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第三世界トラブルツアー~世界すくってほしいんだけど?~  作者: もろよん
異世界ダンジョン編
102/110

EP98 聖☆イマジン学園より呪いを込めて

風邪引かないようにね。寒いし。

 「はぁ・・・・・・」


 夕日の差し込む校舎の中、授業はもう直ぐ終わり惟から各々帰宅するなり部活動へと向かうなりそれぞれ目的を持って動き出す放課後、ベラ・ジェニーはとても退屈そうに溜息を付いた。


 (只学校で勉強してお家へ帰るだけ、つまらないなぁ)


 ベラは学力は上の中、進学するにも就職するのも思いのままになる様なレベルではあったが、それも又彼女の退屈さを増幅させる要因でもあった。何をやっても平均以上、適当にやっても賞を取り、天才の名を欲しいままにしてきたベラ。時にここから誰かが私を連れ去ってくれたら人生は代わるかも知れない、そんな妄想すら飽き飽きする程繰り返されてきた。しかし現実は早々波乱が起こるようなことも無く、穏やかな日々が続いていた。


 「ベラ・ジェニー!居ますか?ベラ・ジェニー!」


 授業を切り裂く鋭い女性の声が教室に響き、教室の中は一時騒然となるが、その声の主が教室へと入ってくると水を打った様に静かになり、声の主に注目が集まる。


 「はい。理事長先生此処に居ます」「その様ね直ぐに荷物を纏めて付いてきなさい。今すぐよ!」


 予想を遙かに上回る切羽詰まった様子に教室は緊張感に包まれ、彼女が何かしでかしたのかとヒソヒソと内緒話を始めるクラスメイト達。只ならない気配を感じた教師は教壇を叩き、生徒達を静めるとベラを促し彼女を教室から追いやった。


 ベラはその時教師の眼鏡の裏に光る物を見た気がしたが、確認する事は出来ず今度は理事長に引っ張られ駆け足で理事長室へと駆け込んだ。


 理事長室には何故か校長であり、自分の母であるマリア・ジェニーが居て、本来理事長のデスクが在ったはずの場所に佇んでいた。


 「マリア・ジェニー、連れてきましたよ。急ぎましょう」


 「えぇ。お姉様、さぁベラ。このサークルの真ん中に来なさい」


 理事長室には本来大きなラグマットが敷かれ、その上にテーブルやソファーがあったはずなのだが、其れ等も全て無く只剥き出しの床に赤い光で不思議な模様が描かれていた。ベラはそのサークルの中央へと手を引かれ、母と共にその中に立つが、何が起こっているのかは結局未だ分からないままだった。


 「ベラ・ジェニー、貴方が次のマリア・ジェニーになるのよ」


 「え???」


 「質問は後、さあ行きましょう」


 「えぇ、後の事は私にお任せ下さい」


 「お願いね、お姉様。皆を一人でも多く・・・・・・」


 言葉は最後まで伝わらないまま、二人は巨大な神殿が聳え立つ洞窟の中へと転移した。


 「お母様此処は・・・・・・?」


 「此処はコアルーム、私達ファントムをこの世界に縛り付ける呪いの装置」


 「呪い・・・・・・?ファントム・・・・・・?」


 「ええ。まずは進みましょう。何が起こっているのかはそこで分かるはず」


 二人は神殿の中へと飛び込み、煌々と青い光を放つ巨大なクリスタルを見上げ、只ならない気配を感じ取った。


 「何なのこれ?凄い光ってて眩しい」


 見たままの感想を述べるベラだったが、そんな光をものともせずクリスタルコアの元へと進み、手で直接触れたと思えばそのまま光はゆっくりと収まり、クリスタルの中で再び何かが飛び出そうとしているかの様に荒れ狂っている。


