Unknow
駐車場に続く扉を開けた瞬間
「うぐっ.....」
「!?」
体が動かないほどの威圧が翔たちを襲った
「なんだ!?この威圧は!」
「あいつの威圧なの!?」
そこにいたのが討伐目標
全身はやや紫がかった黒い甲殻に覆われており、
頭部は俗に言うエイリアンのような形状をしている
「これは、今まで殺してきた中で一番
厄介な奴だな」
その禍々しい化け物は体を丸めて眠っていた。
よく見ると傷があり軍たちとの戦闘で
傷を負い、休んでいるといったように思える
普通、敵に追い詰められたなら
むやみに寝ることなどはない。
いつ敵に襲われるかわからないからだ。
例えば狩人が獲物をある小屋に追い詰めたとしよう。
獲物は小屋に他に出口がないか探すが
それがないとき、獲物は警戒心を高め
いつ襲われてもいいように備えるのだ。
例え傷を負っていても。
しかし、この黒い化け物は
出口探さず、寝ている。
全く警戒してないのだ
つまり、化け物は追い込まれたのではなく
戦闘に疲れ、休んでいるだけなのだ
これをチャンスと見た翔たちは
駐車場のあちこちに罠を仕掛ける
「トラップ設置完了」
「A1こっちもOKだ」
「わかった、厄介な相手だから真面目にやってよ」
「ちょとまて、やりたいことがあるんだが」
「何する気」
「先制攻撃さ」
翔は拳銃を取り出し、化け物に向かって一発
撃つ (パンッ)
キンッ、化け物の翼にあったが弾は入らなかった
「あちゃー、やっぱ効かないか普通の銃じゃ」
「そう言ってたじゃない、なに?バカなの?」
「バ、バカじゃねえし、どんな反応をするか試したんだ!」
「バカな事言ってないで、早く準備しなさい」
そう言ってA1は左腕を前に出す
「風月」
紫色の光がA1の手のひらに現れ一本の刀に変化した
鞘から刀を抜き両手で構える
「まぁ、そう怒んなって」
左腕を左に出して
「雪華椿」
白い光が現れ光が刀状に変化しそれを
包むように空色の光が回る
それが頭まで行くと
光が分散し一本の刀となった
「そんじゃ、起こすぜ!!」
刀を抜き、斬りかかる
ピシッ
化け物にひびが入った
「あれ?」
「!?翔!下がって!」
1,2ステップで下がった
顔をA1に向けて
「これ、もしかしてもしかするとアレですか?」
「そう、もしかするとアレね」
「じゃあ、こいつは疲れて休んでるんじゃなくて」
「進化するためにここに籠ったとういうことになるわね」
化け物が体を動かす、先ほどの一撃で起きたのだ
『誰ダ、我ノ眠リヲ邪魔スルノハ』
化け物が喋った
「喋れるのか、化け物って」
「さぁ?でもこいつは喋れるんじゃない?」
バキバキッ...頭に入ったひびがやがて全身に入る
化け物は起き上がると姿勢は低く不気味で、
まるで人型の化け物が四つん這いになったかのような
改めて見ると大きい
「お前、何者だ」
『我ガ名ハ、ディアブロス、魔界ヲ君臨セシ者
次ナル魔王だ』
「魔族!だと、」
二年前に魔族の出現が止まった
原因がわからなかったが
勢力が減ったので人々は喜んだ
だが、それは魔界でこのディアブロスが支配していたからだった
「待って魔族なら、エボルブは持てないはず」
『我ガイツ、魔族ダト言ッタ』
ピキッ...全身が割れる
進化が終わったのだ。
「グオォォ!」
そしていきなりブレスを放つ
「ちっ」
A1と翔は左右に避け距離を詰める
翔は下から右払い、A1は高く飛び上から斬りかかる
ディアブロスは右前脚で翔を殴り飛ばす
そして、A1に翼を斬らせて着地したところを尾で振り飛ばす
「アハハ、いや~強いね一撃がこんなに重いとは」
笑いながら苦しそうに立ち上がる
「A1、生きてるか~?」
「何...とかね...」
真剣な顔になる
重い俺はまだ行けるだけど、A1は立てるのがやっとみたいだ
遊んでる場合じゃないな、仕方ない
はぁ、とため息をつく、前を向いてこう叫ぶ
「ザキエル!」
翔の周りに青い光が円状に広がった、魔法陣
魔力を解放したのだ
「A1!遊びはしまいだ」
「はぁ!?遊んでたの?」
いつか痛い目にあわすと読み取れる目で翔を睨む、翔はその目線を見なかった事にした
「す、少しだけ...な」
シュン、と魔法陣が縮んで消えた
A1は翔のもとに駆けつける
「それで?何か作戦ができたの?」
「いいや、作戦は出来てない、でも...
ちょっと確かめてくるわ」
「え?」
雪華椿を構え、化け物に向かって走り出す
「グオォォ」
化け物は右前脚を上げて向かって来る翔を潰しにかかる
「よっと」
だが遅い翔はもう左側に避けている
そして、化け物の左翼に斬る...化け物は動かない、
やっぱりわざと斬らせてから攻撃するんだ、どんだけ硬いんだよ
まぁそれが分かればいい、雪華椿を消すそれから瞬時に別の剣を出し
横腹を斬る、柔らかい、血はそんなに出なかったが、ダメージは入った
「グワアァァァ」
『貴様、我ニ何ヲシタ』
ディアブロスは見ていた翔を叩きつけるために
しかし翔が持っていた刀が光となって消え、同時に左手に別の剣が現れ
それで腹を斬った、なぜ刀が消え、新たな剣が現れたのかディアブロスには理解できなかった
「ただフェイントをかけただけさ。それよりこっち見ていていいのか?
お前を相手にしているのは俺だけじゃないんだぜ?」
『ナニ!?』
A1がいることを忘れずに!と心の中でそう思った
ディアブロスがA1がいる方向に向くと目の前にいた
まるでこちらに向くのを待ってたかのように
「はっ!」
刀を化け物の右目に突き刺した、雄叫びをあげA1を振り払う、刀は目に刺さったままだ
A1は態勢を整え、すかさず走る化け物顔に向かって飛びつき右目に刺さった風月を引き抜いた
同時に翔は距離をとり銃を抜き撃つ、左前脚に命中、貫通した、だが
「グハッ!」
尾による薙ぎ払い、気付いていたが反応が追い付けずくらった
駐車場の奥まで飛ばされた、ちょうどいい、剣をしまいライフルを取り出す
横に移動しながら撃つ効くかどうかはわからないただA1から注意をこちらに向けさせて隙をつくる