魔王の忠告
年が明け、学校が始まった最初の休日。
大地はリビングでTVを眺めていると、不意に後方から声を掛けられた。
「大地よ。 少し話がある」
いつもと違う様子のリア。 大地は「何だ?」とそちらに身体を向ける。
リアは大地の目の前で正座をし、「貴様、どうするつもりじゃ?」と威圧する様に問うた。
その言葉の意味がよく理解出来なかった大地は「何をだ?」と聞き返す。
「陽子のことじゃ」
その瞬間、心臓が強く鳴った。
それに構わずリアは言葉を続ける。
「気づいておるのじゃろ? 彼女の気持ちを……。 そして、貴様も陽子を好いておる」
この際だからはっきり言わせてもらうぞ、とリアは大地の心を見透かす様な瞳で次の言葉を放った。
「貴様はもう三年で、残りの時間も少ないのだぞ?」
確信を突かれた大地は大きく目を見開いた。
「別に陽子が幸せになろうがなるまいが妾にとっては正直どうでも良い。 貴様がそれで良いのなら別に。 このまま思いを告げぬまま、諦めると言うのであれば、その時は」
リアは目にも留まらぬ速さで大地を押し倒した。
「妾が本気でお主の心を奪うぞ?」
その言葉にハッ! と我に返った大地は「止めろ!」とリアを突き放す。
「お前に言われなくても解っている!」
大地の言葉に、リアは納得したのか、口元を僅かに横に広げた。
「そうか。 なら良い。 しかし、お主と陽子が結ばれようと、妾は諦めるつもりは無いがな」と不敵に笑うリアに対して大地は「無駄だぜ。 俺の意思は固いからな」と笑ったのだった。