 「ベラこっちに来て」


 「う・うん」


 ベラは導かれるままにクリスタルへと手を触れ、クリスタルの中に荒れ狂う光がベラと混ざり合う様に溶け込んでいく。


 「何これ!何なのこれー!」


 光の奔流に呑み込まれ、その存在が消え去ってしまいそうな錯覚を覚えたベラは、その光によってもたらされた情報によって自身の存在の本質を知る。


 「ファントム・・・・・・私は・・・・・・死者」


 「そう、私達ファントムは死者。転生の輪へと委ねられた浄化される前の精神生命体。次の命へと至る只の通過点」


 「・・・・・・」


 「只マリア・ジェニーだけは違う。世界と融合し、世界を調律する。内部管理者となって世界を安定させるの」


 「お母様・・・・・・」


 「外部管理者から受けた呪いのシステム、精神固着化システムを停止させない為に私達マリア・ジェニーは、失った精神生命体を補充し続けなければならないの」


 これまでもこれからもずっとずっと続く永遠の呪い・・・・・・。そうマリアは思い続けてきた。しかし、今日この日の出来事は今迄の儀式とは何かが違う。


 「何をしているのですマリア・ジェニー!このままではクリスタルコアが暴走を・・・・・・」


 誰も来られない筈のコアルームに飛び込んできたのは、世界の異常が収まらない事を知った学園の理事長イシス・ロミアスだった。


 「お姉様・・・・・・いえ、管理者イシス・ロミアス。私達の手ではこの事態は押さえきれない。貴方が手を下さなくてはならない時が来たのよ」


 「何を言って・・・・・・!?」


 内部管理者となったベラとマリアの二人掛かりでも抑えきれない膨大なリソースの吸引。今この時でさえこの世界は何かによって引き寄せられているが、圧倒的な力の差を埋められる様な出来事は何も無く、外部管理者であるイシス・ロミアスの力が最後の望みであるとマリアは悟っていた。


 「貴方が何時までもこの世界に囚われているから・・・・・・!」


 「私にはこの世界を守る義務があるのです!」


 「それは貴方の義務で無いでしょう!」


 マリアとイシスは互いに意見をぶつけ合い、ベラは満ちる光の先に暗闇を見つけ、その先に何かを感じ取った。


 「・・・・・・あの先は何処に通じているのかな?」


 「ベラ・・・・・・」


 内部管理者としての力を手に入れたベラは、強い力に引き寄せられている様に感じられる今の状況が悪いものとは思えず、何とか確認が出来ないものかと言い合いをする二人を余所に、クリスタルの中へと手を伸ばす。するとベラの姿は掻き消える様に吸い込まれ第四精神文明世界から完全に姿を消した。


 「そんな・・・・・・ベラ!」


 「バカなことを!・・・・・・あぁもうお終いだわ」


 マリアとベラは精神生命体で一つに繋がっている。そしてマリアの思考にベラの思考が送られてきた。


ーーお母様!凄いのよ!この・・・・・・何て言うのかしら?別世界かしら!?ひろーい!


 (ベラ!?如何してこんなにクリアに聞こえるの?)


ーーあのね!銀河旅団って言う人達がね!助けてくれるって!


 (・・・・・・えっ?嘘・・・・・・)


 長い時間この世界に縛られ続けていたマリア・ジェニー、次世代の内部管理者がやって来るまでその使命を唯々全うするだけの使い捨ての管理者。そう自らに言い聞かせ最後の時を待っていたが、覚えのある単語を耳にし、実体の無いファントムの瞳に光るものが落ちた気がした。


 (私も行きます、そこで待っていて!)


ーーうん!そっちの世界は多分もう無くなっちゃうんだって!


 その言葉を聞くこと無くマリアはクリスタルの中へと飛び込み、異世界へと旅立っていった。


 「ば・・・・・・バカな?私の命令を聞かないなんて・・・・・・あぁ・・・・・・世界が!」


 そのまま第四精神文明世界はクリスタルコアの中へと吸い寄せられる様に溶け込み、コアも又自らの意思で第三超広域開拓世界へと旅立つ。


ーーーーーーーーーー新・異世界ダンジョン sideゼルミィ


 「で、ファントムの世界な訳ね」


 「そうなんです、さっきお母様と連絡を取りましたからきっと直ぐ此方に・・・・・・」


 新・異世界ダンジョン東側、第一娯楽世界の丁度地図上の対面に当たる方角へと探索に出たゼルミィ率いるパーティは新たにダンジョンが別世界に繋がったことの知らせを受け、その調査に訪れていた。その時にリトルウルフ達と戯れキャッキャウフフしていたベラ・ジェニーを見つけ、近付いたゼルミィ達に驚き逃げようとしていたリトルウルフ達は、イヤイヤとベラの後ろへと隠れようとしたが、第三超広域開拓世界へと辿り着いたベラは肉体が無く、薄らと後ろの景色が透けていた事で、ゼルミィ達は彼女が精神生命体で在る事を認識し、雨宮へと指示を仰いでいた。


 ベラへと聞き取りを行っていると真っ暗で見渡せない無の空間の先が歪み、未完成だったダンジョンがあっと言う間に広がっていく。此方の部分はようやく完成した様だった。


 「ベラ!」


 「お母様!見て!リトルウルフだって!可愛いでしょ!」


 ベラは抱き上げようとするのだが、その手はリトルウルフをすり抜け空を切る。


 「ベラ、現界世界で私達は接点を持つ事は出来ないのよ。私達はファントム、精神世界の住人なの」


 「それは・・・・・・判っているつもりなんだけど・・・・・・」


 「はーいはいそこまでにして貰って良い?此処に居たらモンスターが寄ってくるからね?」(まぁ弱いモンスターしか居ないみたいだけど)


