?先生もわたしを無視した。

クラスメイトもだ。

教室にいる全員がわたしのことを無視している…。

もしかしてわたし、いじめられてる?

ううん。そんなはずない。

千秋はわたしにあいさつしてくれたもの。

「ねぇ、千秋…。」

千秋はわたしを無視した…。

「ねぇ!!」

千秋はやっぱり、わたしのこと…無視…してる…。

先生がわたしを見る。

「二宮さん。」

「はい…なんですか?」

先生はまた驚いた顔をした。

コツコツ…

先生が来る。わたしの腕を引っ張る。

え?何なの?

教室を出て、準備室に連れて行かれた。

準備室のドアを閉めると、先生がやっと口を開いた。

「何やってるの!?無視しなくちゃだめじゃない!」

「え…?」

「あなた…もしかして、ゲームについて教えられてないの!?」

「はい……。何も聞いてないんですけど…。」

「いい?これは『無視ゲーム』よ。誰かが言ったことに対して絶対に無視しなければならない…。もし答えてしまったら…」

「答えてしまったら…?」

「…わたしの口からは言えないわ…。とにかく、無視しなさい。今までのはルールを知らなかったんだから、仕方ないわ。今からは、ルールを守らなくちゃだめよ。…絶対にね……。」

わたしと先生は教室に戻った。先生は無言のまま黒板に字を書いた。

『ゲーム再開』

「ねぇ真紀、あんた知ってる?昨日起きた事件。」

千秋がわたしに話しかける。

…千秋を無視するなんて、気が引けるけど、ゲームなんだから仕方ない。

わたしは千秋を無視した。

…それにしても、事件って…わたしの家の裏にある公園で昨日起きた殺人事件のこと…?


千秋はおかまいなしに話しつづける。

「昨日起きたあの殺人事件の犯人…わたし、知ってるのよ。」

わたしは相変わらず無視。千秋は無視されてることなんて関係なしに話す。

「犯人はね…真紀のお母さんよ…。」

「え!?」

わたしは返事をしてしまった。

先生がわたしのことをすごい顔で睨んだ。

あ…返事をしてしまった…。

でも、ゲームなんだから、そんな…。

グイッ

先生がすごい力で腕を掴んだ。

そのまま先生に引きづられて、わたしと先生は屋上に行った。

「先生…」

「ごめんなさいね、二宮さん。でも、これは仕方ないことなのよ。ゲームのルールなのだから…。」

ドンッ

わたしの背中を先生が押した。


ふと、目の前に地面が見えた。

そのままわたしは、地面に向かって落ちていった…。



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― 新着の感想 ―
[一言] 読みやすかったし、おもしろかったです。ただ千秋が真紀の母が犯人といったのは千秋のワナですか?
[一言] 続きをお願いします。すごく面白かった。単純なことでスリルがあった。
2008/10/06 12:20 退会済み
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