 二人を連れて引き上げようとするゼルミィだったが、一向に暗い無の空間が晴れずに留まっている事に疑問を抱き、ふと思い立った疑問を投げかける。


 「ねぇ、貴方達のどっちかが管理者なの?」


 「え?違います、私達は内部(・・)管理者なので、恐らく貴方達の言う管理者、外部管理者とは・・・・・・」


 その言葉を言い切らないうちに暗闇の空間に亀裂が入り、細い女性の手がその隙間から空間を引き裂く様に現れる。無理矢理空間を引き裂いて現れたのはイシス・ロミアス、第四精神文明世界の管理者であった。彼女が現れると同時に数え切れない程無数のファントムが時空の裂け目から飛び出し、今にも散ってしまいそうな状態で漂っている。そのファントム達は次第にダンジョンに溶け込む様に薄らぎ、今にも消えてしまいそうになっている。


 「マリア・ジェニー!急いでこの場から脱出するのです!このままでは・・・・・・」


 「ん~?誰この幽霊さん?」


 必死の形相で現れ、只ならない気配を放つ一体のファントムイシス・ロミアスは何かをマリア・ジェニーへと向かって放ち、その精神を絡み取ろうとするが、ナノマシンフィールドがそれを防ぎ、彼女の視線がゼルミィへと向かう。


 「貴様!私の邪魔をするのか!」


 「邪魔って言うか、あんたが邪魔って言うか」


 枯れた幽霊なんて別にいらないかナー。何て言いながらナノマシンを展開しイシス・ロミアスをナノマシンフィールドの中へと閉じ込め、精神生命体の分解が出来ないゼルミィはそのままの状態で持ち帰る事にした。


 「あの・・・・・・それはどうなさるおつもりで?」


 「え?銀河君に分解して貰わないとなーって」


 「「ぶ・分解?」」


 予想外の返答に驚く二人、しかし他のメンバーはそれしか無いかと周りにファントム達を丸ごと大きなフィールドで包み、ズタ袋を引き摺る様に全員でフィールドを引き摺り帰路へとつく。


 「フレイそっちは任せるよ、私はコレを持って帰るから」


 「おっけ~」


 これで終わりと踵を返し引き返すチームゼルミィは、何かを手に持ちその場を動かないマリアとベラに付いて来ないのかと確認するが、何か気になる事があるらしく動こうとしない。


 「これは・・・・・・」


 ベラの手には先程まで無かった掌サイズのクリスタルがふわふわと仄暗く輝いている。ダンジョンの無の空間はそれを呑み込むべくベラへと徐々に迫ってくる。


 「・・・・・・アレってもしかして」


 この新しい異世界ダンジョンが出来る際に、雨宮がロペに渡したダンジョンコアが丁度アレとよく似ていたなと思い、嫌な予感がふと過る。


 「それ直ぐあっちに投げて!」


 「え?」


 「ベラ!」


 ゼルミィの意図を察知したマリアはベラの手からクリスタルを奪い取り、慌てて無の空間へとクリスタルを投げ込んだ。すると無の空間がクリスタルへと一気に吸い込まれ、クリスタルは砕け散った。砕けたクリスタルはキラキラと無の空間を覆い尽くし激しい光を放つ。視界全てを覆う様な激しい光が満ちた潮が引く様に引き、その後には巨大な海が現れた。


 「これって・・・・・・まさか海?本物の?」


 この太陽系には地球が侵入不可能になって以降、テラフォーミングされた火星にしか海は存在せず、それ以外で似た様なものはダンジョンの中に海中エリアが存在する程度で、海水を持ち帰るのにも一苦労する有様。しかしこの場所にあるのは紛れもない海。ゼルミィと行動を共にしているショウコは、故郷の火星にある海と比較し、こっちの方が海として拠り良い物だとそう思った。火星の海は工業発展の為に汚れ極々一部分以外の海は濁り、人の身が触れる事の出来ない物になっていた。


 キラキラと波打ち際に光る白い砂浜、時折光を反射する何かの貝殻、そして透き通ったエメラルドグリーンの碧い海。チームゼルミィのメンバーは直ぐにでもBMを脱ぎ去って飛び込んでみたいという衝動を抑え込み、慌ててマリアとベラを連れてラピスへと帰還する。


ーーーーーーーーーーマギア・ラピス 一番ドック


 ナノマシンフィールドに封じられたままで引き摺る様に連れてこられたファントムの面々は、フィールドが消えた後自分の自我が再び戻った事に安堵し、溶け合う様に消えていく物だと覚悟していたつい先程の現実を再認識し、これからどうなるのだろうかと先行きに不安が募っている。


 一方でナノマシンで出来た檻の様な物に閉じ込められたままのイシスは憤慨し、何故マリアが何もされていないのに自分が檻に入れられているのかと憤り奇声を発している。

 「何だ、やかましいな」


 「あ、銀河君おつかれー」


 雨宮はブリッジから呼び出され、、ファントム達の処遇を如何にするかと問われていた。


 「エラい早く帰ってきたと思ったら何だこれは?」


 「・・・・・・!」


 マリアは雨宮を前にして完全に萎縮しているベラの前に出て改めて雨宮を見る。するとお互いの胸の内に不思議な温かさが満ち、雨宮の心には既視感が生まれるのだがそれに相当する記憶は無い。しかしマリアの方は違い、ファントムと成り薄れ行く前世の記憶の中、たった一つだけ忘れる事の出来なかった記憶。自らが認め自らが共に同じ道を歩むと決めた唯一無二の男。彼女が死ぬ原因と言っても過言では無い存在ではあるのだが、彼女にとってはそれすら誇らしく愛おしい。


 「・・・・・・あなた様のお名前は?」


 「・・・・・・雨宮銀河」


 「っ!やはり・・・・・・、私は今はマリア・ジェニーと名乗っております。どうかファントムをお救い下さい」


 「ファントムねぇ」


 雨宮は辺りに密集したマナの塊の様な存在を見つめ、これなら何とかなるが・・・・・・と考えるが如何せんメリットを感じない。


 「ファントムってのは助けるとどうなるんだ?こう言っちゃ何だが俺は無駄な人助けはしないぞ」


 「以前の様に私を捧げます。そして必要とあらばこのベラも捧げましょう。ですがこの子は・・・・・・」


 雨宮がベラの方を向くとベラはマリアの後ろに隠れる様に逃げ、様子を覗っている。しかし雨宮はそれを追う様な真似はせず、何故か震える自分の手を押さえ、こみ上げてくる物を堪えている。しかしそれは周りの者達からは感じ取れない程の僅かな揺らぎ、雨宮の中に無い筈の物が雨宮の心を刺激し、彼女を手放すなと遠い過去の自分に叱咤された様な気がした。


 「・・・・・・その子供はどうでも良い、分かった。何とかしよう」


 雨宮はふと視線をマリアからそらし、少しばかり目を閉じ、不意に熱くなった目頭の熱を冷ますと、Δエナジーを収束させファントム達にそれを融合させる。すると今迄実体を持たなかった人々は現界し、お互いの身体をペタペタと触り、その存在を改めて認識する。マリアとベラも自らがファントムでは無くなった事に歓喜し、そして疑問を持つ。


 「これは一体・・・・・・」


 「別に生き返った訳じゃ無い。只肉の器を作っただけだ」


 「それでも・・・・・・!」


 「それに行く所もどうせ無いだろう。銀河帝国でこき使ってやるから覚悟しておく様に」


 「はい・・・・・・!」(あの時と同じ事を・・・・・・)


 全員が自分の肉体に少し成れた頃、脱出出来た元ファントムの中から一人、今後の事に不安があると質問を受けた雨宮は彼らを神域の居住地区へと行かせようかと迷っていた。


 「この世界に順応して貰うのはそもそもなんだが、あ、月と神域と海王星と何処か好きな所へ行かせてやろうか」


 「最終的にはそれで良いと思うけどね、最初はやっぱり神域に行かせるのが良いと思うなー」


 ゼルミィは圧縮学習を行うにしても、マギアシリーズのリソースを割くのはあまり賛成出来ないと言うのもそうだが、単純に眷属達は雨宮を働かせたくない様で、面倒事が起きそうな要素は出来るだけ遠ざけたいとそう考えている。


 「この世界の空気に慣れさせるって言う意味でもさ・・・・・・ね?」


 「むぅ。分かったそうしよう」


 上位眷属達曰く、雨宮の運命探知能力は太陽系全土に及ぶ。との考えがあるらしく、何もしていなくても勝手にトラブルが雨宮の方へとやって来るし、雨宮はその探知能力に引き摺られるせいで、無意識にトラブルに巻き込まれに行ってしまう。そして雨宮は決して話そうとしないが、雨宮も又最近体調がおかしいと言うのは眷属全員が把握している懸念事項である。今回異世界ダンジョンへと向かう際雨宮の参加を断固拒否したのは、他ならぬロペであった。一見不死身の様に見える雨宮だったが、只感じないだけで疲労は蓄積するし、肉体の事はともかく精神生命体への負担は眷属達と比べるべくもない、雨宮はそれだけの事をやってのけているのだ。ましてや今回は惑星を丸ごと再生するなどと言う世界を管理している(つもり)の委員会でも不可能な事をやってのけた雨宮の疲労は、ピークを通り越えて普通なら過労死していてもおかしくは無いレベルだと雨宮の動きを完全に把握しているエリナからの情報が眷属クルー全員へと出回っている。雨宮は人に言われたからと行ってきちんと休むと言う事が出来ない人なのだった。


 「所で、ファントムとは結局なんだ?何で精神生命体のままで意志を持って動ける?今迄どうやって生活していたんだ?」


 「あの!えっと!」


 目の前の問題が解決したと思った矢先に雨宮は疑問を次々とマリアへとぶつけぐいぐいと迫る。流石に遠近法なのではと思っていたマリアは、いざ目の前にやって来た雨宮の顔を見る為に全開で首を上に向け、え?え?とその後ろに居たベラと共に目が点に成る程驚きを隠せない。


 「銀河君びっくりしてるから」


 「おっと、そうだったな・・・・・・何かこれ以上小さくならんのよな・・・・・・困るわこれ」


 「普段から試してるの?」


 「ああ、一時的に昔の身長に戻る事は出来るんだが、どうも処理能力とかエネルギー保有力の問題で勝手にこのサイズに戻るのよ」


 「ナノマシンが肥大化しているって事?」


 「いや、量の問題だな・・・・・・」


 「一杯タスクを溜め込んでいるからだよー」


 「むぅ。しかしやらなきゃイカン事だしなぁ」


 「それは分かっているけどちゃんとこっちでもやるから、あんまり一人でやろうとしないんだよ?」


 「・・・・・・善処する」


 ゼルミィの説得も効いているのだかどうだか分からない玉虫色の返事をするに留まる雨宮は、質問を一時棚上げし、如何するか迷っている他の眷属達に手を振り、行かせてやれと指示を出す。


 「二人は如何するんだ?」


 「イシス・ロミアスの事も有りますし、お話ししなければならない事もありますので、私はこのまま此処に残りたいのですが・・・・・・」


 「え!?お母様!?」


 「貴方は好きにして良いのよ。もう此処は貴方を無理矢理縛る呪いがある場所では無いのだから・・・・・・。その名前も無理矢理付けられた物なのだからもう捨ててしまって元の名前を名乗っても良いの。貴方は自由になったのよ?」


 この世界に来てからずっと言おうと思っていた事を一気に捲し立てるマリアだったが、どうやらベラの記憶はほぼ完全に失われているらしく、元の名前なんて覚えていないと、悲しそうに俯くだけでポロポロと碧い瞳から大粒の雫がこぼれ落ちる。


 「憶えてないの、忘れちゃったの、今お母様に言われて気が付いたわ、私、絶対にやり遂げなければいけない事があったはずなの。でも・・・・・・忘れてしまった・・・・・・」


 「無理も無いわ、貴方はあの世界に来る前から酷く消耗していたし、他のファントムとは桁違いの存在を持っていたから・・・・・・」


 「ふはははははは!!!ざまあみろ!雨宮銀河!貴様の妹は私が削り取ってやったのさ!!」


 突如狂った様に大声を出して檻の中に入れられていたイシス・ロミアスが、ナノマシンフィールドにその存在を削り取られているのもお構い無しに檻を掴み、怨嗟の罵詈雑言を放つ。


 「伊佐治様を殺した貴様にはこの程度では生ぬるい!きっと今頃貴様の両親も我らがエスパーズドリームによって・ギャァーーーーーー!」


 その言葉を遮ったのは雨宮では無くベラであった。その碧く光る瞳の奥に吹きすさぶ嵐の様な紋章が浮かび上がる。


 「止めろ!散る!散ってしまう!ベラァアアアアアア!!!」


 「待ちなさいベラ、やはりそう言う事だったのね。私がずっとあのままの状態でいられたのは貴方が削り取ったベラの精神生命体を、私に移植していたからなのね」


 「そうだ!私は貴様の命の恩人だぞ!早く助け・・・・・・ギャァーーーー!」


 雨宮は今迄殺害した事の在る人間のリストを見返し、そう言えばそんな名前の奴が居たなと、データを流し読みしていたが探すのに飽きたのか更にイシス・ロミアスの精神を逆撫でする。


 「そんな奴どっかに居たかな・・・・・・?憶えてないが」


 「な・何・・・・・・!?」


 「ベラ、そこまでにしておきなさい」


 「・・・・・・少しだけ、少しだけ思い出した。東方サイキックアカデミー教頭イシス・ロミアス。作られた偽物のエスパー」


 「!!!!私は偽物じゃ無いイイィィイイイイ!!!!!」


 どのように彼女が生きてきたのかは分からないし、雨宮としては彼女の個人的な話には一切興味は無いが、管理者として存在する迄に通ってきた道程は雨宮は少し興味があると檻に近付き、雨宮は手を振りこの場にマリアだけを残し、他の全員をこの第一ドックから退出させた。


 「り・・・・・・雨宮さん?」


 「俺はこう言う奴だと見ておけ」


 雨宮はそう言うと右手をイシスへと差し出し、肘から先を変化させる。うねうねと波打つ様に動いた雨宮の右腕は若い日本人へと変化し、その右腕が切り離された。


 「此処は・・・・・・?何だこの・・・・・・幽霊?は」


 「ああアアアアアア亜!!!!伊佐治様!あの頃の!美しい!ああアアアアアア!!!」


 その男を見るなり半狂乱になり檻の中で暴れ回るイシスだったが、当の本人は訳も判らず右腕の再生した雨宮を見てあまりの巨大さに蹈鞴を踏む。すると檻に背をぶつけてしまい、イシスがその様子を見逃さず抱きついた。


 「良い言いいい良いいぃさじさまぁあああああ!!!!」


 「うわぁああああ!!」


 触れられもしないのに何故かその身体を拘束するイシスは、男の身体に纏わり付く様に手を伸ばし、その身体に入り込もうとしてナノマシンフィールドに阻まれている。


 「た!助けてくれ!私はお化けが!嫌いなんだ!」


 子供じみた懇願を受けて雨宮はそう言うものかと首を傾げ、マリアはこの男のことを迷った様な不思議な面持ちで眺めている。


 雨宮は無理矢理男を檻から引き剥がし、その後に少しだけ男の残影が残る。その残影にイシスは纏わり付き狂乱する。


 「なんなんだあれは!・・・・・・喰われるかと思った・・・・・・」


 「貴方がこれまでしてきたことに比べれば、この程度で何を言っているのかしら」


 マリアは一歩前へと進み雨宮に今にも縋り付きそうな男を蹴り飛ばす。


 「ぐあっ!・・・・・・!その顔・・・・・・貴様は如月(きさらぎ)マリア!・・・・・・此処は一体・・・・・・」


 「如月マリア?」


 「昔の名前です。ファントムになる前の・・・・・・あれから長い長い月日が流れました。この男はまだ生きていたのですね」


 「厳密には生きているというか、只生かしているだけなんだがな」


 「それならば構わないと思いますが・・・・・・危険なエスパーですよ?」


 「もうエスパーでは無い。コイツは只の人間だ。話を聞くだけの為にエスパーを作り出したりしない。あんな失敗作・・・・・・」


 「貴様今何と言った!」


 雨宮の発言に目をひん剥き、飛びかかってきたが雨宮に近付く直前にナノマシンフィールドに阻まれ、顔面から強打しその場に崩れ落ちる。


 「お前に質問する権利は無いぞ。お前達には俺が話を聞く。分かったな」


 「・・・・・・」


 男は自分の中から力が消えていることに気が付き、少しの安堵と迷いが表情に表れた。


 「・・・・・・何が聞きたい、所詮私はトカゲの尻尾切りだ、私が知っている事等僅かな物だ」


 「知っていることを全て話せ。そうすればこの世界で生きる権利をやろう」


 「・・・・・・この身体でか!?」


 「そうだ」


 「・・・・・・」(巧い、本能でこの男が若さに固執していることを見抜いたのね)


 マリアは雨宮が本格的に話を聞く体制に入った様な気がして、一歩下がり雨宮の横に付き従う様に留まる。


 「・・・・・・私は」「いいぃいいいいさじさまあああああ!!」


 そう言えばアレをほったらかしにしていたなと、奇声を発するゴーストBBAが狂喜乱舞する檻の中を見て溜息を付く雨宮。少し邪魔だと考えた雨宮は檻になっているそれを箱に変化させ、外界と完全にシャットアウトした。


 「・・・・・・アレは出て来ないのか」


 「暫く放っておけ、あの中に居る以上何も変わらん」


 「そうか・・・・・・」


 雨宮は三人分の椅子を作り出し、腰を掛ける。二人もそれに習い腰を下ろした。


 「何処から話せば良いものか・・・・・・」


 「そんな話し辛いことか?」


 「あ、いや。そんな事は無い、只煩雑で何から説明すれば良いのか迷っているだけだ」


 雨宮は肘置きに肘を立て気怠げに玉城を見るが、既に自分の力を使う気は無いのか、彼からは全く戦う男の気配を感じなかった。


 「エスパーズドリームという組織の事は知っているのだろう?」


 「俺は殆ど知らん」


 「な・何だと!?」


 「本当ですか!?」


 雨宮は転生する度に記憶がリセットされる。これは眷属しか知り得ない情報で、他の者達は知らなくても当然なのだが、二人はそんな事実を知らず、勝手に記憶を持ったままで居ると勘違いしていた。玉城に関しても今の雨宮はロペ達から聞いた事しか知らず、マリアに関しても名前を聞いても何も感じない。


 「そんな事は良いだろう」


 「・・・・・・何も憶えていないというのか・・・・・・私は一体何の為にここまで」


 何か理由が有るのだろうが雨宮には全く理解出来ず、呆然と雨宮を見て血の気の引いていく思いを抱く玉城。


 「私は、・・・・・・君からサイキックの正しい使い方を手に入れる為に送り込まれたのだ」


 「正しいサイキック?何じゃそりゃ」


 「やはりそう言う言葉も分からないか・・・・・・」


 「サイキックパワーとかそう言う言葉は何となく想像がつくが、正しいとか正しくないとか何か意味の有る事なのか?」


 「我々の間ではサイキックパワーとはエスパーの使う能力によって消費されるエネルギーを指して言う」


 「ああ、Σエナジーの事か」


 「!!何だねそれは!?」


 「お前達の生命エネルギーの事だ。これが無くなるとエスパーは死ぬ・・・・・・まぁエスパーに限った事では無いが。エスパー以外の人間は無くなっても直ぐに死ぬ訳じゃ無いんだよ」


 「そんなバカな・・・・・・」


 「理屈は今分析中だが、そう言う結果になると言う事は直ぐに分かったからな」


 「・・・・・・」


 玉城は脳内をフル回転させΣエナジーという断片情報を何とか理解出来ないかと努めているが、それが分かった所で何も変わる物では無いと今更ながらそう思うのだった。


 「話を戻すが、自分達の力の使い方が正しくないと思ったのか?」


 「私は・・・・・・な。他の者達はその様な考え方は無い・・・・・・と思う。少なくとも真田(さなだ)龍禅寺(りゅうぜんじ)国宮(くにみや)の様な馬鹿共はそんな事を考えもしていないが、天使(あまつか)義野(ぎの)の様な奴らは使えば死ぬ力の事を深く考えていた。」


 殆ど聞き覚えの無い名前であったが、二人程雨宮に覚えのある名前が出てきた。


 「他の奴は知らないが、真田というのはどういう奴だ?」


 「好戦的、短慮、無自覚、無慈悲そして何より頭が悪い。まず会話にならん」


 「それホントに人間なのか?」


 「分からん。人の皮を被った化け物として認識しても問題は無かろう。彼奴は他の人間を喰らう事で無理矢理力を取り戻していたようなことを言っていたが、そんな事が果たして可能なのかは分からない、ほぼ間違いなく妄言だろうが、実際彼奴はどれだけ力を使っても生きて帰ってくる。何か他に理由が有るのかもしれないが、近くに寄るようなことは無かったからな、詳しくは分からない」


 只単に同じ名字なだけなのか、未だ区別を付けられないが、警戒して置くに越した事は無いと雨宮は今一度、サイキックシンフォニーの調査を指示し、報告を待つ事にした。

 「おかしいとは思わないか?魔法使い達は魔法を使っても死ぬようなことは無い、なのにエスパーは力を使えばそれだけ消耗し、やがては死に至る。何故そんな差がある?」


 次々と疑問が湧き出して来る玉城の口から何故、何故、何故の言葉の中に悲しみと焦りが見える。


 「仮にその疑問が解消したとしよう。その情報をお前はどうやって持ち帰るつもりだった?」


 「・・・・・・この世界に居る組織の人間が、後一度だけ我々の世界に戻る扉を開く事が出来る。彼女は一人だ、合流して直ぐに戻るそのつもりだった」


 雨宮の中に有る情報で唯一可能性のあるのは、一人だけ。


 「倉敷志緒理(くらしきしおり)か?」


 「それを知っていたのか?」


 「可能性を確認してみただけだ。どうやら当たりの様だが、そいつは一人じゃ無かったが・・・・・・」


 「何だと?では既に彼女は力を失っている可能性が高いな・・・・・・」


 「お前が騙されているって言う可能性は無いのか?」


 「無いとは言え無い。だがPPチェッカーによる検査で彼女が此方に来る前に測った残りPP(サイキックパワー)は後二回分だけだった。此方に来る分と帰る分、それだけだったはずだ」


 「成る程な、じゃあもう一つ聞こう。お前が此方に来た時何故あんな事になった?」


 玉城がこの世界に来た時、恐らくそれは不結理がこの世界に現れた時と一致するはずだと雨宮はそう考える。そして何故か彼女はその身体に寄生され、直ぐに死ぬ様な生物のなり損ないの様な玉城が身体の中から現れた。


 「・・・・・・此方に来る直前に何かをされたのだろう。それ位しか可能性が思いつかん。君の口ぶりから彼女は普通に此方に来れているはずだから、世界を移動する際に何か有ったとは考えにくい、なら前者が恐らく正しいのだろう。心当たりがある」


 「・・・・・・」


 「触った人間を寄生虫に変える能力を持った奴が居たはずだ。恐らくそいつに触られたのだろう。そのせいで人間の内部にしか出現出来なかったと思われる」


 倉敷志緒理はこの世界と玉城達の世界を行き来しており、後数回力を使えば死ぬ。だが最後の一回は使わない様にすれば寿命を全う出来ると、最後の一回は使わせないと近代ではそう決まっていたらしい。最後に玉城を連れてこの世界に来たら後は合流して元の世界に帰るだけの筈だが、現状を突きあわせて考えると、もうこの世界に居るエスパー達は元の世界へと帰る事は出来ないのだろう。玉城を連れて帰る最後の一回を、他の奴を連れてくる事に使ってしまったはずだから。


 「そうか・・・・・・もう元の世界には帰れないか・・・・・・」


 「何か有るのか?」


 「いや、何も。組織にはうんざりしていた。私も因り上の力を持つ存在に操られていたからな、この世界に来て漸く今自由を取り戻した。如月マリアの言っていた様に、犯した罪は消えないがな・・・・・・」


 「ふーん。他にも色々知ってる事を教えて貰おうかな」


 「良いだろう、私の知る事は全て話そう・・・・・・その代わり助命を請う」


 「いいさ。こっちは何時でも人が足りん。まぁ、お前を知っている奴も何人か居るから、そいつらとは何とか上手くやってくれ」


 「殴られる位は想定済みだ。成るべく痛いのは勘弁して欲しいが・・・・・・」


 それから雨宮は気になる事を時間を掛けて質問し、彼のその後を復活したクルファウストに任せる事にした。


千二百六十六代目マリア・ジェニー(ベラ・ジェニー) 十八歳 イマジン学園三年生


 ここ最近学校生活が退屈になってきた十八才早生まれの女の子。一番窓側の席で外を眺めて溜息を付く様子を男女問わず見つめられていることには気付くことも無かったが、毎日溜息を付き家と学園を往復するだけの毎日を脱したいと切に願っていた。


 彼女の名前はイシス・ロミアスによって名付けられた呪いの名前。その名を名乗る限り精神生命体を束縛され、無意識かをコントロールされるという呪いが掛かっている。毎日学園へと通い、精神生命体を削られ家に帰る。只それだけの行動を何千年も続けているのだが、精神生命体と共に記憶も削られている為気付くことは出来なかった。


イシス・ロミアス 九百七十歳 イマジン学園理事長


 元東方サイキックアカデミーの教頭として教鞭を振るっていた人造エスパー。


 自らを生み出した玉城伊佐治を敬愛し、愛していたが、玉城は自ら生み出した失敗作を嫌悪しており、一刻も早く消し去ってしまおうと考えていたのだが、彼女は教師としての才能に恵まれ、学園として必要な存在と成ってしまった為に、簡単に殺害することも出来ず困り果てていた。当の本人はこれ幸いと玉城の世話を焼き、食事の用意から寝屋を共にするまでべったりだったが、玉城はそれに伴い病弱化し日に日に弱っていく事を組織が深刻と見てイシス・ロミアスのクローンを用意、彼女を殺害した。


 組織によって殺害された彼女は考える。如何すれば彼を振り向かせることが出来るかと。


 その結論は神となること。


 神となって彼に奉仕すればそれ以上のことは無いと確信し、彼女の存在は肥大化、輪廻の輪を離れ次々と目に付く世界を食い散らかすファントムとして委員会によって目を付けられていたが、雨宮歌子の発明した精神生命体固着化装置を使い、暴走するイシスを強制的に固着化、第四精神文明世界と融合させて強制的に世界を管理させることに成功したが、彼女の盲執は消えず精神生命体が輪廻しない、只死者がそこに集まるだけの不毛な世界が生まれてしまうことになった。事を重く見た委員会は当該世界を閉鎖することを決定、次元の狭間へと遺棄した。


千二百六十五代目マリア・ジェニー 二十八歳 管理者兼イマジン学園校長


 遠い過去の世界で雨宮と寄り添い戦い抜いてきた、如月マリアという女性の成れの果て。


 彼女は死亡した後マリア・ジェニー、内部管理者の代わりとして代替えにあてがわれクリスタルコア(発展型精神生命体固着化装置)と同化し世界の安定の為の養分として第四精神文明世界に固定された。元々力のある存在であったが為長い年月を掛けてイシス・ロミアスに力を削られ、弱り切っているのだが、その力を維持する為に新しい精神生命体を喰らって生き延びる事を強要されていた。

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